第420話 温かいお酒と世間話となんやかんや その4

「なぁベス、夏に神様が降臨しちゃってるけど大丈夫かな?」


「ドワーフには酒の神、エルフには森の神ってな具合に世界には色んな神が居るし、幸いな事にキャラバンシティじゃ『創造神様』呼びが定着してるから、神殿が崇拝してる女神様とは違うって事で問題無いだろ」


「えぇー?!そんなんで良いの?」


「良いんじゃないかい(笑)まっ、神殿も無駄に揉め事を起こすほど馬鹿じゃないよ。ただ巨大な組織だし優秀な人材が豊富だからね、怒らせると正攻法で外堀を埋められていつの間にか追い詰められてるから気をつけるんだよ」


「おっ、おう(汗)」




とっ、とりあえず、神殿が頭のネジが2~3本外れた奴等の集団じゃ無さそうで良かったよ



「あんたの質問には答えたから、次はこっちの質問に答えて欲しいね」


「以前にそういう約束をしたからな、何でもは無理だけど出来るだけ答えるよ」


「と言ってもあたしが知りたいのはあんたの知識の出所だけどね」


「まぁ気になるよな、俺の知識は前世の記憶から来てる。いや、バルゴ王国なんて国は聞いた事無いから、前前前前前前前前世くらいのバルゴ王国が建国される以前の記憶なんだろうけど」



前前前前前前前前世の記憶ってのはまるっきり嘘では無い、実際に元世界で生きていた前世の記憶ではあるからな


さすがにベスやミリーさんは俺の事で色々と気付いちゃってるけど、空気を読んで聞かないで居てくれてるのはひしひしと感じている


だからと言って元世界の事を説明するとややこしくなるから、こっちの世界のいつかの過去の記憶って事で良いだろう


どうせバルゴ王国以外の国については詳しく分かって無いみたいだし、過去に滅んだ超古代文明らへんの知識っぽい、と言っておけば何も問題は無い!


超古代文明の知識では無く、あくまでも超古代文明らへんの『ぽい』知識だからな(笑)



「ふぅ~ん、前世ねぇ、ちょいと信じ難い話だけど実際に『神』が降臨する世界だ、神の気まぐれ、、、いや、戯れかねぇ?真実は神のみぞ知るってところか(笑)」



さすがベスやな(驚)


当たらずとも遠からずっていうか、ほぼほぼ当たってるんだよなぁ


勇者の為の試練なんてマジで創造神様が戯れで作った物だからな



「という訳で、記憶の中にあるおぼろ気な知識の中で、作れそうなのを選んで自分で作ったりドワーフに頼んだりしてるんだ。他には俺のユニークスキルも使ってるけど、そっちは聞かないでくれ。口止め料として酒と菓子は定期的に贈るから」


「あたしはそれで構わないけど、そんなにホイホイと秘密を教えて良かったのかい?」


「ベスなら俺の秘密をどっかの金持ちに売るなんて馬鹿な事はしないだろ?」


「当たり前だよ!そんな馬鹿な事をするよりあんたからの信頼を得て、末永く良い関係を続けた方が断然得だからね♪」


「ベスみたいに10年20年先の利益を考えて話をしてくれれば、馬鹿な貴族とも仲良く出来るんだけどな」


「あははははは、そいつは無理な注文だね。将来の利益を考えられる奴は馬鹿にはなれないからね(笑)」



そうなんだよなぁ、結局馬鹿な人って自分が馬鹿って気付いて無いんだよ(悲)



「そういう事なんでミリーさんも俺の知識については他言無用でお願いしますよ」


「えっとダンナ、たぶんミリアリアさんは聞いて無いと思うよ」



むむっ!


何故かケイトが申し訳無さそうに俺に話しかけて来たのだが、、、



「すぅ、、、すぅ、、、すぅzzz」



おぅふ


さっきからミリーさんが全然話に入って来ないなとは思ってたけど、めちゃめちゃ気持ち良さそうに寝とるがな!



「なぁケイト、ミリーさんがどの辺から寝てたか分かるか?」


「ダンナが『バッテラ』出した後ぐらいかな?バッテラの酸味でお酒が進むとか言ってグビグビ飲んでたから、一気に酔いが廻ったんだと思うよ」



バッテラ出した時って事は、ほぼ俺の話は聞いてませんやん!


まぁミリーさんなら我が家に来た時にでも話せば良いか



「さてと、聞きたい事も聞けたし出汁割り酒でも貰おうかね、おでんは大根と牛串と他は何かあっさりしたのが食べたいねぇ」



あっさりな料理


こんな時はスキルの「店」に何か、、、


これだ♪



『イカとキュウリの梅おかか和え』


「これでどうだ!」


「ほぉほぉ、また初めて見る料理だけど旨そうだ♪」


「ケイトも出汁割り酒にするか?」


「うーん、あたしは米の酒の冷酒が良いなぁ」


「あいよ~、、、はい冷酒っと、そしたら改めて、かんぱい」


「「かんぱーい♪」」






つづく。

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