第387話 依頼
ゲオルグ様御一家とステフ様の宿泊場所として、プレハブの仮設住宅建設予定地にパーツを出して並べて見ているんだけど
バスタブは足を伸ばして寝れるくらい大きいし、トイレにはウォシュレットも付いているし、キッチンはご丁寧にIHヒーターだしで
ここまでされると笑うしか無いわぁ~、アハハハ
『むにっ』
むむっ!
毎度お馴染みニィナの柔らかい胸が俺の右腕に押し付けられている♪
「主様、大丈夫ですか?」
「あぁ、ニィナの柔らかい胸のお陰で元気出たよ♪」
「ふふっ、それなら良かった」
「ナガクラ様、ニィナさん、今はイチャイチャしている場合と違いますよ」
「イッ、イチャイチャして無いし(汗)」
「そっ、そそそそうですよヨウコさん、いちゃいちゃなどと、、、(照)」
おおっ!
照れるニィナは超絶可愛いな♪
「おーい、シンさーん!」
あっ
旧領主邸の門をくぐってオリビエさん、ガゼル親方、ジャックおじいちゃん、そしてドワーフの一団がやって来るのだが、緊急だって言ったのは俺だけど早過ぎだよ(汗)
「オリビエさん、すいません突然依頼出しちゃって」
「そんな事はどうでも良いのよ!高級なウィスキーを1人1本というのは本当なのかしら?全員で1本の間違いでは無いの?」
「1人1本で間違いありません。ついでに仕事が終わればビールとツマミも用意しますよ」
「やったぁーーー♪」
「「「「「ウォーーー!!」」」」」
報酬が高級なウィスキーだから、ドワーフの皆さんが大袈裟とも言えるほど喜ぶだろうと分かってはいたけど、何回見てもこの光景は慣れないんだよなぁ
「おっと、その前に皆さんにお願いがあります。」
「何でも言ってちょうだい!」
「今からやって貰う仕事は貴族が絡むトップシークレットです。なので部外者には絶対に漏れないようにして欲しいんです。口止め料込みの高級ウィスキーと考えて頂ければ、事の重大さが分かりやすいかと」
『ガシッ!』
おぅふ
何故か思いっきりオリビエさんに手を握られて痛いです(泣)
「依頼の内容に関係無く、受けた仕事の事を外に漏らす馬鹿はドワーフには居ないから安心してちょうだい♪」
「そうじゃぞお前さん、もっとワシ達を信用せい!」
「そう言うてやるなガゼル、今ここに置いてある建材?を見ればシン殿が心配するのも仕方あるまいて」
「建材?、、、なるほど、確かに見た事も無い物で溢れておるな」
オリビエさん、ガゼル親方、ジャックおじいちゃんの3人が、プレハブ仮設住宅のパーツを見ても冷静なのは分かるけど
他のドワーフの職人さん達も騒ぐ事無く、落ち着いてパーツを物色している姿はプロ意識を感じられるぜ!
「あれって実は組み立てると家になるんですけどね、良ければサンプルとして1軒差し上げますから持ち帰って存分に調べて下さい。なので何も聞かずに組み立てて頂けると助かります。」
「「「家?!」」」
おおっ!
今度は3人とも驚いてくれたよ♪
組み立てると『家』になるのはさすがに想像出来ていなかったか
「本当に貰って良いの?!シンさんは社交辞令や冗談でこんな事を言う人じゃないのは知ってるけど、さすがに無料で貰うのは、、、」
「今回も突然の無茶を聞いて貰ってますし、これからも無茶を聞いて貰う為の先払いと思って受け取って下さいよ。ドワーフの皆さんが沢山酒を買ってくれるお陰で、ボロ儲けしてますしね♪」
「ガハハハハハ!やはりお前さんはそうでなくてはな♪それにお前さんが売ってくれる酒のお陰でワシ等も良い仕事が出来て依頼も増えた、お互いに儲けておるし遠慮せず受け取ってええじゃろ」
「そうね、こんなに凄い物を貰うんだし分かってるわよね貴方?」
「うむ、お前達仕事の時間じゃっ!」
「「「「「ウォーーー!!」」」」」
えーっと、ドワーフの皆さん、やる気があるのはとても嬉しいんですけどね
あんまり大声を出すと秘密にしている意味が、、、
まっ、良いか(笑)
もし誰かに見られてもここはアストレア様が滞在している旧領主邸の庭だし、ゲオルグ様やステフ様も居るんだから面倒ななんやかんやは貴族の皆様に押し付けよう♪
つづく。
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