第431話 奥さんと奥さん候補となんやかんや

「本当にごめんなさい」


「あたしは良いと思うよ、お嬢もそうだろ?」


「うん、アルテミス様なら良いと思う。それに池田屋商会の支店第1号はピスケス伯爵領にって考えてたから、アルテミス様を仲介役に出来るなら大歓迎だよ♪」


「そうですね、逆に主様がアルテミス様を拒否していたら離婚の危機でしたけど」


「「うんうん」」



わぁお!


3人の奥さんの意見が一致してるのは嬉しいけれど、新婚なのに離婚の話は勘弁して下さい。



俺は今、自室にあるキングサイズのベッドの上で3人の奥さん達に土下座をしている。


理由は


なんか知らん間に俺がアルテミスさんにプロポーズをしてしまったらしく、更には今から「勘違いでした」と言う事も出来そうに無いので


正直に話してアルテミスさんとの結婚を許可して貰おうと思ったんだけど、、、



「あのですね、みなさんどうしてそんなに歓迎ムードなのでしょうか?」


「おにいちゃんの経済力なら奥さんが20~30人増えても余裕でしょ?相手が誰でも良い訳じゃないけど、アルテミス様なら問題無いよ」


「それにあの歳で離婚歴のある貴族の女が再婚するのはまず無理だし、相手が見付かったとしても変態野郎に飼い殺しにされるだけだから、ダンナが責任持って結婚すれば良いじゃん♪」



アルテミスさんが変態野郎に飼い殺しにされるのは絶対に駄目だ!


そんな事になるくらいなら、離婚も致し方無しだよ



「ちなみにニィナの意見は?」


「ピスケス伯爵家と確かな繋がりが持てるのは良いかと思います。ただし、子作りはお嬢様を1番にして頂きますが。」


「ニッ、ニィナったらもう(照)」



あぁ~


顔を真っ赤にしつつも嬉しそうなメリルは最高に可愛いし、奥さんどうしの仲も良くて嬉しくもある


だがしかし


同時に一夫多妻の難しさも感じた、爽やかな秋晴れの朝の出来事だったとさ。




◇ ◇ ◇




「確認なんですけど、本当に私で良いのですか?」


「はい、私はシンさんと一緒に生きて行きたいです。もしシンさんと出会わなければ、私は修道院に行くつもりでしたから。年増の醜女でございますが、末長くよろしくお願い致します。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。それと、アルテミスさんはまだまだ若いんですから、自分を卑下する言い方は止めて下さい。それに、、、」


「それに?」


「えっと、、、アルテミスさんのはにかんだ笑顔は、とっ、とととととても可愛らしいと、私は思います(恥)」


「、、、あっ、ありがとうございます(照)」




3人の奥さんとの話し合いを終えて直ぐ、アルテミスさんとお互いの意思を確認している


俺の何処が気に入ったのかは分からないけれど、俺とアルテミスさんの相性は悪くは無いように思える、まだ出会って1日だけどな(笑)


とは言え、努力では埋められない程の価値観の違い等が無さそうで良かったよ。



「お互いの意思を確認した所で言うのもおかしいですけど、私達は昨日が初対面でしたしもう少しお互いの事を知る必要があると思うんですけど、どうですか?」


「シンさんがそう仰るのなら、私に否やはありません。出来れば痛くしないで頂ければ幸いです。」



ん?


アルテミスさんが急に立ち上がったけど何をするんだ?


服に手をかけて、、、脱いだ?!



「ちょっ、ちょちょちょっと待った!服を、服を着て下さい(汗)」


「着たままの方がお好きだったとは、確認を怠り申し訳ございません。」


「着たままが好きとかでは無くてですね、昼間からはしませんから、、ってちがーう!はぁ、、、はぁ、、」


「シンさん大丈夫ですか?」


「はい、問題ありません。とっ、とにかく奥さん達に紹介もしないといけませんし、結婚するまでそういう事はしませんから!」


「旦那様の御心のままに。」


「いや、我が家はそういうの、、、俺から言うより直接体験した方が早いか、、、」


「シンさん?」


「え?あぁ、ちょっと独り言をね。我が家に色々と秘密がある事はアストレア様から聞いてますか?」


「具体的な事は聞いていませんけれど、ここで知り得た事は例え拷問されようとも、絶対に喋らずあの世まで持って行く事を誓います。」


「いや、そこまでの事じゃないから拷問される前に喋って良いですから(汗)でも先に喋ると殺されちゃうか、、、まっ、まぁしばらく我が家で生活して貰えれば色々と分かると思いますので」


「はい、改めてよろしくお願い致します。」




ふぅ~、疲れた。


とりあえずアルテミスさんと一緒に教会に行って、創造神様にお供えをするのが色々と説明するより早いかな?


そうと決まれば教会に


れっつらごー♪






つづく。

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