第433話 ミリーさん拗ねる
「という訳でミリーさん、隣に居るのが年末くらいに結婚予定のアルテミスさんです。どうぞよろしくお願いします♪」
「ミリアリア様、若輩者ではありますが御指導御鞭撻のほど、よろしくお願い致します。」
「アルテミス様の御婚約成立、眠れる森のエルフを代表して祝福致します。」
「あぁ~、結婚予定じゃなくて婚約成立って言わないと駄目なんですね、正式なそういうのって難しいですね」
「シンさんは貴族ではありませんから、気になさらなくて良いかと」
「そうなんですか?でもアルテミスさんは貴族ですし、この程度は覚えておいて損は無いでしょ?」
「はい♪」
ふふっ
アルテミスさんの笑顔も、我が家のみんなに負けず劣らず素敵だなぁ♪
「、、、はぁ~(疲)」
あらら
ご機嫌なアルテミスさんとは対称的に、ミリーさんが深いため息と共に頭を抱えてしまった。
池田屋商会の商売が順調なせいで商業ギルドも忙しいみたいだから、ミリーさんもお疲れなんだろう。
「ミリーさん、疲れた時は甘い物食べましょう。今日のお菓子は『生キャラメル』ですよぉ~♪」
「なまきゃらめる?」
「牛のミルクと砂糖とバターだけで作った、凄く滑らかでトロけるようなお菓子です。アルテミスさんの分もあるんで一緒に食べましょう。いただきまーす」
「「いただきます。あーん、、、トロけるぅ~♪」」
ミリーさんとアルテミスさんのリアクションが見事にシンクロしとる(驚)
「生キャラメル、とても美味しゅうございました。」
「はい、御粗末様でした。」
ミリーさんにポーカーフェイスでさらっと言われたけど、生キャラメル1箱(20粒入り)を完食するのはさすがに食べ過ぎだと思いますよぉ~
「それでねシン君、あなたが突然何かをするのは慣れているとは言え、貴族の娘さんと結婚するならもっと早くに教えてくれないと困るんだけど、凄く困るんだけど。」
おぅふ(汗)
ミリーさんが久しぶりにお怒りでいらっしゃる
「えっとですね、結婚が正式に決まったのが今朝で、その後に教会に行って創造神様にアルテミスさんの顔見せをして直ぐに商業ギルドに来たので、遅いって事は無いでしょ?」
「遅いですぅー、遅過ぎますぅー。平民ならそれでも良いけど、貴族の結婚は準備に1年くらいかけるから今言われても遅いんですぅー。」
むむっ!
ミリーさんがウェンディさんのように面倒くさい人になってしまっている、これは対応が面倒くさいよぉ~(泣)
「ミリアリア様、今回の事は私の落ち度でございます。謝罪しますのでどうか御許し下さい。」
「ちょっ、ちょっと待った(汗)アルテミスさんが謝罪する事ではありませんよ、そもそも出会って直ぐにプロポーズ?をした俺が悪いんですから」
「だからこそです。良い事も悪い事も、全てを分かち合うのが夫婦だと私は思います。ですので、すっ、すすすす末永く、よろしくお願い致します(照)」
「こちらこそ♪」
「出会ってまだ2日目なのに、凄く仲が良いんですねぇ~」
あれれー?
ミリーさんがめっちゃ不機嫌なんですけどぉー
「あのう、ミリーさん怒ってますよね?」
「怒ってません!シン君とアルテミスさんが結婚するって事は一緒に住むのよね?」
「そりゃあ結婚したら家族になるんですから一緒に住みますよ、それが何か?」
「私もお藤マーマの子供なのに先に一緒に住むなんてズルい!私だってみんなと一緒に住みたいんだもん!」
えぇー?!
住みたいんだもんって言われても知りませんやん(困)
「シンさんどうにかなりませんか?」
「いやまぁ、今の我が家は狭くなって来たんで引っ越さなきゃな、とは考えてましたけど」
「そうなのね!新築にするなら、そうねぇ、、、旧領主邸の庭が良いわ!塀もそのまま使えるし倉庫もあるわよ♪アルテミス様はどう思われますか?」
「確かにあそこの庭は良いですね♪でも倉庫は潰して花壇か畑にしたいです。」
「それなら畑が良いと思います。お藤マーマは料理上手だから新鮮な野菜は幾らあっても困らないし、余ってもシン君の収納に入れておけば良いから」
「可能なら庭でお茶を飲めるスペースも欲しいです」
「うーん、、、じゃあ後で一緒にオリビエさんの所に行って相談しましょうよ」
「オリビエ?もしかしてドワーフのジャック長老の娘さんですか?」
「そうよ、シン君とは凄く仲が良いから報酬にお酒を渡せば喜んで引き受けてくれるから」
おーい
ミリーさんにアルテミスさーん、2人だけで話を進めないでぇー
とは言え
ミリーさんの機嫌も直ったみたいだし、一緒に住むなら料理の練習や健康管理もしやすいから良いか
アルテミスさんも楽しそうだし、笑顔の女性はいつでも大歓迎です♪
つづく。
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