第12章 友の幸せの為に
第487話 秋の終わりとなんやかんや
朝、目が覚めると
ブルッ
うぅ~、寒い
そろそろ秋が終わるからなのか今朝はちょいと冷える。
だがしかし
隣で寝ている犬耳のスミレが、俺の左腕に抱き付くように寝ているお陰で、左腕だけスミレの体温でホッカホカだけどな♪
しかも最近スミレの夏毛が冬毛に代わったから、スミレの耳と尻尾がモッフモフになって触り心地が最高なんだよ。
このままずっとスミレを愛でていたいけど、そろそろ朝食の時間だ。
俺の右側で寝ているケイトを起こさないといけないんだけど、相変わらずケイトはお腹の部分だけシャツが綺麗にめくれ上がっている
お藤お母さん手製の腹巻きをしているから腹は出て無いとはいえ、もうちょっとどうにかならんもんか?
「おーい、2人ともそろそろ起きろ~」
「んにゅ~、、、ごしゅじんしゃま、おはよごじゃいましゅ」
「はい、スミレおはよう♪嫁さんも早く起きろ~」
「、、、んっ、ん~~、えっ?!ねぇダンナ!今アタシに何か言った?」
ケイトが珍しく直ぐに起きたと思ったら、俺は何か変な事を言ったかな?
「嫁さんも早く起きろ、って言ったけど」
「よっ、よよよよ嫁さん?!」
「結婚したんだしケイトは俺の嫁さんだろ?まぁ寝室くらいでしか『嫁さん』とは呼ばないけど、嫌なら他の呼び方にしようか?」
「そっか、アタシはダンナと結婚したんだもんね、そうかアタシは嫁になるのか、うん!『嫁さん』でいい♪」
「呼び方も決まったし腹減ったから朝食の準備手伝いに行こうぜ。スミレおいで~」
「うん♪」
よっこいせっと
スミレを抱っこすると、成長を感じさせてくれるズッシリ感で自然と笑顔にもなっちゃうよ♪
「今日の朝飯は何だろうな?」
「カツサンドだったら嬉しいなぁ♪」
「スミレはねぇ、フライドチキンサンドが好き♪」
「俺はチーズハムサンドが良いなぁ♪」
『『『ぐぅ~~』』』
サンドイッチの話をしてたら3人同時に腹が鳴ってしまった。
「だっ、駄目だダンナ!これ以上食べ物の話をしたら空腹で倒れちゃうよ!」
「分かった!さっさと厨房に、れっつらごー♪」
「「おぉー♪」」
スンスン、スンスン♪
さっそく厨房に来ると、今朝もパンの焼ける良いにおいが充満している。
ケイトとスミレと一緒にパンの焼け具合を確かめようとオーブンを見る、、、
あれ?
「なぁケイトにスミレ、俺にはオーブンの中には何も入って無いように見えるんだけど、パンの焼ける匂いはしてるよな?」
「大丈夫だよダンナ、アタシにもパンの匂いはしてるし、オーブンの中に何も見えてないから」
「うん、パン無い(悲)」
あらら
空っぽのオーブンを前にして、スミレが耳と尻尾をぺしょんとさせて落ち込んでしまった。
それにしても、オーブンが空なのにパンの焼ける匂いがしてるのは何故だ?
「あらあら、3人仲良く何も入ってないオーブンを見つめてどうしたの?」
ケイトとスミレと一緒にオーブンの前で途方に暮れていると、お藤お母さんが不思議そうな表情でやって来た。
「お母さん!オーブンにパンが入って無いよ(悲)」
「ケイトちゃん大丈夫よ、今朝はコニーちゃんとフラニーちゃんが『ナン』に挑戦してるだけだから。フライパンで焼いてるけど美味しそうでしょ?」
「「「あっ!」」」
なんてこった
3人揃って間抜けな声を出してしまうなんて
さっきからコニーとフラニーがフライパンで何か焼いてたのは気付いていたけれど、まさかフライパンでナンを焼いていたとは、ウッカリにも程があるよ。
こうしている間にも、フライパンのサイズに合わせて焼かれた綺麗なまん丸のナンが次々に焼き上げられている。
スンスン、スンスン、、、ん?
改めて匂いを嗅ぐとチーズの匂いがするんだが
「おーいコニー、それってもしかしてチーズナン?」
「小さく切ったベーコンとチーズを一緒に生地に練り込んであるから、、ベーコンチーズナン?」
くっ!
ベーコンチーズナン、、、だと?
めっちゃ旨そうやないかーい♪
「はいはい、ケイトちゃんにスミレちゃんにシンさん、いつまでもオーブンの前に居ないでウィンナーでも焼いてちょうだい。今日はステフちゃんと護衛の子達も居て、いつもの倍作らなきゃいけないんだから。はぁ、忙しいわぁ~♪」
「「「はーい」」」
ふふっ
忙しいと言いつつも、ウチのお母さんはめっちゃ嬉しそうなんだよなぁ
おっと!
ぼーっとしてる場合では無い、早くウィンナーを焼かないと。でもウィンナーだけだと寂しいから、オーブンでマシュマロでも焼いておこう。
ほどよく焼き色が付いたマシュマロに、溶かしたビターチョコをかけてそのまま食べても美味しいけど
焼きたてのナンと一緒に食べても、甘じょっぱくて美味しそうやん♪
そして
厨房にやって来たヨウコさんとシエーネさんが、俺がマシュマロを持ってるのを見て、なんとも言えない表情をしているという事は
焼きマシュマロを創造神様にお供えするのは早くも決定だな。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。