第379話 報告

ソレイユ様の後に続いて食堂に入ると


ゲオルグ様、マリーナ様、エレーナ様、ミレイユ様が仲良く横並びで座っているのはとても微笑ましい♪


しかし食堂に居るメイドさんや警備の兵士さん達の人数がいつもより多い気がするんだけど、もしかして屋敷で働いてる人がほぼ全員集まってるのか?!


メイドさん達の事を俺が口出し出来るわけじゃないから、とりあえず無視して



ゲオルグ様達とテーブルを挟んで向かい側に座っているニィナは普通だけど、コニーとフラニーは、、、


ガッチガチに緊張してるやん(笑)


いやまぁ2人の気持ちは凄くよく分かるし、俺だって突然こんな所に連れて来られたら泣きそうにはなるけどさ


余計な事を言ってコニーとフラニーが更に緊張しても困るからそっとしておこう。


今は私的な場だし、ソレイユ様もゲオルグ様も細かい事は気にしないっぽいから大丈夫だろ。



「さあさあ、シンさんの報告を聞かせてちょうだい♪」



ふぅー


仲の良い知り合いばかりとはいえ、さすがにこの人数に見られながらなのは緊張する



「ソレイユ様にゲオルグ様、この度メリルと結婚する事になりましたので御報告に参りました。」


「ふふっ、やっと結婚する気になったのねぇ、シンさんおめでとう♪」


「ソレイユ様、ありがとうござまいます。」


『『『『『パチパチパチパチパチパチパチパチパチ♪』』』』』



おおっ?!


食堂に集まった人達が祝福の拍手をしてくれているのは、本当に嬉しくて感謝しか無いんだけど


そこで泣きながら万歳三唱しているメイドさーん、それはちょっと違うんじゃないですかー?



「うむ、シン殿がなかなかメリルさんと結婚せんから、我が家のメイド達も心配していたのだぞ!2人とも貴族では無いから我々とは結婚に対する考え方が違うのかもしれんがな」


「実はメリルと出会ってもうすぐ1年経つので、その日に合わせてと思っていたのですが、余計な心配をおかけしました。」


「なんとっ?!あれほど仲睦まじいのに出会って1年経って無かったのか、それなら仕方あるまい」



ほっ


この国は記念日っていう考えが希薄だから、『○○記念日』を重視する元世界の感覚が変とか思われなくて良かったよ



『ふにっ』



むむっ!


この控え目ながらも柔らかい感触は、、、



「マリーナ様?!」



いつの間にやら俺の隣に長女のマリーナ様が座っているのだけど、これはとても危険な匂いがするぅー(汗)



「改めて、メリルさんとの婚約おめでとうございます♪」


「あっ、ありがとうございます。」


「うふふ、我が家のメイド達も私達とシンさんがもっと親しくなって欲しがっていたから、シンさんに正妻が出来る事で遠慮する必要が無くなって喜んでいるだけですわ(笑)」


「あぁ~、独身の男性と仲良くすると色々と勘違いされてしまいますもんね」


「うーん、それとは少し違うのですけれど、、、とにかく!これからはもっと私と仲良くして下さいね♪」


「勿論ですマリーナ様、新作のお菓子の感想が聞ける相手が増えて私も嬉しいです♪」



『ぎゅむっ』



「ズルいですお姉様!シンさんとは私達も仲良くしたいんですから!」


「うん!」



おぅふ


いつの間にやらマリーナ様とは反対の腕をエレーナ様に掴まれてしまった、しかもまだまだ慎ましいエレーナ様のお胸を押し付けられてるし(汗)


そして今ほど椅子に背もたれがあって良かったと思った事は無い!


何故なら、先程からミレイユ様が俺にくっつこうと隙を伺っているからだ


椅子に背もたれが無ければ後ろから抱き締められていただろうな。



えーっと、侯爵令嬢の皆様、俺はメリルと結婚するんですよ


なのでメリル意外の女性とイチャイチャするのは駄目だと思うんです。それに淑女の嗜み的にも問題あるんじゃないかなぁ~?


そうですよねゲオルグ様!


くっ


駄目だ(悲)



ソレイユ様とゲオルグ様は、知らぬ間に娘達が立派になったとかなんとか言いながら、涙を流す勢いで俺と3人の娘さん達のやり取りを暖かい目で見ているんだもの


だがしかし!


ここにはマリーナ様、エレーナ様、ミレイユ様の将来を本気で心配している、執事さんにメイドさんに兵士の皆さんが沢山居る


頼りにならない両親に変わって、あなた達が侯爵家の大事な3人の娘さんを守るんだ!


あかーーーーーん


食堂は既に祝いの宴になってて、皆それぞれ自由に酒飲み出しちゃってるんだもの


ニィナも顔見知りのメイドさんと乾杯して宴を楽しんでるし、コニーとフラニーは何故か料理長さんとパン談義に花を咲かせている


ガッチガチに緊張していたコニーとフラニーの楽しそうな顔が見られたし


良しとしよう!






つづく。

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