第488話 秋の終わりとなんやかんや その2
「「「「いただきまーす。」」」」
あーんっ、もぐもぐもぐもぐ、、、はぁ~、美味しいなぁ♪
コニーとフラニーが朝食に作ってくれたベーコンチーズナンは、優しい塩気があってそのままでも充分に美味しいけれど
ナンと一緒に食べる為に用意されたカレーを付けたら、めちゃ旨やな♪
ただなぁ
我が家の朝食の風景に疑問を持ってるのは俺だけなのだろうか?
俺が居るのは2人ずつ並んで向かい合わせに座る4人用のテーブルで、右側にはステフ様、向かい側にはアストレア様とアルテミスさんが座っている。
俺が貴族の皆様を相手にする事には何の文句も無い。
メリルとケイトは未だにアストレア様を前にすると緊張して上手く喋れないらしいから、むしろ俺の方から積極的にアストレア様の相手をしたいくらいだ。
だがしかし
視線を右側に移してステフ様の向こう側を見ると、大人数が座れる長テーブルが用意されていて
我が家のみんなと、ステフ様の護衛のリィファさんとエミールさん、アストレア様に付いてきたメイドの皆さん達が一緒に仲良く朝食を食べている。
俺達4人だけ別のテーブルって、疎外感が凄いんですけどぉー!
とは言え、アルテミスさんが天使のような笑顔で定期的にこちらを見てくれるから、寂しくなんて無いんだからね!
「毎回思う事だけど、ナガクラ君は毎日こんなに美味しい料理を食べられて羨ましいなぁ~」
「パンに関してはコニーとフラニーのお陰ですけどね。ステフ様の所のセルジオ料理長なら、充分に美味しい料理を作れるでしょ?」
「ナガクラ君のお陰でセルジオの料理の腕が飛躍的に上がったとは言え、まだまだ料理のレパートリーが少なくて悩みながらも毎日頑張ってるよ。
だから今回も『キャラバンシティに連れて行ってくれないなら、腹を斬る覚悟があるぞ!』ってゴネてたけどね(笑)」
セルジオのとっつぁんは相変わらずやな。
あそこの料理人さん達はノリと勢いだけは王国で1番だろうから、『料理長1人だけキャラバンシティに行こうとしてズルいぞ!』とか言われて、他の料理人さん達からボコられてなきゃ良いけど、、、
まっ、セルジオのとっつぁんなら返り討ちにしてるか(笑)
「セルジオさんには料理を教える約束もしてますから、俺はいつでも歓迎しますよ。」
「本音を言うと、2~3日とはいえセルジオが不在になるのは困るんだけど、暫くは無理かな」
「セルジオさんはそんなに忙しいんですか?」
「うーん、あれは忙しいって言うのかなぁ?厨房からほとんど出られないから、軟禁状態?」
「軟禁?!いやいや、それは人道上駄目なやつでは?」
「良くは無いけど、ナガクラ君のせいだから駄目だと言うなら責任は取ってくれるんだよね?」
おぅふ(汗)
どうやら俺はまた知らぬ間に何かをやっちゃったらしい
仮に被害を受けたのがミリーさんだったら頭を抱えて落ち込んじゃうから、申し訳無い気持ちでいっぱいになるところだけど
今回は強靭な肉体と精神を持つセルジオのとっつぁんだから、幾分気持ちは楽だけどな♪
ステフ様もニヤニヤしながら俺を見てるし、深刻な状況では無いんだろう。
「責任を取るかどうかは別にして、俺に出来る事はやりますよ。」
「ナガクラ君ならそう言うと思ったけど、今回はナガクラ君が見付けた『梅干し・野菜の酢漬け・豆板醤』を作ってる人達が厨房に押し掛けて来て、セルジオに利用法を聞いて離してくれないだけだからね。
近いうちに遊びに来てくれれば問題無し!」
それは本当に問題が無いと言えるのか?
セルジオのとっつぁんには次に会う時までに、簡単に作れる料理のレシピを探しておこう。
つづく。
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