第411話 秋の浮島ツアー その2

浮島ツアー最後の目的地は


洞窟を通った奥にあるドラゴンさんの寝室?の更に奥の部屋


金銀財宝がたんまり保管してある部屋だ。



洞窟に関しては、もしかして今回も転がる大岩のアトラクションが発動するのか?!とちょっとだけ焦ったけど何事も無かったよ(笑)


まぁゴレさんが付いて来て無い時点で大丈夫だとは思ってたけど、なんやかんやで洞窟の1番奥までやって来た。


改めて壁に描かれた絵を見ると、でっかいなぁ~


ここには創造神様と12体の神獣の姿と居場所が描かれていると思われる。


会いに行くと漏れなく面倒くさい事になりそうだけど、俺は神獣には全く興味は無い!


だから会いに行く事も無いんだ!


なんか氷付けになってる『人』っぽい絵が視界に入っているけれど、神獣には興味は無いし会いに行く用事も無いから、明日には俺の記憶から綺麗さっぱりと消えている事だろう。



「ねぇ、シンさんこの壁画はいったい、、、」


「見ての通り神獣と試練の場所が描かれていると思います。シエーネさんに聞けば詳しい事を教えてくれる、、、のかな?」


「その反応だとシンさんは聞いて無いのね?」


「まぁ元々が勇者を強くする為の試練の場所ですから、壁画の意味を自分で考えるのも試練なのかなと。ちなみに勇者って本当に居るんですか?」


「おそらくシンさんが考えている勇者は御伽噺に出てくる勇者でしょうね。天を穿ち、海を割り、大地を裂く、天下無双の武人、それが勇者よ。


今居る勇者と呼ばれる人達は戦争の英雄とか騎士団の団長とかだから、仕事を放ったらかして試練に挑むような人は居ないし、そもそも国王や領主が許可しないわね。


Sランクの冒険者なら試練に興味を抱く人も居るでしょうけど、そもそも空を飛ばないといけないんじゃ、誰も来られないわよ(笑)」


「デスヨネー、アハハ」



ついつい忘れそうになるけど、イセガミさんは元々『勇者召喚』されてこっちに来たんだよなぁ


そういうのはトップシークレットで知ってるのは王様と他数名だろうから、アストレア様が『勇者召喚』を知らなくても当然だよな。


創造神様の話だと他にも『勇者召喚』された人が居るとか居ないとか曖昧な事を言っていたような、、、


まぁ俺の周辺でチート能力持ちの勇者が何かしようとしても、ヨウコさんとリリーの神獣ペアが居るし、創造神様も何かしら対策を講じて下さっていると信じてますよ!



「他の神獣にも興味はあるけれど、私じゃあ試練をクリア出来そうに無いから、シンさんがお友達になった時には紹介して頂戴ね♪」


「えっ?!えぇーーーーっと、お友達になれたらですけど(汗)」



はっきり言ってこれ以上試練を受ける気も、神獣を連れて来る気も無いのだが


なんだか着実に次々とテンプレの旗が建ってる気がするのだが・・・



「それで、洞窟はここで終わりなのかしら?」


「いえ、壁の端っこにドアがありまして、よっと」


『ガチャ』


「あら、隠し扉ね♪」



アハハ


実はこのドアは隠し扉でも何でも無くて、ゴレさん専用のドアなんだけど、わざわざ言わなくて良いか



「えっと、この奥はドラゴン姿の時のシエーネさんの寝室?でして更にその奥に行って、、、、、、ココです。開けぇ~ごま!」



『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』



おおっ!


石壁が移動するか心配だったけど、ちゃんと移動して金銀財宝の山が見える♪



「アストレア様、試練のクリア報酬として好きなだけ持って行って下さい。」


「うーん、好きなだけって言われてもねぇ」


「せっかく無料で貰えるんですから御領地で何かしらの大会を開催して、運営費に回せば良いんじゃないでしょうか?楽しい事は何回あっても困らないですし」


「あらあら♪とても良い考えだけど、どんな大会が良いのかしら?」


「秋はやっぱりオクトーバーフェストですね♪」


「オクトーバーフェスト?」


「お酒を皆で楽しく飲もう♪っていう催しなんですけどね、ピスケス領に居るドワーフに協力して貰えれば盛り上がると思いますよ。ビールと料理は私が提供しますけど、どうですか?」


「とてもありがたいお話だけれど、何か企んでる匂いがするのは気のせいかしら♪」


「バレましたか(笑)結婚式の時に賊が来た事で学んだんですよ。キャラバンシティだけで新しい事をやり過ぎだと。

なのでピスケス伯爵領やサダルスウド侯爵領、アリエス辺境伯領でも色々とやって貰って、キャラバンシティだけが目立っている現状をどうにかしたいと思いまして。」



「確かにキャラバンシティの現状は、お馬鹿さん達には面白くないでしょうね。となると、鷹派貴族の領地でも何かしないと駄目ね」


「あのう、知り合いの領地だけでは駄目なのですか?」


「忘れているみたいだけどゲオルグ様は保守派だから、このままだと鷹派貴族だけ意図的に排除したと思われる可能性が高いのよ。後々面倒な事になっても良いなら構わないけど」


「えぇーっと、それはとても困ります(汗)」



「ふふふっ、そんなに心配しなくても鷹派のスコーピオン公爵家とは縁戚関係になるんだから、義理の息子からお願いすれば大会くらい喜んで開催してくれるわよ♪」


「そっ、そうですね(汗)」



やべぇーよ!


スコーピオン公爵家の四女ペトルーシュカ様が、俺の妾になる為に秋になったらキャラバンシティに来るのを


すっかり忘れてたぁーー!!


結婚してバカンス気分で浮かれてたせいで、色々な事が頭の中から南の島に旅立ってしまってたよ。


とは言え


家族や商会を守る為に『嫁』や『妾』を増やさなければならないと言うのなら、それも致し方無いのかもしれない


勿論、メリルとニィナに相談して2人から許可が出ればだけどな!






つづく。

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