テンプレな異世界を楽しんでね♪～元おっさんの異世界生活～

第413話 神獣の一般常識

すぃーーーっとっとっと、無事着地♪

続いて、ニィナ、ヨウコさん、メイドのシンシアさんも無事に着地

ドラゴンのシエーネさんは人の姿のまま、フワフワと風船みたいにゆっくり降りて来た。

浮島からパラシュートで降りて来た俺達は、キャラバンシティの旧領主邸の庭を着地点にして戻って来た。

「アストレア様、お疲れ様でした。」

「全然疲れて無いけれど、とても有意義な時間で凄く楽しかったわ。私が自力で他の試練を見付けた時は、シンさんも一緒に行きましょうね♪」

「そっ、そうですね、アハハハ（汗）」

俺は第一と第九の試練だけで満足したから、もう試練には行きたく無いんだけど

アストレア様なら自力で試練を見付けちゃうんだろうなぁ。

しかも試練って王国十二家の各領地に１つずつあるっぽいし、試練の場所は結界で入れないようになってるしで

ピスケス伯爵夫人のアストレア様なら、ピスケス領にある試練の場所の心当たりの１つや２つ、知っていてもおかしく無いっていうか

アストレア様の表情を見る限り絶体知ってるやん！

だがしかし

試練の場所に心当たりがあったとしても入れるかどうかは別問題

張られている結界を突破しない限りは、そこが試練の場所かどうかの確認は出来ないはず。

神獣の皆さんが全力で結界を張ってくれている事を切に願う！

「それじゃあシンさん、私は領地に帰るわね。旦那様に今日の事を話したいし、娘のアルテミスも迎えに行かないといけないから」

「そうですか、レヴァティ様とアルテミス様にもよろしくお伝え下さい。」

「喜んで♪シンシア行くわよ！」

「はっ、はい奥様！」

相変わらずアストレア様は元気だなぁ、急いで後を追いかけるメイドのシンシアさんが倒れないか心配になるよ

アストレア様のメイドさんや護衛の皆さんには、俺の製薬スキルで作った疲労回復効果のある栄養ドリンクを定期的に差し入れしてるんだけど

残念ながら精神的な疲労には効果が無いんだよな

次にアストレア様がキャラバンシティに来た時には、何かしらの理由を付けて我が家に２～３日泊まって貰おう。

我が家に居る限りアストレア様の世話をするメイドさんも護衛も不要だから、少しはゆっくり休めるだろう。

「俺達も我が家に帰ろうか」

「「「はーい♪」」」

ニィナ、ヨウコさん、シエーネさんが元気に返事をしてくれるけど

シエーネさん順応早過ぎやろ！

いちいち説明しないといけないよりは全然良いけどさ。

シエーネさんに街を案内しつつ４人でわちゃわちゃしながら歩いてたら、あっという間に我が家に到着だ。

『ガチャ』

「ただいま～」

「ダンナお帰り、早かったね、、、えっと、そちらの女性は貴族のお客さんでございますでしょうか（汗）」

ふふっ

出迎えてくれたケイトがシエーネさんを見て慌てているけれど、まぁしょうがないか

俺が連れて来る人で服装がきちんとしてる人はほぼ貴族だし、更には貴族の中でもそれなり以上に影響力のある人ばかりだもんな(笑)

「こちらの女性は浮島に居たドラゴンさんだよ。以前に人化の魔法を覚えるって言ってたろ？人の姿になったのがこちらのシエーネさん、しばらく我が家に住むから仲良くな」

「シエーネだよ、よろしく～♪」

「えっ？！あぁ～、ドラゴンさんね、りょうか～い。こちらこそよろしくねシエーネさん、そしたらあたしはカスミに食事の追加を頼んでくるね」

「カスミが食事の準備をしてるって事は、お母さんとメリルはまだ仕事場に居るのか？」

「そうだよ、ドレスの注文が多いからね」

「ならシエーネさんの紹介は食事の時にするとして、先に寝室に案内した方が良いな。シエーネさんはベッドで寝るのと、床に布団敷いて寝るのどっちが良いですか？」

「ベッド？ふとん？」

あぁ～

シエーネさんがきょとんとしてしまった。

もしかしてシエーネさんって布団知らないのかな？

同じ神獣のヨウコさんはこっちの世界の一般常識は完璧だったからなぁ

「ヨウコさんちょっとこっちに」

「はい、何でしょう？」

「シエーネさんっていきなりドラゴンブレスを吐いたりしませんよね？」

「そういう心配なら不要ですよ。ナガクラ様に迷惑をかけると創造神様に叱られますから、事前に一般常識の勉強はしてるはずです。まぁ布団等の細かい事を知らないのは御容赦下さい。」

うーむ

迷惑をかけないように勉強したのなら問題は無い

問題は無いのだが

生活用品の『布団』を知らないって事は、いったい何を中心に勉強したのだろうか？

ちょっかいを出して来るお馬鹿さんを有無を言わさず灰にされても困るけど

トイレを知らなくて屋外でオシッコするとか、お風呂の代わりに素っ裸になって井戸で水浴びされても困るんだが（汗）

とにかくシエーネさんの一般常識を確認しなくては！

つづく。