第371話 増える腹ぺこ娘
昨日は結局オリビエさん達と商会の従業員の皆と徹夜で宴会を楽しんで、夜明け前に無事解散となった
早くも二日酔い&寝不足だけど(笑)
回復魔法を使ったからスッキリしゃっきり絶好調でござる!
東の空がうっすら白み始めたキャラバンシティの街を、ニィナと一緒に歩いて我が家に帰る
まだ夜明け前なのに朝市の準備をしてる人や、装備の確認をしている冒険者、荷物を馬車に積み込んでる商人、仕事終わりの娼婦の皆さんの姿もあって
かなりの賑わいだ♪
『カチリ』っと
出来るだけ静かに我が家のドアを開けて中を見るけど、やっぱりまだ誰も起きて無いみたいだ
みんなを起こさないように部屋には行かずに、このままリビングでお茶でも飲もうかとニィナと話していたら
人型バージョンのヨウコさんが2階から降りて来た、寝る用の着物って言うのだろうか?
時代劇で見た事があるような白くて薄めの着物を着ていて、まだぐっすり寝ているスミレを抱っこしている
「ヨウコさんおはよう」
「おはようございます。」
「ナガクラ様、ニィナさんおはようございます。」
「もしかして起こしちゃった?」
「いえいえ、ナガクラ様の気配がこちらに向かって来ているのが分かりましたのでお出迎えに♪」
「わざわざありがとう、でもどうして寝ているスミレと一緒に?」
「ナガクラ様が居なくて寂しかったのかもしれません、寝ている時に私の着物を掴んで離してくれなかったので」
あぁ~
スミレとカスミには寂しい思いはさせん!と誓ったけれど、多少は慣れさせていかないと困るのはスミレだからなぁ
「スミレを守るだけじゃなくて世話までして貰って大変じゃない?」
「ふふっ、スミレさんは良い子ですから問題ありません。それに誰も来ない稲荷神社に居るよりは楽しいですよ♪」
「そう言って貰えると助かるよ、料理くらいしかお礼出来る物は無いけどね(笑)」
「充分過ぎるお礼でございます♪」
「うにゅ~、、、あっ!ご主人さまー!」
ヨウコさんの胸に顔をうずめて寝ていたスミレが起きたか
「スミレおはよう♪ほら、こっちおいで」
「うん♪」
ふふっ
スミレを抱っこしてあげると尻尾をブンブン振って喜んでいる、この甘えん坊め
俺もスミレをもふもふ出来なくなったら寂しくて泣くけどな
「あらあら♪今朝はなんだかとっても賑やかねぇ(笑)」
お母さんが2階から降りて来たって事は、直に我が家の腹ぺこ娘達も起き出すだろうから朝食の手伝いをしますかね
◇ ◇ ◇
ふぃ~
朝食も終えて満腹だから何もしたくないんだけど
色々やんなきゃいけない事があるんだよなぁ、とりあえず近場から済まして行くか
我が家の裏庭に行くと、ニックとスナックが体操をしている最中だった
「おーい、ニックにスナック、暇なら約束通り新しいドーナツ教えてやるけどどうする?」
「午前中は暇だから教えて欲しい!」
「おう!どんな旨いドーナツでもアニキには負けねぇからな!」
いつも通りやる気があるねぇ♪
「良し!と言っても凄く簡単なんだけどな、まずはコレを舐めてみろ」
収納から既に砂糖を混ぜ合わせた『きな粉』を取り出してニックとスナックに渡してやる
「うーん、新しい調味料?ぺろっと、、うん甘い!コレって新しい砂糖なのか?」
「惜しいなスナック、いつもの砂糖に粉にした大豆を混ぜた『きな粉』って物だ」
「これが大豆?!厚揚げの原料って言われた時も驚いたけど、なんだよこの旨い粉は!」
マジで大豆って不思議だよな、そのまま食べたらお菓子に使える感じはしないのに
砂糖と混ぜた途端に、ドーナツだったり餅だったり色んなお菓子に使えるんだから
「きな粉が旨いのは分かったと思うけど、これを出来立てのドーナツにまぶしたら旨そうだろ?」
「おう!」「うん♪」
えーっと、俺の収納に出来立てドーナツは、、、
あったあった!
「ほれ、好きなだけきな粉をまぶして食べてみろ」
「「いただきまーす」」
ニックとスナックの食べっぷりを見ると、きな粉ドーナツは新メニューに採用決定だな♪
むむっ?!
背中にとても熱い視線を感じる!
まぁさっきからずっとソワソワしながら見てたのは知ってたけどな
「3人の分もあるから一緒に食べよう」
「「「やったぁー♪」」」
ふふっ
仲良くドーナツを頬張る、ケイト、スミレ、ヨウコさんの姿はとても和むけれど
どうやら我が家にまた1人腹ぺこ娘が増えたようだ(笑)
つづく。
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