第444話 魔道具 その2

ライトの魔道具に付いている曇ったガラスの玉


これをパワーアップさせるには異世界テンプレ通りなら『ビー玉』しか無い!


そうと分かればさっそく、、、


せっかくだから光の強さを変えられる『調光器』も欲しい、となるとスキルの「店」に、、、あったよ(笑)


何を考えて創造神様が『調光器』なんてマイナーな物をスキルの「店」に置いてるのかは知らんけど、とにかくありがとう創造神様!


『ビー玉』と『調光器』をポチッとな


ドサドサッ


良し!


まずは調光器の取り付けを、、、


ふむふむ


台座に付いてる金属の棒がクルクル回るからそのままカポッと取り外し、そこにある穴に調光器から出ている線の片方を無理矢理差し込む。もう片方の線は金属の棒に巻き付けてと


残るはガラスの玉だけど



「ミリーさん、このガラスの玉は取り外せますか?」


「えっ、ええ、壊れた時には交換しないといけないから軽く魔力を流せば取れるわよ。取り付ける時も同じように魔力を流すとピタッと付くけど、そんなのを取り付けて大丈夫なの?」



ミリーさんがとても不安げに見ているけれど、『調光器』も『ビー玉』も元世界にある物を参考にして創造神様がまさしく『創造』した物だから


『電気』にも『魔力』にも対応している筈なんだ。



創造神様は美味しい料理の為なら、ちーちゃんさんと一緒に近所を散歩するくらいの気軽な気持ちで降臨して、子供達がやってる屋台で甘味を購入しちゃうような


とってもお茶目な神様だけど(笑)


自身で創る物には相当なこだわりをビシバシ感じさせる程度には気合いを入れているんだと思う。


だからスキルの「店」で売ってるソーラーパネルも、『電気』と『魔力』の両方を作って、、、いや


電気と魔力が混ざりあった超エコエネルギー、『電魔力』を発電魔するはず!


この世界には電気も電化製品も無いから確認は出来ないけれど、便利な道具に理屈など不要!


調光器とビー玉を取り付けたライトの魔道具のスイッチを、オン!



「あれ?ねぇシン君光って無いけど」



この時点で光らないのは当然だ、調光器のボリュームがゼロのままなんだから


ボリュームのツマミをゆっくり回していけば、、、



「「「「「光った!」」」」」


「しかも白色?!」



へぇ~


ビー玉を取り付ける前は豆電球みたいな黄色のようなオレンジ色のような弱い光だったけど、ビー玉に交換したら蛍光灯のような白?っぽい色で眩しいくらいに光っている♪



光が強力になった分どれくらいの時間光るのか検証が必要だけど、ビー玉でパワーアップする事は分かった。


電池代わりの魔石も並列に2個とか3個とか繋げれば、もっと長時間使えるようになりそうだし


あとは魔道具作りの専門家の意見を聞ければ、案外簡単に便利な魔道具が作れそうやん♪



「という訳で検証終了です。ありがとうございましたミリーさん。」


「えーっと、、、これは新しい魔道具をシン君が作った、で良いのよね?」


「正確に言うとバージョンアップでしょうけどね。とりあえず商業ギルドでガラス職人を支援して、透明度が高くて気泡の無いガラスを作れるようにした方が良いですね。ガラスなら魔道以外にも色んな物に使えて需用がありますから、投資する価値は充分にあると思いますよ」


「投資かぁ~、シン君の言ってる事は理解はするけど、今直ぐ利益にならない事には商業ギルドの頭の堅い馬鹿な幹部連中が難癖付けてくるから難しいのよ(悲)」



ミリーさんの悩みは察して余りあるよ。


商業ギルドの幹部以外にも職人組合とかガラス組合とか石英組合とか、無駄とも思える程に細分化し設立されたその他多くの組合関係者との調整が必要だろうからな


商業ギルドの独断では何も決められないって事は、ミリーさんの表情を見れば素人の俺でも分かる簡単な話だよ



ふにっ!


ん?


なんだか新鮮な感触の柔らかい物が俺の右腕に押し付けられているのだが、、、



「メリル?!」


「おにいちゃんがライトの魔道具をバージョンアップ出来たって事は、創造神様の特別なアレやコレやを使わなくても便利な魔道を1から作る事も可能って事だよね?」


「どっ、どうかなぁ(汗)ライトの魔道具なら作れるかもしれないけど、他の魔道具は知らないし、専門家に意見を聞かない事にはちょっと」


「じゃあ大丈夫だね♪」



むむっ!


俺の右腕を掴んだまま、メリルが素敵な笑顔でキラキラした目をしていらっしゃる♪


美人な奥さんの素敵な笑顔を見られれば、俺は湖の水だって飲み干す事が出来るかもしれないけれど


俺にはメリルの言ってる意味がちょっと分からないです(汗)



「もしかしてメリルは魔道具の専門家に知り合いが?」


「残念だけど知り合いには居ないかな。でもこんな時の為に頼れる人がおにいちゃんには沢山居るでしょ?」


「え?」


「ピスケス伯爵、サダルスウド侯爵、アリエス辺境伯、他にも中立派の貴族の皆さんとか、エモンズ商会のタコヤーさんも心当たりくらいあるんじゃない?」


「確かにそれだけ居ればなんとかなりそうだね」


「そうと決まれば、ミリーさん!」


「、、、えっ?!あっ、はい!メリルさん何でしょうか?」



あぁ~


気合いの入った顔のメリルは久し振りに見たなぁ、メリルに声をかけられたミリーさんが少し怯えている気もするけれど、こうなると俺にはもう止められない



「今からアストレア様に通信の魔道具で連絡出来ますか?」


「通信の魔道具を使うなら出来ますけど、緊急時の為に使った分の魔力を補充しておく必要が(汗)」


「それなら問題無いです。おにいちゃん大丈夫だよね?」


「勿論だよ。ついでにソーラーパネルとバッテリーも設置しておくかな」


「あと、念の為にヨウコさんも来て貰えますか?」


「はーい」


「それじゃあ商業ギルドに、レッツゴー!」


「「おー!」」


「おっ、おー」






つづく。

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