第504話 冬の到来となんやかんや その2

「旨っ!つくね串に梅しそソースってめちゃ旨やん♪教えてくれてありがとうな、えーーーーっと、名前なんやっけ?」


「ケイトだよぉ」


「せやったケイトやったわ。ウチらはそれぞれの魂を見てるから、名前ってあんまり重要とちゃうねん。これからも色々教えてなケイ、、、ケ、ケ、ケ、、ケイっち!」


「うん、良いよぉ♪あたしもちーちゃんって呼んで良いかな?」


「勿論やで!ウチとケイっちはもう飲み仲間やもん♪ウチとケイっちの出会いに」


「「かんぱい♪」」



「ちょっとちーちゃん!私も居るんだから2人だけでかんぱいしないでよね!」


「ごめんごめん、じゃあ店主さんも一緒に4人でかんぱいのし直しやね。改めて」


「「「「かんぱい♪」」」」



なんだろう


凄く楽しいけど、神様と一緒に酒を飲んでる事に何の疑問も抱かなくなってる自分がちょっとだけ恐いです。


おっと!


恐がってる場合では無い。今日は創造神様に色々と確認しないといけないんだよ。



「創造神様、聞きたい事があるんですけど宜しいですか?」


「今の私はそんな名前ではありません」


「えぇー?!」



いや、俺は場の空気を敏感に感じ取れるから、話の流れから創造神様の言いたい事は分かるけどさぁ



「ふふっ、あんまり気にせんで気軽に呼んだらええと思うで。今のウチらはただの客であり、ケイっちの飲み仲間やから♪」


「ちーちゃんもこう言ってるし、大丈夫だってダンナ♪」



確かに俺が気にし過ぎなのかもしれないけど、逆にケイトは馴染み過ぎだと思うぞ!



「えっと、、、ふーちゃんに質問があるんだけど」


「はーい♪何でもどうぞ」



控えめながらも全身が光輝いているからどんな顔なのかは分からないけど、それでもふーちゃんがとても素敵な笑顔をしているのは充分に伝わるよ。



「酒の神様が居るならお供えをしたいなぁって思うんだけど」



何故俺がこんな質問をしているかというと


オリビエさんとガゼル親方が、ポセイドン王国に居る知り合いに瓶ビール(スキルの店で購入した物)を売りたいから、酒の神様の許可が欲しいらしい。


俺としては許可なんて必要無いと思うんだけど、ドワーフとして譲れない何かがあるようだ。



販売する瓶ビール(大瓶)は毎月1000本、約35万円分からという事になっている。


現在の俺のmpは20万mp(スキルの店で使うと約2000万円)を超えているから、もっと多くても全く問題無いけど


ガゼル親方が言うには、相手が調子に乗るからこれくらいで充分だそうです。



「残念だけど酒の神は居ないわ。代わりに&%£@は居るけど」


「え?」


「&%£@よ」


「すいません、全く分かりません(汗)」


「ふーちゃん、それは専門用語やから人には理解出来ひんで。人の世界で言うたら、、、妖精かな」


「酒の妖精ですか?」


「信仰を集めて自然発生的に生まれる存在やから、妖精かなぁって。

弱いけど加護を与える事も出来るから神と呼んでもええけど、ウチら神としては妖精を神とは呼べへんってだけやから。

それで酒の神に何か用なん?」


「知り合いがお供えをしたいって事なんで、存在するならお供えは教会で良いのか聞きたかったんです。」


「なーんだ、それなら今まで通り教会でも何処でも問題無いわ。ドワーフの酒に対する信仰心があれば、酒の妖精もそのうち勝手に集まるだろうから」


「分かりました。そう伝えておきます。今日はまだふーちゃんに聞きたい事があるんだけど、大丈夫?」


「良いけどその前に、鮭のチャンチャン焼きと伊勢海老味のチップスが食べたいなぁ♪」


「あっ、はい、了解でーす。」



粉末にした伊勢海老を生地に練り込んだ伊勢のご当地ポテトチップス『伊勢海老チップス』


これは以前ちーちゃんさんが食べたいって言ってたから、創造神様はずっと気になってたんだろうなぁ(笑)


鮭のチャンチャン焼きに関しては、、、よく分からん


わざわざ特定の料理を指定してくる事は稀なんだけど、日本でチャンチャン焼きブームでも起きたのかな?


まっ、理由なんて何でも良いか



「ねぇダンナ日本酒出して。伊勢海老チップスには絶対合うから」


「ケイッちの言う通りやで!店主さん日本酒ちょーだい♪」



アハハ


本当にちーちゃんさんとケイトは馬が合うんだろうな、息がぴったりだよ。



「どうぞ日本酒です。ふーちゃんの分もありますよーっと」


「うふふ、ありがとうございます。それで私に聞きたい事ってなーに?」


「魚の宝珠が欲しいんだけど、神獣の誰が持ってるのか聞くのって、、、」


「反則でーす。」


「ですよねー(悲)」


「宝珠は試練と関係無くお楽しみ要素として作った物だから、自力で頑張ってみて。

ただ、宝珠を貰えるかどうかは神獣に任せてるのよね。まぁ今なら試練に辿り着いた時点で渡してくれると思うけど、誰がどの宝珠を持ってるかは、、、心配は無用かしら(笑)」


「えーっと、それはどういう意味なのでしょうか?」


「最初に言ったと思うけどここは『テンプレな異世界』だから、次に何が起こるかはテンプレ通りよ♪」


「ええっ?!それは言っちゃ駄目なやつでは?」


「この先何が起きるか分からない面白さもあるけれど、吉○新喜劇とか、桜吹雪の人とか、黄門様とか、次に何が起きるか分かっててそれを待つのも楽しいでしょ♪」



あははは


俺は昭和生まれのおっさんだから、定番のワンパターン展開は大好きだけどさ


まっ、今さら考えてもしょうがないし、テンプレ通りって事なら次に出会う神獣は『魚の宝珠』を持っているんだろうな


いや、待てよ


ペトラ様が居るから『蠍の宝珠』という可能性もあるか?


となると


異世界小説のタイミング的には、今までほとんど出番の無かった、王国十二家の保守派の宝珠の可能性も充分にあるんだが、、、


おーい、ふーちゃーん!


テンプレって言われても色んなパターンがあるから、全然絞り込めないんですけどぉーーー(汗)






つづく。


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