第394話 朝食を食べよう。
「それでは皆様、いただきます。」
「「「「「「「いただきます♪」」」」」」」
ステフ様、マリーナ様、エレーナ様、ミレイユ様と、メイドさん達の早朝自転車練習も無事に終わり
日除けのタープを張って外で朝食を食べる事になった。
ちなみに俺の横にはヨウコさんしか居なくて、我が家のみんなは仮設住宅で朝食を食べている。
商会には貴族のお客さんもそれなりに来るから、我が家のみんなも慣れて来ているけど
アストレア様、ゲオルグ様、ステフ様、という貴族の中でも別格の3人と一緒に朝食を食べても緊張で味が分からなくなるだろうし
特にスミレとカスミには毎食きちんとご飯を食べて貰わないと、おっさんは心配で何も手に付かなくなってしまうから仕方ないんだ!
(ふふっ、ナガクラ様がスミレさんとカスミさんに甘いのにはもう慣れました(笑))
うーむ、解せぬ!
俺の心を読める訳では無いだろうけど、ヨウコさんにわざわざ念話で笑われてしまうとは
まぁ事実だし、スミレとカスミに甘い自分が俺は大好きだから問題は無い!
「ねぇねぇナガクラ君、この日除けの天幕良いなぁ~良いなぁ~、野営の時に役立つだろうなぁ~」
「はいはい、そんな遠回しに言わんでも『友』なら直接欲しいって言ってくれて良いからステフ様。駄目な時は駄目って言うし、そんな事で俺達の友情は壊れないでしょ?」
「友情?!、、、そっか友情かぁ、うん!私とナガクラ君の友情はアダマンタイトより硬いもんね、えへへ♪」
ステフ様の喜ぶ顔を見てると、もしかして友達って俺が初めてだったりするのかな?
貴族の事は未だによく分からんけど、学校が終わって友達と一緒に仲良く帰るとかしなさそうだよな
馬車で迎えに来て貰ってそれぞれが自由に帰って行くイメージだ。
あとは派閥とか利害関係とかがバチバチに絡んで、ドロドロした人間関係しか想像出来ん。
「ねぇシンさん、私とは友達になってくれないのかしら?それに『友』と言う事なら同性の旦那の方が適していると思うのだけど」
「私が思う友達って自然にそうなる物だと思うんですよね。あとソレイユ様やゲオルグ様だとどうしても畏れ多いって思っちゃうんで、友達って感じじゃないんですよね。娘さん達となら友達になれるかもしれませんけど」
「うーん、よく分からないけれど仕方ないわね。それと残念だけど娘達は友達になる事を望んでいないわ」
「そうですか」
男女の友情って難しいから、俺も積極的に友達になりたい訳じゃないけど、ここまではっきり言われるとショックだなぁ
「シン殿、何やら落ち込んでいるみたいだがあまり気にする事は無いと思うぞ。娘達は友達以上の関係を望んでいるだけなのだからな、それとたまご焼きのお代わりが欲しいんだが」
「はい、どうぞ。ゲオルグ様ってそんなにたまご焼き好きでしたっけ?」
俺は収納に入っているたまご焼きをお皿に乗せてゲオルグ様に渡しながら質問する。
「たまご焼きは好きだぞ、お代わりをするほどではなかったがな。だが今朝のたまご焼きは格別に旨い!」
「なるほど、今朝はお藤さんが作ったたまご焼きですから美味しいですよね♪」
「ほぉほぉ、お藤殿が、しかしシン殿が作ったたまご焼きも最高に美味しいと思っていたのに、これほど変わる物なのか?」
「私は特別料理上手という訳では無いですし、お藤さんほどでは無いですけどカスミも私より料理が上手ですよ」
「カスミさんが?!うーむ、我が家に息子が居れば嫁に来て貰う所なのに残念だ」
待て待て待てぇー!
カスミを貴族に嫁がせるとか俺が許しませんからね!
結婚相手の条件は、我が家のみんなとアストレア様と創造神様とちーちゃんさんに認められる事だ!
「あらあら、シンさんはカスミちゃんをお嫁さんには絶体出さない気なのね(笑)」
おぅふ
アストレア様に笑われてしまったけど、カスミが連れて来た相手なら認めないと駄目なんだろうなぁ
そんな事を考えると今から憂鬱だよ(悲)
そういえば、アストレア様は昨日から少し変だったような気がする
いつもならプレハブ仮設住宅について質問攻めにされて離してくれないんだけど、それも無かったしな
「アストレア様、体調が悪いとかは無いですよね?」
「ええ、私はとても元気よ♪」
「本当ですか?私に気を使ってるのでは?」
「シンさんに心配して貰えるのは嬉しいけど、、、もしかして私がいつもより静かなのが気になるのかしら?」
「まっ、まぁそうですね、本当に体調に問題は無いんですよね?」
「ふふ、大丈夫よ。シンさんがステフちゃんやゲオルグ様と楽しそうに話をしているのを見て嬉しかっただけだから、息子の成長を喜ぶ母の心境ね♪」
「成長ですか?多少は人付き合いに慣れてきた実感はありますけど、喜ぶほどでは無いかなと」
「そうでもないわよ、以前のシンさんは貴族との付き合いを心の底から本気で嫌がっていたもの、まぁ相手次第ではあるのでしょうけど」
「そりゃあ御世話になってる人や友人と、馬鹿な貴族とでは対応も変わりますよ」
「ナガクラ君、友情を深める為に一緒にお風呂に入ろう♪よいしょっと」
「ワシも一緒に入って友の仲間入りをせねば!」
「あらあらあらあら♪それは良いわねぇ、ソレイユさ~ん一緒にお風呂に入りましょう」
「は~い」
なっ?!
いつの間にかやって来ていたステフ様の小脇に抱えられてしまっているんだけど
これは全員でお風呂に入る流れですか?
貴族のみなさーん、ちょっと、、、
待つのは無理ですよねぇー
ステフ様と2人だけじゃないから良い、、、のだろうか?
そして1つ分かった事がある、どうやら俺には愉快な人が集まるらしいと
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。