第442話 新居堪能・リビング篇

ずずっ、ずずー、、、はぁ~♪


わらび餅を食べながら飲む緑茶は、ほっこりするぅ~♪



新居のお風呂を堪能した後に我が家のみんなと夕食を食べ終えた現在は、新居のリビングで夜食のわらび餅を堪能している。


プレハブ仮設住宅のリビングはとても快適ではあるけれど、付属のキッチンが狭いのが難点なんだよな


IHコンロだから安全に素早くお湯を沸かせるのは便利だけど


なので人数が多い我が家の食事は、大きな厨房のある専用の食事部屋でご飯を食べる事になる


むむっ?!


スミレが口の周りをきな粉まみれにしているではないか!ついでにケイトの口もきな粉まみれだ(笑)


そしてスミレの口を拭いてあげてるヨーコさんの姿を見てると、正月に親戚が集まったみたいで


控えめに言って最高やな♪



「ねぇ、シン君の出身地では椅子を使わないのが普通なの?」


「昔ながらの家の場合は椅子を使わないのが普通みたいですけど、俺の家では食事だけ椅子に座って食べて、それ以外は今のように床に座ってましたね。でも気持ち良いでしょ?」


「これだけフワフワな毛の敷物があるんだもの、気持ち良いに決まってるわよ。シン君の事だからいつものように特別なルートで仕入れたんでしょうけど、値段を考えるとめまいがしそうよ」


「何も考えずに堪能するのが1番ですよぉミリアリア様。これで毎日シン殿に会えてお藤マーマのご飯が食べられますぅ~♪」



リビングに敷いてあるのはスキルの「店」で買った高級なフワフワ絨毯だ。


俺でさえも絨毯の気持ち良さに驚くらいの品質だから、ミリーさんが絨毯の値段を考えて頭を抱えるのも仕方無いかな(笑)



「はぁ、、、ウェンディの言うようにシン君のする事にいちいち驚いてたら疲れるだけね。気持ちの良い敷物のお陰でシン君に伝えなきゃいけない事があるのを忘れる所だったわ」


「ミリーさん俺に何か用ですか?」


「ええ、昼間にサウスビーチの商業ギルドから手紙が来たのだけど、職員を引き抜くのは止めて欲しいっていう内容がこれでもかってくらいに綴られていたわよ」



あぁ~


なんやかんやあってサウスビーチの商業ギルドマスターだったアルと、事務員のアカリさんが商業ギルドを辞めて池田屋商会で働いてるもんなぁ


どちらも俺が引き抜いた訳じゃないけど、人材不足だったから喜んで受入れたけどさぁ


他にも


現役の商業ギルド職員で池田屋商会の面接を受けたい人が何人も居るとかって噂を、最近小耳に挟んでいたりもする(汗)



「一応の心当たりはありますけど、あくまでも本人の意思で商業ギルドを辞めたのであって、俺が引き抜いた訳では無いんですけどね。アハハハハハ」


「笑って誤魔化されたりはしませんからね!」


「えぇー?!そもそも俺に『商業ギルドを辞めるな』とか言う権利は無いでしょ?」


「そっ、それはそうだけど(汗)だからって、もうちょっとやり方があると思うの。私だって出来れば商業ギルドを辞めてマーマのお手伝いをしたいのに、他に任せられる人が居ないから仕方なくギルマスをしてるだけだもん。商業ギルドのお偉いさん達からは池田屋商会には未登録のレシピがもっとあるはずだから、色仕掛けでも何でもして根こそぎレシピ登録させろって言われるし。馬鹿な貴族連中からは、妾にしてやるから娘を池田屋商会で働かせろって言われるし、他にもぶつぶつぶつぶつ、ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ、ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ、、、」



おぅふ(汗)


目から光を失い虚ろな表情でミリーさんが『ぶつぶつ』独り言を言い始めてしまった。


助けを求めようとリビングを見ると、カスミ、スミレ、コニー、フラニーの子供組は隣の部屋で既に寝てしまっているけど


子供は沢山寝て大きく育って欲しいから問題無し!



大人組は、、、あかん(悲)


いつの間にか『焼き栗』を肴にワインをグビグビ飲んでいて、俺とミリーさんの会話なんて聞いてやしない


ここはカスミと一緒に作った秋の新作スイーツ


『マロンバターサンド』と『マロンチーズタルト』


この2つでミリーさんのご機嫌を直してみせーる!






つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る