第481話 フルーツ牛乳

「「「ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、、ぷはぁっ♪」」」


「ナガクラ君、このフルーツ牛乳って最高だね♪」


「「うんうん♪」」



やはり風呂上がりはキンキンに冷えたフルーツ牛乳に限る♪


ステフ様は勿論、リィファさんとエミールさんも喉を鳴らしながらフルーツ牛乳を一気に飲み干して満足そうだ。



「気に入って頂けたのは嬉しいですけど、俺も一緒に風呂に入る必要はあったんですか?」


「友達なんだからお風呂に一緒に入るのは普通だって♪」



それって同性の友達の場合だと思うんですよね。まぁステフ様とは既に2度一緒にお風呂に入ってるから、いまさら拒否するのは失礼になるだろうし


護衛のリィファさんとエミールさんの鍛え上げられた肉体美を、間近で見れるという役得もあったから深く考えるのは止めよう。



「そういえば、ステフ様も常日頃から鍛えていると思いますけど、ガーデンシティから自転車に乗って来たのに、リィファさんとエミールさんに比べてほとんど疲労して無いのは何故ですか?」


「おそらくだけどナガクラ君から貰った『牡羊の宝珠』のお陰かな?あれから日に日に調子が良くなって、あんまり疲れなくなったんだよね♪」



へぇ~、あの宝珠にそんな効果があったなんてなぁ。争いの種になるだけの厄介な珠では無かったか。


となると、ピスケス伯爵であり俺の友でもあるレヴァティ様の為に『魚の宝珠』は機会があれば手に入れておくとしよう。



「ステフ様達はいつまでこっちに滞在するんですか?」


「そりゃあナガクラ君とアルテミス様の結婚式までだよ♪」


「たぶん結婚式は年末になると思うんですけど」


「全然問題無いよ」


「あの、ステファニー様、明日には帰るって執事のケーニッヒさんと約束しましたよね?」


「・・・」



あっ?!


リィファさんの問い掛けにステフ様がプイッと横を向いて無視している!



「明日帰ってくれにゃいとウチらが怒られるにゃ!」


「2人もこう言ってますしちゃんと帰って下さいよステフ様。ケーニッヒさんを怒らせると、今後2度とキャラバンシティに来る許可は出ないと思いますよ」


「う゛っ(汗)そっ、それは困るから明日帰る。」



ほっ


ステフ様も自分の立場を理解して欲しいぜ。



「実は今日、アストレア様の所の料理長さんと料理対決する事になってるんですよ」


「あはははは、ナガクラ君は次から次によく色んな事を思い付くなぁ。そのお陰で一緒に居ると本当に退屈しなくて楽しいよ♪」


「今回はアストレア様に勝手に決められたので勘弁して欲しいんですけどね。ステフ様は料理長さんの事知ってますか?」


「知ってると言うか、子供の頃に姉様の屋敷に遊びに行ったら、料理長のグスタフ爺さんに『好き嫌いはするな』ってよくゲンコツを落とされてたよ。

あれは痛かったなぁ(泣)」


「へぇ~、ステフ様にも苦手な食べ物があったんですか?」


「子供の頃の話だけどね。それにグスタフ爺さんはしょっちゅう伝統料理を作るから、『プメプマの姿焼き』なんて1年に1回で充分なのに、季節が変わる毎に食べさせるんだよ!

お陰でアルテミス様はプメプマを見ただけで吐き気がするようになっちゃったし」



おぅふ(汗)


いったいプメプマとは何なのだろうか?


まぁステフ様やアルテミス様の反応から、なんとなく予想は出来るけど、知らない方が良い気もする。



「あーっ!」


「ステフ様どうしたんですか?!」


「思い出したんだけど、グスタフ爺さんって私の子供の頃には既に料理人の中では1番年上で60歳を越えてたんじゃないかな?さすがにもう隠居してるはず。」



たしかこの国の平均寿命が60歳とか言われてたっけ?すると今は代替わりして違う人なのかな?



(ナガクラ様よろしいでしょうか?)


むむっ!


これはヨウコさんからの念話だ。


(ヨウコさんどうしたの?)


(アストレア様がナガクラ様を呼びにそちらに向かってます。)


(はい、了解でーす。)


風呂場から出て廊下を見渡すと、ちょうどアストレア様がこちらに向かって歩いて来る。



「こんばんはアストレア様」


「こんばんはシンさん、料理長が到着したから会って欲しいの、せっかくだからステフちゃんにも料理対決の審査員をお願いしようから」


「面白そうだから構わないよ♪」



はぁ~


アストレア様とステフ様はスゲェー楽しそうだなぁ、でも俺は特別料理上手って訳じゃないけど大丈夫かな?


まぁ勝手に貴族の面倒ななんやかんやに巻き込んだのはアストレア様だし、もし負けてもなんとかして貰おう!






つづく。

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