第542話 帰宅

すぃーーーっとっと、無事着地♪からのぉ~


ぎゅぅぅ!


出迎えてくれた愛しのぷりてぃーもふもふ姉妹のスミレとカスミを同時に全力で抱きしめる♪



「スミレにカスミ、ただいま~♪」


「んにゅ~♪」「ご主人様お帰りなさい♪」



パラシュートで飛んで帰る途中、無線機で帰ることを連絡しておいたお陰で、中庭で我が家のみんなが待っててくれていたんだ。



「俺が留守の間は大丈夫やったか?」


「えっとねぇ、ペトラねーちゃんが九九の5の段が難しいんだって」


「5の段?またえらい中途半端な所で苦戦してるんやな」


「ちょっ、スミレちゃん?!

誤解の無いようにシンさんに言っておくけど、別に私は5の段で苦戦してる訳じゃないからね!

万が一にも間違えて覚えないように、時間をかけてるだけなんだから。」


「はいはい、分かってますよペトラ様。基礎は大事ですから確実に覚えて下さい。」


「分かってくれてるならいいわ」



俺が留守の間にペトラ様も少し性格が丸く、、、なった?



「カスミは俺の留守の間はどうやった?」


「えっと、やってみたい事が出来ました。」


「マジで?!カスミは何をしたいん?」


「まだ秘密です。だからもう少し待ってて下さい。」


「えぇー!でも、楽しみが出来たから良いか♪教えてくれるの楽しみにしてるな。」


「はい♪」



ぐはぁっ!


なんてこった。


たった1日会わなかっただけでカスミが随分と大人っぽくなってるじゃあないか!


笑顔のカスミに見つめられてドキッしちゃったよ(汗)


はぁ~


カスミは後どれくらいこうやって抱きしめさせてくれるんだろうか?


今年の年末で最後かなぁ?


いかん!


カスミの成長が嬉しい感情と、いずれ親離れするという寂しい感情が混ざって、情緒不安定になりそうだ(汗)



「おにいちゃん、お帰りなさい♪」


「ただいまメリル♪」



ぎゅっ(照)


スミレとカスミの次はメリルが来て俺を抱きしめてくれたけど、照れられると俺もちょっと恥ずかしいんだが、、、


ぐはぁっ!


カスミに続いてメリルも大人っぽくなってるじゃあないか。


メリルの笑顔が世界で1番素敵なのは変わらないのに、胸とかお尻とか急に成長し過ぎじゃね?


毎日メリルの体のサイズを確認してる訳じゃないから、実際には少しずつ成長してたんだろうけど


抱きしめて体が密着してるから、柔らかいむにむにした物が当たって色々危険なんですけどぉー!


いや、お尻は自主的に触っているから自業自得なんだけど


ここはいったん話題を変えよう。



「えっと、実は新しい商売を考えたから聞いてくれるかな?」


「新しい商売♪早く聞かせて!」



メリルは仕事の話になると相変わらず目をキラキラされるんだもんなぁ、可愛いから何の問題も無い!



「ステフ様の所のメイドさん達にコロコロカートが大人気だったから売れると思うんだよ。よいしょっと」



収納から色々な種類のコロコロカートを出してメリルの前に並べて行く。



「これって折り畳みも出来る荷車みたいなやつだよね?そんなに人気だったの?」


「貴族の屋敷だと洗濯物だけでも毎日大量に出るから、洗濯物を運ぶ為に室内で使える荷車は凄く便利らしいよ。」


「そうなんだ、、、」



あぁ~


メリルがコロコロカートを見つめて考え込んでしまった。



「とりあえず大きな屋敷で働くメイドさん向けに販売してみる?

ガゼル親方なら木製でも作れるだろうし、魔物の素材で作るゴムタイヤの代替品の製作もお願いしてたから、俺が居なくても商売としてはやっていけると思うんだけど」


「オリビエさんに相談してくるね!」



言うやいなやメリルは走り出してあっという間に姿が見えなく、、、ならないな。


いや、他のみんなの身体能力が凄過ぎるだけで、メリルの身体能力が普通なんだよ。


たぶんメリルのスピードは50メートル9秒くらい


スミレとカスミの獣人姉妹は7秒台


ニィナとケイトは5秒台ってところだろう。



むにっ


ん?


突然背中に押し付けられた柔らかい感触は、、、ケイトだな。



「ねぇダンナァ~、、あっ!間違えた。旦那ぁ~」


「わざわざ言い直さなくてもいいからな」


「そうなの?確かにダンナは昔から呼び方にこだわりは無かったよな。でさぁ、たまにはダンナのお菓子が食べたいんだけど、駄目?」


「駄目じゃないけど、ペトラ様とアルテミスさんがなぁ。薄々気付かれてるとは思うけど、俺の能力について教えるのは結婚してからにしたいんだよなぁ」


「えぇー!もう結婚してるのと同じだから良いじゃんかぁ~、ぶーぶー!」


「ぶーぶー言っても駄目だから。お菓子の本は渡すから、カスミかヨウコさんに見せて作って貰えよ」


「むぅ、、、それで我慢する」



俺のチート能力については、今すぐにでもアルテミスさんとペトラ様に教えて良いんだけど、俺の我が儘で教えるのは家族だけと決めているから、もう少しだけ待っていて欲しい。



ぎゅっ!


「シンさんお帰りなさい(照)」


「あっ、はい。アルテミスさんただいま」



ケイトの次はアルテミスさんが来たけど、俺の手を両手でぎゅっと握ってるだけで顔を真っ赤にされると、俺も照れるぅー!


まっ、可愛いから何の問題も無いけどな!



「シンさんの能力についてはいずれ教えて頂けると信じていますので、今は仕事を優先して下さい。

アルヴェロヴェールさんから、シンさんが帰って来たら商会に来てくれるようにとお願いされました。」


「分かりました。直ぐに商会に行きますよ。」



面倒くさいけど優秀な男のアルが、仕事で俺を呼んでいるというのなら、それは正しく俺にしか出来ない仕事なのだろう。



「ちょっと待ちなさいよアルテミス・ピスケス!シンさんの能力って、私は何も聞いて無いけど?」


「私も何も聞いていませんので、来るべき日まで静かに待つのが妻の勤めかと」


「ふんっ!私はただ待つだけなんて御免だわ。シンさん、夫婦に隠し事は無しよ!」



あちゃ~、面倒な展開になったなぁ、どうしよう(汗)


そうだ!


ペトラ様には直接聞いて貰うとしよう♪






つづく。

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