第478話 『おでん屋』それはみんなの心のオアシス その3

「そこに座ってるドワーフの子が作ったビールもなかなか良い出来やったで♪」


「きょ、きょきょ恐悦至極に存じます!非才な身ではありますが、更なる高みを目指し精進して参ります!」


「うん、期待してるでぇ~♪」



ふふっ


ちーちゃんに声をかけられたオリビエさんは、突然の事で驚いたのか汗が噴き出しちゃってるけど


オリビエさんが作ったビールを褒められてめっちゃ嬉しそうやな♪



「あら?貴女はなかなか見所がありますね。素質ランク第3位に食い込みましたよ♪」


「えっ?!あっ、はい、ありがとうございます。」



むむっ!


今度はアルテミスさんが創造神様に声をかけられている。


素質ランクが何なのかイマイチ分からないけど、1位と2位が誰なのか気になるぅー!



「素質ランク第1位はうさぎ耳の子で、2位はダークエルフの子やで。」



ぐはぁっ!


ちーちゃんさんに心を読まれとるがな!



「あぁ~、ウチが心を読んだ訳や無くて、自然と聞こえてしもただけやね。

今居るこの場所が神域1歩手前になってるのが原因やけど、それでも他の子は聞こうとせん限りは聞こえへんから安心してや」



それは良かったけど、結局俺の心の声は聞こえちゃうのね。


しかし素質ランク1位はカスミで2位がニィナか、なんとなく妥当な順位のような気はするけど


となると第4位は誰なんだ?



「4位になったんはこの前結婚した第1夫人の子やけど、まだ成長途中やから逆転のチャンスはあるで♪」


「そっ、そうですか、楽しみにしておきます。ちなみに神域というのは?」


「神域とちゃうで神域1歩手前な。前にウチらと等価交換で手に入れた『家』を組み込んだ建物で四方を囲う事で、ここの庭が神域2歩手前になって、その中に置いたおでん屋が神域1歩手前やねん。」


「私もびっくりしました。神域1歩手前になる事で神域の裏口に繋がったのと同じなので、こうして来る事も可能になったんですよ♪」


「実際に御姿が見えた方が話しやすいですし、お供え物も直接渡せるのでこちらとしても助かります。

ちなみに『表口』に繋がるとどうなるんですか?」



「表口は開けん方がええで。

簡単に開くようなもんでも無いけど、昔『表口』を無理矢理開けようとしとったムーとアトランティスが、小宇宙爆発を起こして消えてもうてるから」



ここに来て知る新たな事実、『ムー』と『アトランティス』が小宇宙爆発で滅んでいたとはなぁ。



「でもあの時は、ちーちゃんにしては珍しく警告してたでしょ?」


「いや、ふーちゃん珍しくって、、、たまたま気付いただけやけど(汗)とっ、とにかく!面倒くさい事になるから『表口』は忘れた方がええわ。」


「かしこまりました。」



「さてと、充分楽しんだしそろそろ帰りましょうか」


「ええっ?!まだデザート食べて無いしもうちょっとええやん!」


「駄目よちーちゃん、ここには何時でも来られるようになっただけで満足しなさいよ。

そもそもこういう事はちーちゃんが自分の世界でする事であって、私の世界で降臨してまでする事じゃないんだからね!」


「ギクッ(汗)おでんとお酒で大変満足しましたので、また来る事を許して頂ければ幸いでございます。」


「分かれば良いのよ。それじゃあ帰りましょうか。おでん凄く美味しかったですよ♪さようなら~」


「お供えには焼き立てのパンも有りやと思うで、ほなばいばーい」


「さようならー」



色々あったけど、創造神様とちーちゃんさんも御機嫌だったから問題無し。


ただ、コニーとフラニーには明日から多めにパンを焼いて貰わないと駄目だな。



「「「「「「「「はぁー、疲れたぁ~」」」」」」」」


「わふぅ~」



創造神様とちーちゃんさんが帰ったら、おでん屋に居る皆さんとリリーが、一斉にリラックスモードになっちゃったよ(笑)


創造神様もちーちゃんさんもフレンドリーで話しやすいけど、『神様』だから皆さんの反応が普通なんだろうな。


冷たいデザートでも出してリフレッシュして貰いますか。






つづく。

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