第446話 鰤を入手せよ!
朝、目が覚めると
俺の左腕をスミレが掴んで気持ち良さそうに寝ていて、たまにゆらゆら揺れる尻尾は何回見ても飽きる事無く凄く癒される♪
そして
俺の右側にはケイトが寝ていて、いつものように腹を出し、、、
出して無いだと?!
ケイトが着ているパジャマ代わりのTシャツは、腹の部分が見事にめくれ上がっているのだが
そこには『ケイト』の文字が刺繍された腹巻きがしてあった。
ケイトが腹を出して寝る問題は以前からお藤お母さんに相談していて、腹巻きをするのが良いんじゃないか?って結論になったんだよな
そうか、ついにお母さん手製の腹巻きが完成したのか♪
女性はお腹を冷やすのは良くないとか聞くし、これから朝晩は冷えるからナイスタイミングだよ
ただし
ケイトが腹巻きをした事で腹を叩いた時の音が聞こえなくなるのは、少し寂しかったりもする(笑)
腹巻きが不要になる来年の夏を楽しみにしておこう♪
さてと、そろそろ起きて朝食の手伝いに行きますか。
「スミレ、ケイト、起きろ~」
「んにゅ~、、ごしゅじんしゃま、おはようごじゃいましゅ」
おおっ?!
スミレが寝惚けずにちゃんと挨拶をしてくれるなんて、成長の瞬間をこの目で見られる事に感謝や♪
「スミレおはよう(泣)」
くっ!
朝から感動で心の汗が止まらないぜ
「おはようダンナ、、、ん?えっと、あたしの胸で良ければ貸すよ?」
「おはようケイト、言ってる意味がちょっと分からないんだが」
「いや、今のダンナには胸を貸してあげないと駄目かなぁって、結婚したんだし遠慮は要らないよ?」
なるほど
『あたしの胸で思いきり泣いて良いよ』
って事がケイトは言いたいんだろうな。
ケイトの男前な心意気には素直に感謝だけど、余計な心配をさせてしまった事に関しては、反省せねば。
「大丈夫だケイト、これは心の汗だからな。汗っかきの旦那は嫌か?」
「今度はダンナの言ってる意味が分からないんだけど、毎日お風呂に入ってるから汗ぐらい全然気にならないよ」
「そっか、スミレおいでぇ~」
「うん♪」
「よし、朝食の手伝いに行くぞぉー!」
「「おー!」」
いつものようにスミレを抱っこして朝食の手伝いをする為に厨房に向かう。
新居の寝室と厨房は同じフロアにあるから、階段を使わなくて良いのは地味に楽なんだよな♪
俺はずっとマンション暮らしだったから分からないけど、2階建てとか3階建ての一軒家に住んでる人達は階段が苦にならないんだろうか?
まぁ苦にならないから皆頑張って稼いで一軒家を建ててるって事なんだろう。
スンスン、スンスン♪
厨房に入るといつものようにパンの焼ける良い匂いが充満している。
さっそくコニーとフラニーが早起きしてパンを作ってくれたんだろう。毎日焼きたてのパンが食べられる事にマジで感謝しかない!
俺、ケイト、スミレの3人でオーブンの前に仲良くしゃがんで、パンの焼ける匂いを堪能しながら焼き加減を確認すると
むむっ?
今まで見た事無いパンが焼かれているではないか!
パンの種類には詳しく無いけど、昔ファミレスで食べた『フォカッチャ』に似ているような気がする
となると今日の朝食は、ハムやチーズを挟んだイタリアのホットサンドイッチ『パニーニ』かな?
想像しただけでも、控えめに言ってめっちゃ旨そうやな♪
「シンさん、ケイトちゃん、スミレちゃんおはよう」
「「シン殿、ケイトさん、スーちゃん、おはようございまぁーす♪」」
「お母さん、コニー、フラニー、おはよう」
「「おはよぉ~♪」」
コニーとフラニーは今日も元気いっぱいだねぇ。元気過ぎる2人にちょっとだけ圧倒されてしまっているのは内緒だけどな。
「はいはい、そんな所でパンを眺めて無いで手伝ってちょうだい」
「「「はーい」」」
「ねぇシンさん、そろそろ鰤の季節だと思うんだけど、こっちでも鰤って居るのかしら?私久し振りにどうしても『鰤の照り焼き』が食べたいのよ」
「鰤の照り焼き?!」
そうかぁ
もう鰤の季節なのか、元世界だと11月くらいからスーパーに並んでたイメージがある
こっちの世界の今の季節は10月初旬って感じかな?
鰤には少し早いかもしれないけど、『鰤』という美味しい魚を創造神様が見逃すはずは無い!
お供えすると言えば、きっと海には脂の乗った鰤が大群で泳いでいる事だろう。
「シンさんと出会うまでこっちの人達は、魚を食べるどころか魚を捕る事すら変り者がする事だと思われていたから、浜辺とか磯でこっそり貝を拾って持ち帰って食べてただけなのよね」
そう言えばサウスビーチでお藤さんと初めて出会った時にも、同じような事を言ってたな
お藤さんには魚貝に関する知識が少ないから、下手に魚貝類を広めて万が一にも毒のある魚貝を誰かが食べたら罪に問われかねない
だからこっそり貝を拾って家で焼いて食べていたらしいからな。
多分サウスビーチに行けば鰤も居るだろうとは思うけど、残念ながら俺も仕事があるから今直ぐ行く訳にも行かないんだよ
せっかくサウスビーチに行くなら、ついでに色々と準備しなくっちゃ♪
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。