第543話 常連客と会長のお仕事
「大将来ったでぇ~♪」
「こんにちは~♪」
「いらっしゃいませー。2人とも待ってましたよ。」
「えぇっ?!ちょっとシンさん、今から何をするつもりなのよ(汗)」
「ペトラ様が色々と知りたいって言うんで、1番詳しい人に直接質問して貰おうかと思いまして。」
ペトラ様が俺の能力について詳しく知りたいと言うので、我が家の中庭に置いてある屋台を臨時開店している。
案の定、常連客のちーちゃんとふーちゃんは直ぐに来店してくれたので、後は美味しいお菓子とお茶を楽しみつつ、ペトラ様が2人に質問してくれれば良い。
俺の能力については家族にしか教えないと決めているけど、能力を授けてくれた本人?本神?が教える分には、俺がとやかく言う事では無い。
「今日のお菓子は銀座辺りにある老舗の『フルーツ大福』と『抹茶』。あと浅草の老舗和菓子屋の『人形焼』です。どうぞ」
「やったぁー♪あっ、、もしかしてこれって等価交換用のお菓子?」
「ええ、まぁ、そうですね。今回の対価はお菓子を食べ終えるまで、新たに家族になる予定の人達とお喋りして欲しいんですけど、どうでしょう?」
「そんなんで良いんやったら任しとき!でも、魚の子はええとして、蠍の子はちょっと素質不足やで」
「蠍の子と言うとペトラ様ですか?」
「名前は知らんけど、そこで1番ビックリしてる子やね。ウチらが今話してる内容も、言葉の分からん外国語みたいに聞こえてるんとちゃう?」
うーむ、困った。
我が家のみんなも素質にはバラつきがあるけど、屋台に来たちーちゃんとふーちゃんなら、みんな問題無く姿が見えるし会話も聞こえてたからなぁ
ここに来て素質の壁が、、、
「シンさん、ここはわたくし、アルテミス・ピスケスにお任せ下さい!」
おおっ!
素質ランク第3位のアルテミスさんが誇らしげに胸を張っている。
【現在の素質ランキング】
第1位・カスミ
第2位・ニィナ
第3位・アルテミス
第4位・メリル
第5位・ケイト
第6位・スミレ
同率7位・お藤、コニー、フラニー
ランク外・ペトルーシュカ(ペトラ)
ランク不明・ミリアリア、ウェンディ、シェヘラザード・バレンタイン(シェラ)
【殿堂入り】
シン・ナガクラ
「ではここはアルテミスさんにお任せして俺は商会に行きます。
ちーちゃんとふーちゃんにはお手数をおかけしますが、ゆっくり楽しんで行って下さい。」
「「はーい♪」」
うーむ
今のちーちゃんとふーちゃんは屋台の常連客とは言え、親しくなり過ぎな気もするけど、、、
ただの人である俺が考える事では無いか。
「ちょっとシンさん、私はどうすれば良いのよ(汗)」
「ペトラ様、ここは人脈作りだと思って頑張って下さい。何かあればアルテミスさんかケイトにでも聞けば大丈夫なんで、それでは!」
「ちょっと、シンさぁーーーーん(泣)」
なんだかペトラ様の悲痛な声が聞こえたような気がするけど、気のせいだな。
ペトラ様、ファイトやで♪
◇ ◇ ◇
ぶぃーーん、キキィー!
ニィナの運転する自転車の後ろに乗って、あっという間に池田屋商会本店に到着。
中に入ると優秀だけど面倒くさい男のアルがさっそくやって来た。
「シンさん、ニィナさん、御無事のお帰り祝着至極に御座います。」
「仕事だって聞いたけどその前に、ダンジョンに行ってマジックバッグを手に入れたから活用してくれ、ほらよ」
収納から『巾着袋・ウエストポーチ・肩掛け鞄』のマジックバッグをそれぞれ1つずつ取り出して、アルに渡していく。
「ほぉほぉ、これがマジックバッグですか。実物は初めて見ましたけど、3種類もあるのですか?」
「それぞれ容量が違うんだよ。それと使用者登録が必要で、しかも1度登録すると変更出来ない仕様だから商会で使うには不便かもしれんけど、とりあえず使ってみてくれ。」
「使用者登録はさほど問題ではありませんけど、3つも商会で使って宜しいのですか?」
「マジックバッグはダンジョンに行けば幾らでも補充出来るし、たまにはダンジョンに行った方が創造神様が喜ぶらしい」
「かしこまりました。全てはシンさんと創造神様の御心のままに。」
どうやら面倒くさい男の面倒な部分は『信仰』にレベルアップしたらしい。
「それで今日は俺に仕事?」
「はい、たいした事では無いのですが、シンさんに直接判断して頂くのが1番かと思いお呼びしました。」
「たまには会長として仕事をしないとだし、会長室に行けば良いか?」
「いえ、応接室で訪問者の応対をお願いします。」
「了解」
最近は池田屋商会会長の俺に会いに来る人は、アルが話を聞くか追い返すかしてくれてるんだけど
それをしないって事は面倒事の予感がするぅー(汗)
とにもかくにも、久々の会長としてのお仕事
頑張りまっせ!
つづく。
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