第525話 ダンジョンを攻略しよう♪

タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ


現在


俺とニィナとヨウコさんは、フルマラソンで世界記録を狙えるスピードでダンジョンの第8階層、アフリカのサバンナのようなエリアを疾走している。




ダンジョンに入るなり


「時間短縮の為に走って行きましょう♪」


と言われた時は、運動なんて全くしてないから不安だったけど、ヨウコさんに身体強化魔法を使って貰い


更には疲れる前に回復魔法を使う事で、オリンピアン並のスピードで走り続ける事を可能にしている。



ダンジョン内部は各階層ごとに出現する魔物と階層ボスが同じらしく、冒険者ギルドで把握している情報は次の通りになる。


第1階層・ゴブリン


第2階層・コボルト


第3階層・オーク


第4階層・オーガ


第5階層・ポイズンスパイダー


第6階層・ミノタウロス


第7階層・ケルベロス


第8階層・???


第9階層・???


第10階層・???




第1階層と第2階層はベテラン冒険者なら30分程度で攻略するらしいけど


俺達の場合は両手に特殊警棒を持ったニィナがゴブリンもコボルトも瞬殺していくから、それぞれ5分程度で攻略したけどな。



第3階層からは一気に難易度が上がって、攻略するのに5~6時間かかるのが普通らしい。


まぁ俺達は普通では無いし、ヨウコさんが道案内をしてくれるのでいっさい迷う事無く階層ボスの部屋まで辿り着き、ニィナが瞬殺してくれるから


俺はニィナが倒した魔物からドロップした魔石を拾うだけの簡単なお仕事でした。


とはいえ


第7階層でケルベロスが大量に出て来た時はビビったよ。


地獄の門番と呼ばれる3つの頭を持った、巨大な犬のようなケルベロスが大量に出て来たら、そりゃあビビるって!


だがしかし


ケルベロスの攻撃はヨウコさんの結界で防げるから、正面からやって来る1体だけをニィナが倒して、後は走ってボス部屋に直行するだけだったから、ヨウコさんが居ないと即全滅もあっただろうな。



そして現在俺達は


ダンジョンの第8階層、アフリカのサバンナのようなエリアを疾走中だ。


サバンナだけあり気温も高く喉が渇いたから、先頭を走るニィナに声をかけて休憩しよう。



「おーい、ニィナー、いったん休憩しよう!」


「はっ!」



キャンプ用の日除けのテントと椅子とテーブルを収納から出し、よーく冷えた麦茶とおやつのイチゴ大福をテーブルに並べたら



「いただきまーす」


「「いただきまーす♪」」



はぁ~、冷えた麦茶が旨ぁ~い♪



「それにしてもここが上級ダンジョンとは言え、第5階層から難易度上がり過ぎじゃないかな?

俺達はヨウコさんの結界があるから余裕だけど、普通の冒険者が上級ダンジョンをクリアするの無理じゃね?」


「階層ボス以外は無理に倒す必要もありませんから、対策さえしっかりしていれば倒せなくは無いかと」


「第5階層のポイズンスパイダーなんて毒と糸を無差別に撒き散らして来たけど、どうやって防ぐの?」


「よぉーく見ていれば避けられます!」



そりゃあニィナの動体視力なら余裕だろうけどさぁ



「各階層に隠されている宝箱を見付ければ、マジックバッグを含めて様々なアイテムが手に入りますから、低階層の探索だけでも一攫千金を狙えるお手頃なダンジョンだろうと思います。

ナガクラ様、お客さんが来たみたいです。」


「あいよ、第8階層は何が出て来るか情報が無かったけど、、、あれはグリフォンの団体さんだなぁ」



ヨウコさんが指差している方を見ると、上半身は鷲の姿で下半身はライオンの姿をしたグリフォンの団体さんが空を埋め尽くしている。



「空を飛ぶ魔物は厄介ですね。私の攻撃が届きません。」


「あれは無視してボス部屋に直行しよう。その前に超強力業務用ライトを、、、ビカッーーーーー」



ゲギャッ?!グガァッ!ギィギャー!!



おおっ!


鳥は強い光に弱いって聞いたから試してみたけど、グリフォンの顔は鷲なだけあって、強い光を見たグリフォンの団体さんは大混乱になっている。



「このまま第8階層のボス部屋に行くぞ!」


「「おーっ!」」






つづく。

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