第409話 第一の試練クリア!
「おーいナガクラくーん♪」
ドイツの民族衣装『ディアンドル』を着たドイツ人っぽい見た目の女性が、こちらに手を振りなが俺の名前を呼んでいる
どうやらあの女性が浮島に居たドラゴンさんで間違い無いみたいだ。
「お久しぶりですドラゴンさん」
「久しぶり~、人の姿になったら服を着なきゃいけないのを忘れててさ、服を探してたら遅くなっちゃったよ」
「よく似合ってますよドラゴンさん」
「ありがとう♪でもドラゴンさんって言う呼び方は嫌だなぁ。ヨウコさんに名前を付けたようにボクにも名前が欲しい!」
「そっ、そうですか、確認ですけど女性で良いんですよね?」
「神獣に性別の概念は無いけど、人化したら女性になったから女性で良いよ」
女性で良いよって言われてもなぁ、俺が名前を付けたら漢字で『竜子』と書いて『りゅうこ』もしくは『たつこ』のどっちかになるんだけど
ドイツ人の見た目でこの名前はちょっと合わない
ドイツ語で『竜』を意味する言葉も『ドラへ』とか『ドラッヘ』だから、ドラゴンからの変化が乏しいし、、、
ここはドイツ語で『美人』を意味する『シェーネフラウ』から、『シエーネ』さんで行こう!
「決めました、ドラゴンさんの名前は『シエーネ』でどうですか?」
「シエーネ?、、、シエーネ、、シエーネ、、うん、良いねシエーネ♪気に入ったよありがとうナガクラくん♪」
ほっ
気に入って貰えなかったら『たつこ』を提案しなきゃいけない所だった。
「シーンーさん♪そちらの女性を紹介して欲しいんだけど」
「あっ、はい、こちらは浮島に住んでるドラゴンの神獣で、名前をシエーネさんと言います。名前は今決まったばかりですけど(笑)」
「あらそうなのね♪始めましてシエーネさん、私は人族のアストレアと申します。以後お見知りおき下さい。」
「ふーん、この人族はナガクラくんの家族って訳じゃ無いよね?」
「違いますね。でもこちらに来て色々とお世話になってますから、今回もお礼を兼ねて浮島に連れて来たんですよ。なので試練は不要です。」
「ナガクラくんのお願いでもそれは無理かなぁ」
えぇー?!
第一の試練は勇気を試すだけとはいえ、アストレア様に試練を受けさせるのは駄目でしょ!
「もしかして浮島に来たら試練を受けないといけないルールなんですか?」
「そんなルールは無いよ。どんな手段を使っても浮島に来れた時点で第一の試練のクリア条件はほぼ満たしてるんだよ、加えてそこの人族はボクの本当の姿を見ても平気そうだよね(笑)
だから既に第一の試練はクリアって事になるんだよ。一応ボクの本当の姿を見てみる?」
マジかぁ~
そりゃあ普通は何も知らずにドラゴンさんの姿を見たらビビって気絶してもおかしく無いだろうけど、アストレア様にはドラゴンの写真見せちゃってるし
ドラゴンを連れて来て欲しいとか本気で言う御方だからなぁ
「ねぇシンさん、試練って何の事かしら?」
「えっとですね、勇者を強くする為に創造神様が作った試練が浮島にあるんですけど、どうやらアストレア様はほぼ試練をクリアしてるみたいで、最後にドラゴンの姿を見たら完全クリアになるらしいですけど、、、御覧になりますよね?」
「勿論♪」
分かってはいた事だけど、アストレア様は今日もまた良い笑顔でいらっしゃる。
「という事なんでシエーネさん、お願いします。」
「はーい、、、」
『ボフンッ』
おおっ!
突如発生した白い煙の中からドラゴン姿のシエーネさんが現れた。
「あらあらあらあら♪シンさんから貰った写真よりも本物は立派ねえ♪」
「うん、予想通りの結果だね(笑)第一の試練クリアおめでとう。クリア報酬は用意しておくから、他に欲しい物があれば浮島にある物なら好きに持って行って良いよ」
「シエーネさん、ありがとうございます。という事でシンさん、クリア報酬を探すついでに浮島を案内して頂戴、さっそく行くわよ!」
おわっ?!
アストレア様ぁ~、自分で歩くのでズルズル引きずりながら行くのは止めてぇー(泣)
「ニィナ、ヨウコさん、シエーネさん、お茶とお菓子を置いて行くからゆっくり待ってて下さい。」
「「「は~い♪」」」
おぅふ
自分で待っててと言いはしたけれど、収納から出したお茶とお菓子を受け取ったニィナ、ヨウコさん、シエーネさんが満面の笑顔で手を振っているのは
なんだかなぁ(悲)
つづく。
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