第453話 夫婦として

さてと


鰤を入手しに浜辺へ、、、行く前に



「ねぇニィナ、せっかくだし手を繋いで行きたいんだけど」


「しょっ、しょうがないわね、旦那様を守るにも近くに居てくれた方が良いから、はいっ(照)」



ふふっ


ニィナってマジで結婚してから恋愛レベルが下がっちゃったよなぁ


耳を真っ赤にして向こうを向きながらも、手をこちらに差し出してくれる姿は、めっちゃテンション上がるけどな!


とにかくニィナが差し出してくれた手を『ぎゅっ』と握って


改めて浜辺へ


れっつらごー♪




「旦那様、浜辺に行くのは良いけれどソレイユ様に先触れは出さないの?」


「そっちは大丈夫だよ。ミリーさんに通信の魔道具で連絡して貰うようにお願いしておいたから。ソーラーパネルとバッテリーを設置して、ある程度気軽に使えるようになったお陰だね」


「でも旦那様ならもっと便利に出来るんじゃない?」


「まぁ、今回はそっちの問題を解決する目的もあって、わざわざサウスビーチに来たのもある」


「、、、そう」


『むにっ!』



あれれー?


なんだか突然ニィナからの胸圧が強くなったんですけどー(汗)



「ニッ、ニィナさん?」


「本当の目的は?」


「本当の目的も何も1番は鰤を入手する為で、次がニックの嫁さん探しですやん(汗)」



くっ!


さっきまでは耳を真っ赤にして少女のような反応だったのに、今俺を見るニィナの瞳は獲物を追い詰めたハンターのようなんですけど


いや、だがしかし


ニィナとの物理的な距離が縮まって嬉しい気持ちと、ハンターに追い詰められた獲物の気持ちが戦って、、、


嬉しい気持ちの勝利!


いやもう考えるまでもなく嬉しい気持ちが勝つに決まってるぅー♪


追い詰められた獲物の気持ちなんて瞬殺だよ!



『ぎゅぅぅぅ!』



ぐはぁっ!


マズい、ニィナの胸に挟まれて腕の血管が圧迫されている、こっ、このままでは(汗)



「怒らないからちゃんと私の目を見て本当の目的を言ってみよっか?さんはい♪」



うーむ


もしかして俺はニィナに小学生の子供と思われているのだろうか?


まぁ優しく話しかけてくれる分には何の文句も無いけどさ


そして、ニィナには俺が何かを隠している事はバレてるっぽいし、観念しよう。



「えっと、結婚したんだし奥さんと新婚旅行がしたいなぁって思いまして、でもゆっくり旅行なんてしたらミリーさんに怒られるだろうから、今回の事を利用してみました。」


「しししし新婚旅行?!そういう事はお嬢様を先にお願いします!」


「ニィナならそう言うと思ったよ。メリルと新婚旅行でイチャイチャするのはまだ早いかなぁっていうのもあって、だから黙ってたんだよ」


「、、、むぅ(泣)」



えぇー?!


ニィナが目をウルウルさせながら俺を睨んでるんですけどぉー(汗)



「いや、あの、無理矢理何かをするつもりなんて全く無いけれど、一緒に住んでて毎日顔を合わせてるんだから、ちょっとぐらい奥さんに手を出したいとか思うの、普通やん?」


「てっ、手を出す?!ぐっ、具体的には?」


「え?えーーーっと、、、抱きしめる、、くらい?」


「それだけ?」


「んーーー、抱きしめるついでに匂いくらいは嗅ぎたいです。」


「、、、そう」


「ニィナさん?」


「さあさあ、早く浜辺に行って鰤を捕らないとお母さんに怒られるわよ♪」


「おっ、おう」



なんかよく分からんけど、ニィナが笑顔になっているという事は、俺は正解を言えたのか?


お尻を触りたいとかじゃなくて、匂いって言ったのが良かったのだろうか?


まっ、そんなのはどっちでも些細な事だ


抱きしめるよりも


匂いを嗅ぐよりも


ニィナの笑顔を見れる事が1番なんだからさ♪






つづく。

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