第396話 眠れる森からのお手紙
朝、目が覚めると
顔にもふもふした物が乗っていて何も見えない
まぁこのもふもふした物の正体はフェンリルのリリーなんだろうけど、わざわざ俺の顔の上で寝ないでもいいと思う。
とりあえずリリーを起こさないようにそっと持ち上げて、俺の右側で腹を出して寝ているケイトの腹の上に置いておこう(笑)
ちなみに左側にはニィナ、お藤さん、ヨウコさんが寝ていて
カスミ、スミレ、メリル、コニー、フラニーはここには居ない
昨日はイセガミさんとリリーを招待して一緒に晩御飯を食べたんだけど、仮設住宅のお風呂を使ったイセガミさんが感動のあまり泣いちゃったんだよな
それでケイトが「朝シャンも気持ち良いよ♪」って言ったらイセガミさんが全力の土下座をして
「朝シャンをさせて頂けますよう、伏してお願い申し上げます。」
って言われたら断れませんやん(汗)
むしろ普通にお願いしてくれたらよろしいやん、もしかして俺は怖がられてたりするのだろうか
いや待てよ、あれはもしかしてイセガミさんなりのボケだったのでは?
なにせ俺の周りには愉快な人が集まるみたいだから、とすると悪いことしたなぁ
まぁ、そんなこんなのやり取りがあって、イセガミさんとリリーも一緒に泊まる事にしたから、大人組と子供組に別れたんだよな。
昨夜子供組が泊まっていた仮設住宅の電気は夜遅くまで付いていたし、楽しげな声も聞こえてたから喜んで貰えたと思う。
『ピンポーン』
むむっ!
今朝もインターホンが鳴ってるんだけど、もしかしてステフ様が迎えに来たのか?
昨日ちゃんと朝稽古はしないって言ったんだけど、ステフ様は脳筋体質だからひと晩寝たら忘れてそうだよ(悲)
「今開けますよーっと、ガチャ、、」
「シン殿おはようございますぅ、あなたのウェンディですよぉ~♪」
「あっ、はい、ウェンディさんおはようございます。」
「むぅ、なんだか対応が冷たいですぅ!」
はぁ~、ウェンディさんの事は好きだけど、寝起きでこのテンションは辛いのよ。とはいえそんな事を言うと傷ついちゃうから、、、
「えっと、ほらあれです!ここには貴族の皆様が滞在中ですから、あまり大きな声を出すのは駄目でしょ?」
「確かにそうですけどぉ」
「とにかくお茶淹れるんで中に入って下さいよ。それと用事があるから来たんでしょ?」
「フレデリカ様からシン殿に手紙が届いたんで持った来たんですよぉ、はいどうぞ」
「どれどれ、、、」
拝啓
エルフの友、シン殿
日々元気に過ごされているでしょうか?
先ずはコニーとフラニーを受け入れて頂き改めて感謝の言葉を伝えます。本当にありがとう。
今回は結婚を祝う言葉を伝えたく急ぎ文を書いた次第です。
シン殿、メリルさん、結婚おめでとう!
我ら眠れる森のエルフは未来永劫、御二人の子々孫々に至る全ての者を見守る事をここに約束します。
残念ながら私は今、眠れる森から離れられず結婚式に出席出来ない事を許して下さい。
代わりという訳では無いけれど、ミリアリアやウェンディの結婚式には必ず出席するので、その時は早めに教えて下さい。
ウェンディが迷惑をかけていないか超心配ですが、良い子だから嫌わないであげてね。
追伸
お祝いとして贈った『精芋』は定期的に贈るから、沢山食べてお嫁さんと頑張って♪
それでは次の結婚式を楽しみにしています。
アデュ!
フレデリカアーデルハイト・E・スリーピングフォレスト
なんかツッコミ所満載の手紙だけど、祝福してくれて素直に嬉しいよ♪
しかしフレデリカさんって意外とお茶目さんなのかな?
『『『グゥ~(悲)』』』
この音は?!
朝からゆっくり手紙を読んでる場合じゃなかった!
いつの間にかイセガミさんや子供組も集まって来てるし
何よりも早く朝食を用意しなければ、ケイト、スミレ、ヨウコさんの我が家の腹ぺこ3人娘が空腹を我慢している悲しい顔を、これ以上見てられん!
「みんな~、収納から朝食出すから並べるの手伝ってくれ~」
「「「はーい♪」」」
「わん♪」
我が家の腹ぺこ娘達も笑顔になったし、ついでにリリーもだけど(笑)
みんなの笑顔が見れるなら、すべて世はことも無しってな!
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。