第415話 ケイトの悩み

ふぅー


緊張するなぁ


我が家のみんなとシエーネさんとゴレさん達の騒がしくも楽しい夕食も終わり、風呂から出た俺は1人部屋でまったりしている。


そう1人部屋だ!


メリルとニィナと結婚したから、今日から夜寝る時は個室になった。


個室になったしせっかくなのでキングサイズのベッドと、ふっかふかの高級羽毛布団も購入してみた♪


1人部屋になったとはいえまだまだカスミとスミレと一緒に寝たいからな、キングサイズのベッドならスミレがベッドから落ちる事も無いだろう。


お陰でほぼベッドだけの部屋になったけどな(笑)



『コンコンコン、ガチャ』


ん?



「ダンナぁ~、来ったよぉ~♪」


「ケイト?!待て待て待て、ここはメリルかニィナが来る所やろ、何で結婚して最初に一緒なんがケイトやねん」


「えぇー?!べつに良いじゃんかぁ~、ブーブー!お嬢とニィナは今日はお母さんに色々教えて貰うって言ってたから、どっちにしても来ないしさ」



なるほど


まぁ俺から色々と教えるよりはお母さんから聞いた方が良いだろうな。


それにメリルは成長途中で身体が小さいから、子作りはまだまだ先の話になる。そういう事も含めてお母さんから色々と教えて貰えるなら俺も安心だ。



「ちなみに、ケイトは結婚願望は無いのか?」


「うーん、結婚ってダンナ以外の男と一緒に住むって事だよね?それは嫌かなぁ。お風呂上がりに冷えたビールと美味しいおつまみも出してくれないだろうし、嫌らしい目で見られたら殴っちゃいそうだしさ」



あぁ~


俺のせいでケイトの理想の相手のハードルが無駄に上がってしまっている


そもそもケイトは冒険者時代に最低な男しか周りに居なかったせいで男嫌いになったから、俺が居なくても結婚に興味は持たなかったかもしれんけど



「そんな話はどうでも良いよ、あたしの胸揉んで良いからダンナのスキルで美味しいお酒出して♪」


「待て待て待て、どうしてケイトの胸を俺が揉むんだよ」


「だってあたしが出せる対価ってこれぐらいしか無いし、あっ!お尻の方が良かったかな?ダンナなら両方触って良いよ♪」


「両方触って良いよ、じゃねぇーよ!そういうのは好きな相手に取っておきなさいよ!」


「あたしはダンナの事好きだけど駄目なの?」


「うーむ、俺の言ってる好きとケイトの言ってる好きは違う気がするんだけど、、、まぁいいや。ケイトなら対価は要らないから言ってくれたら毎日、、、は無理だけどたまには出してやるから。」


「やったぁー♪」



とはいえ


ケイトの好きな酒ってビールとワインだけど、俺は高級なワインについて全然知らないんだよな


安くても美味しければ良いんだろうけど、スキルの「店」に何か、、、、、


おっ!


これで良いか♪


ポチッと購入



「ほれケイト、秋の新味らしいぞ」


「へぇ~、緑色のブトウ?」


「シャインマスカットっていう高級なブドウだな。桃もあるけど、どっちにする?」


「えっとねぇ、、、ブドウにする♪」



スキルの「店」で購入してケイトに渡したのは秋の新味、シャインマスカット味と桃味の缶チューハイだ。



「じゃあ俺は桃にしよう。グラスにたんまり氷を入れてと」



カランコロンカラン


プシュッ、トクトクトクトクトクトク


プシュッ、トクトクトクトクトクトク



「はい、完成!かんぱい」


「かんぱ~い、んぐんぐんぐ、、くぅーーー、うんまっ!ダンナこれスゲェー旨いんだけど!」


「気に入って貰えて良かったよ」


「お風呂上がりのビールは最高に美味しいけど、缶チューハイも美味しいなぁ♪」


「ビールと違って缶チューハイの方が味のバリエーションが豊富だからな、その日の気分で選べる楽しさはあるよ」


「・・・はぁ」



あれ?


何故か急にケイトがため息をついて落ち込んでいるではないか(汗)


ケイトは酒を飲んでも基本的には陽気になるタイプだから、落ち込んでるのはかなり珍しい


何か真剣な悩みがあるのだろうか?



「なぁケイト、悩みがあるなら言ってくれよ。お母さんより良いアドバイスは出来ないかもしれんけどさ」


「さっきも言ったけどさ、ダンナと一緒なら美味しいお酒がいつでも飲めるよね。お嬢とニィナはダンナと結婚したからこれからもずっと一緒だけど、あたしはただの護衛だし。20年とか30年後も護衛として働けるかは分かんないじゃん」



まったく、今からそんな先の心配をしてどうするん、、、


いや


こんな世界だからこそ将来の事をちゃんと考えて日々の生活をするべきなんだろう。


一般市民は毎日働いて食べて行くので精一杯だから、考える余裕が無いってだけだからな。



「ケイトの心配も分かるけど、俺達はもう家族みたいな仲だってのは以前に確認しただろ?護衛として働けなくなってもずっと一緒だって」


「そうは言うけどさぁ、お嬢とニィナは結婚して本当の家族になったし、カスミとスミレはダンナの奴隷だし、コニーとフラニーは眠れる森に本当の家族が居るし、お母さんはお母さんだから。そしたらアタシだけ違うじゃん(悲)」



なんてこった


ケイトが本格的に落ち込んでしまった。


お母さんだけ特別扱いなのが凄くツッコミたくなるけど、今はそんな事をしている場合では無い!



「分かった、そしたらケイトがお母さんの養女になるってのはどうだ?お母さんも喜ぶと思うぞ」


「ダンナは知らないだろうけど、養子って貴族の特権だから平民には認められて無いんだよ。まぁ育ての親を名乗る事は出来るけど」



へぇー


養子が貴族の特権だったなんて知らんかったなぁ、って今はそんな事を考えてる場合じゃねぇ!


養子が駄目とは完全に予定外だよ(汗)


だがしかし


もはや家族以上に絆の深まったケイトをこのままには絶対にしない!


ケイトは何よりも仲間外れになる事を嫌がるんだ


反則技を使ってでもどうにかしてみせーる!






つづく。


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