第503話 冬の到来となんやかんや

ペトラ様とシェラさんが我が家に来て1週間が経った。


予想していた通り、ペトラ様とシェラさんは我が家に設置された様々な便利道具を見て、とても驚いてくれたんだけど


お風呂とトイレを見たペトラ様に『なんで もっと早く教えないのよ!』って本気で怒られてしまった。


そんなん言われても、ペトラ様が不在の時に手に入れた物やから無理ですやん(悲)


とまぁ色々あったけど、ペトラ様とシェラさんも創造神様とちーちゃんさんに紹介した後は凄く大人しくなり、俺は毎日平和な日々を過ごしている。



ちなみに最近のペトラ様は


朝食を終えると直ぐに、こども園に行ってウィンナーサンド用のコッペパンを子供達と一緒に作ったり、ポップコーンを作って屋台で売ったりしている。


どうやらペトラ様は『経験』する事の大切さに気付いたらしく、かなり積極的に色々とやっているらしい。


そんなペトラ様は午後からも子供達と一緒に読み書き計算を習っているのだけど、九九を習ったペトラ様は3の段で早くも壁にぶつかったらしく、食事中やお風呂に入りながら九九を声に出して覚えるのが日課になっている。


ただなぁ


ちょうど良いからって、ついでにスミレにも九九を覚えさせたら3日で全部覚えちゃって、落ち込んだペトラ様を励ますのが大変だったけどな(疲)


とまぁ色々あるけれど、平和な毎日に感謝しつつ、俺は我が家の中庭で瓶ビールを氷水に入れて冷やしつつ枝豆を茹でている。


中庭に置きっぱなしにしている屋台では現在、クレアさんがつくね串を焼いてる最中だ。



「「「こんにちは~♪」」」


「いらっしゃ、、、いませ。えっと、直ぐに開店するので中で座って待ってて下さい。」


「「「はーい」」」


「ケイトはちょっと残ってくれ」


「いいけど何か用?」



中庭で屋台を営業していれば、常連客の創造神様とちーちゃんさんが来店するだろうとは思っていたけれど、凄く仲良さそうにケイトも一緒に3人で来店して来たのは何故だ?



「なぁケイト、いつの間に創造神様とちーちゃんさんの2人と仲良くなったんだ?」


「さっき♪

中庭の隅で見慣れない人影がウロウロしてたから声をかけたんだよ。


まぁあの2人だと思わなくて驚いたけど、今日はただの屋台の客だって言うし、まぁいいかって(笑)


そしたらつくね串を楽しみにしてるって言うから、つくね串には卵黄を付けて食べるのも美味しいけど、梅しそソースで食べるのも美味しいよ♪って教えたら一緒に食べようって誘われたから一緒に来たんだぁ♪」


「ケイトっぽいと言えばそうなんだけど、、、まぁいいか。今日は遠慮せず飲んで食べてくれ」


「やったぁー♪」



予定外の客が1人増えたけど問題無し!


むしろ屋台で1人つくね串を焼いているクレアさんが、客に絡まれて無いかの方が心配だよ。



「クレアさーん、大丈夫?」


「はい、大丈夫です。つくね串もそろそろ焼き上がります。」



ほっ


3人の客は椅子に座ってつくね串が焼き上がるのを大人しく待っていて安心する。



「クレアさんわざわざ来てくれてありがとうね。」


「いえ、私はつくね串を作る為に雇われましたから、毎日焼いても大丈夫です!」


「嬉しい申し出だけど、今は勉強優先でお願いね」


「はい!勉強も頑張ります!」


「ちなみに、ペトラ様の様子はどう?こども園の皆と仲良くやれてるのかな?」


「問題無いと思います。ただ、ペトラ様はミスをすると凄く落ち込むので、見てて心配になりますけど」


「あぁ~、ペトラ様は感情の起伏が激しいからなぁ」


「でもスミレちゃんがお菓子をあげると元気になるので大丈夫かなと」


「そっか、スミレがこども園に行く時は何かお菓子を持たせるようにしとくよ。こっちはもう大丈夫だから、クレアさんお疲れ様でした。」


「はい、失礼します。」



さてと


つくね串と枝豆を皿に盛って


シュポッ、トクトクトクトクトクトク



「お待たせしました。では、かんぱい」


「「「かんぱーい♪」」」



んぐんぐ、、ぷはぁっ♪


これこれぇー!


屋台で飲むビールは瓶ビールに限る。


しかも小さめのグラスにビールを入れてチビチビ飲むのが、控え目に言って最高やん♪


最近輝く光が控え目になり、表情が分かりやすくなった創造神様とちーちゃんさんも、ビールをチビチビ飲みながらとても満足そうだ。



「ねぇダンナ、大きいグラスは無いの?」


「チッチッチッ!屋台では瓶ビールを小さいグラスで飲むのが粋なんやで♪」


「そうなの?」


「ねぇちーちゃん、ドヤ顔してるけど瓶ビールも小さいグラスも初めてよね?」


「ふーちゃんそれは言うたらあかんで、時にはノリと勢いが大事なんやから(悲)」


「ちーちゃんの言うノリも勢いも私には全然分からないわ。店主さん瓶ビール2本追加で」


「はーい」



創造神様、ちーちゃんさん、ケイトの3人が、幼馴染か!ってくらい仲良くビールを飲んでる姿は、ちょっとだけ羨ましくもあるけれど


さすがの俺でもケイトのように自然な態度で居るのは無理だよ。


さてさて


今日は創造神様に聞きたい事があるから、さっさと済ませて屋台を楽しまねば!






つづく。


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