第455話 鰤を入手せよ!(実践篇) その2

釣り竿にメタルジグを取り付けたら、後方の安全を確認してから大きく振りかぶって


キャストォーーー!!


シュルルルルルルルルルルルルル!



良し、勢いよくリールから糸が出て行って、、、ポチャン


うーむ


飛距離は30メートルくらいか?


意外と飛ばないもんだな。まっ、まぁルアーフィッシングなんてやるの2回目くらいだし、こんなものだろう(汗)


俺の右隣でルアーを投げたタコヤーさんも、同じくらいの飛距離だしな!



ビュシュッ!


おわっ?!


左側から突如風切音が聞こえたと思ったら、ニィナが投げたルアーが低い弾道で水を切りながら飛んで行ってるんですけどぉーー!


しかも3回くらい海面をバウンドしてから、よく見えないくらいの距離まで飛んで着水してるし


軽く300メートルは飛んだかなぁ?



「主様、申し訳ございません。投げる角度が悪く飛距離がイマイチでした。」


「あぁ~、、、遠くに飛ばし過ぎても糸を巻くのが大変だから、ちょうど良い距離じゃないかな、アハハハ」



改めてニィナのパワーを目の当たりにして、乾いた笑いしか出て来ないわぁ


ニィナなら1キロくらい飛ばしても余裕で糸を巻き取るだろうけど、そこまでしなくてもブリは釣れると思うんだよなぁ、、、ギュンッ!!


ほら来たよ、投げたルアーに魚が食い付いて釣り竿がめっちゃしなってるもの


『テンプレな異世界』に待ち時間などと言う無駄は存在しない!



ギュンッ!ギュンッ!



「主様(汗)」「シッ、シンさんここここれはどうすれば(汗)」



はい!


ニィナとタコヤーさんのルアーにも魚が食い付きましたよ(笑)



「無理矢理リールを巻くと糸が切れちゃうから、魚が疲れるまで待ってからゆっくりリールを巻いて」


「はっ!」「分かりました!」



ーーー5分後ーーー



やっと魚の姿が見える位置まで来たけど、、、あの魚1メートルくらいないか?


間近で見るとちょっと恐いんだけど(汗)


とにかく網で、、、セイッ!


おおっ?!


1メートル越えの立派なブリだ♪


重さも5キロ以上はありそうだし、これなら1匹で我が家の食事1回分には充分だろう。



「主様、こちらも立派なブリです!」


「すいませんシンさん、私の方は違う魚でした(悲)」



ニィナとタコヤーさんも無事に魚を釣り上げたけど、タコヤーさんが釣った魚は残念ながらブリでは無かったか


でも70センチくらいはある立派な魚だから、簡単に釣れるならサウスビーチの新しい名物になるかもしれない


問題は魚の種類だけど、タコヤーさんが抱えている魚は凄い勢いでブルブルしている。


あの独特の動きには見覚えが、、、カツオだ!



「タコヤーさんやりましたね、それカツオですよ♪」


「この魚はカツオと言う名前なんですか?ですが以前偶然捕れた時に焼いて食べたんですけど、かなり微妙な味でした。」


「生では食べなかったんですか?」


「生食はシンさんが居ないと恐いので」


「品質管理も大変でしょうから、まぁこれから徐々に慣れて行けば良いと思います。しかしせっかくのカツオですから生で食べてみませんか?」


「是非!」



わぁお!


思いのほか前向きな返事で驚いたけど、売れる魚が増えれば儲かるし当然か


どうせなら『カツオ節』もサウスビーチで作って欲しいけど、カツオ節がカッチカチなのは『カビ』を生やして極限まで水分を抜くからこそなんだよな


素人が『カビ』を扱うとか、魚の生食より危険な気がする。


やはりそっち系に詳しい日本人の転生者、もしくは転移者が必要か。



無い物ねだりをしてもしょうがない!


気持ちを切り替えて新鮮なカツオで


レッツ、カツオパーティー♪






つづく。

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