第475話 オムレットは聖剣よりも強し その2

ホットケーキミックスで作った生地に、イチゴとキウイとホイップクリームをたっぷり挟んだ『オムレット』


これでどうだ!



「んー、、、お菓子?」


「『オムレット』と言うお菓子ですね。これを大皿に山盛り乗せれば、ドラゴンも驚く事間違い無しです!

さっそく試しましょう。シエーネさーん、山盛りオムレットですよ~」


「やった、、、あ゛っ(汗)」



あれれ?


山盛りオムレットを見たシエーネさんは俺の予想通り驚いてはくれたんだけど、なんか驚く方向性が違っているような気がする。



「もしかしてシエーネさんはオムレット苦手でした?」


「初めて見た食べ物だけどボクの大好きな味だと思う。えーーっと、ナガクラ君、今夜は創造神様達にアレはしない日なのかな?」


「アレ?創造神様達にって事はお供えですか?」


「えっと、ナガクラ君がそう言うならそうなんじゃないかなぁ(汗)ボッ、ボクは『お供え』とか言って無いし、お供えはナガクラ君がしたい時で全然良いんだけど、、、そうだよね、ヨウコさん!」


「シエーネさん?!私を巻き込まないで下さい(汗)」



あぁ~


理解でーす。


シエーネさんとヨウコさんが分かりやすく焦っているという事は


山盛りのオムレットを見て食べたくなった創造神様と地球の神様のちーちゃんさんの心の声が、シエーネさんとヨウコさんの頭の中に現在進行形で漏れ聞こえてるんだろうな(笑)



神様の御要望であれば、山盛りオムレットくらい幾らでもお供えさせて頂きますとも!


ついでにモモとミカンとカスタードクリームをたっぷり挟んだオムレットもお供えしておこう。





(オムレットありがとうなぁ~♪ほなばいば~い)


(私は栗も大好きですよ♪では、さようなら~)



はい、さようなら~


創造神様とちーちゃんさんにオムレットをお供えしたら、シエーネさんとヨウコさんが心の底から安心した表情をしている(笑)


次のお供えは栗羊羹に決定だな。



「という訳で、『オムレット』は神様に認められるほどのお菓子になりましたから、これを見せて驚かない人は居ませんよ。良かったですねミリーさん♪」


「シンくーん、神様を巻き込むとかやり過ぎだからぁー(汗)」



新居の居心地が良いのか分からないけど、創造神様とちーちゃんさんがナチュラルに降臨出来るようになったんだ。


さすがに我が家のみんなも慣れたのか、創造神様が降臨しても全く驚かないけど、ミリーさんとウェンディさんはまだ慣れないらしい。



「オムレットはいったん置いといて、ミリーさんはどうして武器が欲しいんですか?」


「えっと、秋が終わると各地のギルド幹部を集めた集会があったり、貴族の晩餐会なんかに行って根回しの為の交渉をしたりとかがあるのね

そこで私の意見を聞いて貰う為には何か武器があれば良いなぁって、シン君ならそういうの持ってそうだから」


「初めからそう言ってくれれば早かったのに。とりあえずオムレットは晩餐会の会場で作って配ればインパクトもあると思います。商会で働いてる料理担当を貸しますよ。あとは、、、」



こんな時はスキルの「店」に頼るしかない!


何か良いものを頼みますよ創造神様。


えーーーっと、これだ!


購入を、ポチッとな


購入したのは和紙で出来た高級感溢れるレターセット


これに筆ペンで必要事項をシュルシュルシュルシュルっと書いて、最後に消ゴムに漢字で『池田屋商会』と彫って作ったゴム印を押して完成♪



「ミリーさんかアストレア様が認めた人ならこの紙を渡して良いですよ」


「どれどれ、ふむふむ、、え?!これ診察券なの?」



そう!


俺が高級感溢れる和紙のレターセットに書いたのは診察券だ。


ミリーさんかアストレア様の直筆サインを書いて貰って有効になる、お一人様1回限りの使い捨て診察券。



「俺が製薬スキルを持ってるのは知ってるでしょ?なので冷え性、腰痛、便秘、この3つの症状に限り俺が直接鑑定してから薬を処方します。

これなら取り引き材料としては充分でしょ?

まぁ生活習慣を改善しないと薬で治しても再発しちゃうんですけどね。

おっと、忘れるところでしたけど女性限定ですのでよろしくお願いします。」


「こっ、これなら行ける!でも治してくれるのはこの中の3つしか駄目なの?」


「そりゃあ1人か2人なら幾つでも治しますけど、女性って冷え性、腰痛、便秘、この中のどれか1つは症状があって悩んでそうですよね。

ミリーさんが取り引き材料として提示した時点で希望者が殺到する気がします。」


「、、、しょ、、、ない」


「ミリーさん何か言いました?」


「だってしょうがないじゃない!ずっと座って仕事してるお陰で足は冷えるし腰は痛いし、何時でも自由にトイレに行ける訳じゃないから便秘にだってなるわよ!」



ぐはぁっ!


やっちまったよ、ミリーさんの心の地雷をおもいっきり踏んでしもとるがな(汗)



「回復魔法発動!ミリーさんどうですか?腰痛と冷え性は治ったでしょ?」


「本当だ?!腰が軽いわ♪シン君ありがとう。まだ下腹が張ってるんだけど」


「便秘は急に改善するとトイレと友達になりそうなんで、ゆっくり治して行きましょうね」


「うん♪」



ほっ


ミリーさんの機嫌も直って良かったよ。


しかしこれって俺の予想を超えて凄い騒ぎになる予感がするのだが、、、


だっ、大丈夫


きっと未来の俺が何とかしてくれるはず、、、だよな?


頑張れ未来の俺!


負けるな未来の俺!


家族の幸せは未来の俺にかかっている!


現在の俺も頑張るから、頼むぞ未来の俺!






つづく。

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