第367話 試食会
イセガミさん、女将さん、ニィナと一緒に池田屋商会幹部の定例会が行われる部屋にやって来た
部屋には既に
アル、ニック、スナック、アンさん、ライラ、アリア、ミーナ、スージィー
以上の8人が待っていた
幹部と言っても、メリルとお藤さんも呼ばれて無いのか
「おや?シンさんも来られたのですか」
「俺はニックとスナックに呼ばれて来たんだけど、イセガミさんが新作料理を作ったって言うからついでにな。
それよりアル、俺は定例会があるとか初耳なんだが」
「おそらくシンさんが考えておられるような会では無いですよ。この定例会はいわば練習なんです、皆さん御自分の担当する仕事を定期的に報告する経験などありませんからね
普通は会長に指示された仕事が『終わった』か『まだ』の2択ですから。
なので最初はおやつでも食べながら、皆で気軽に話をするところからやっている最中なのですよ」
なるほど、確かにいきなり仕事の報告をしろって言われても困るか
『問題無い』とだけ報告されても意味が無いもんな、例えば牛のミルクの量は昨日と比べてどうだった?とか
仕事によって報告して欲しい事は様々だから、練習というか研修的な定例会って事なんだろう。
「そういう事なら引き続き焦らず頑張ってくれ、ちなみに今日のおやつは何なんだ?」
「本日はイセガミさんとニック君とスナック君が新作を試食して欲しいという事でしたので、私も詳細は知りません」
「じゃあニックとスナックの新作は甘味だろうから、イセガミさんの料理から試食で良いのかな?」
「はい!食堂で温めて貰っているのでそろそろ持って来て貰えると思います。」
『コンコン、ガチャ』
「失礼します。イセガミさんお待たせしました。」
「それじゃあこのまま皆さんに配って下さい」
スンスン♪
配られた料理をさっそく匂ってみるけど、なるほど商会に来た時からしていた良い匂いの正体はコレだったか
「イセガミさんこれって『もつ煮』だよね?」
「はい、本当は一味唐辛子と豆腐も欲しかったんですけど」
「それならどっちも俺が用意するから大丈夫だよ、もつ煮は宿で出すの?」
「シンさんに許可して貰えれば今日から出そうと思ってます。」
「じゃ、いただきまーす。あーんっ、、もぐもぐもぐ、うん、旨い♪『もつ煮』採用決定!」
「「「「「おおっ!」」」」」
『『『『『パチパチパチパチ♪』』』』』
どうやら『もつ煮』は他の皆も気に入る味だったようで、イセガミさんに祝福の拍手をしてくれている♪
「あははははは、相変わらず即決かい♪」
相変わらず女将さんには謎に爆笑されてしまったけど
売ってみて評判が悪ければその時に改めて考えれば良いだけだ。
「おーい、アル」
「なんでしょうかシンさん」
「豆腐なんだけど、エルフの研修生を使って豆腐作りの仕事をさせたらどうかって思ってるんだ
具体的な事はまだ全然なんだけど、素案作ってくれないかな?」
「ほぉほぉ、となると研修生の受け入れ計画はどんどん進めて宜しいのですね?」
「良いけど途中経過は報告してくれよ、いきなり50人とか100人とか来られても俺は対応出来んからな!」
「ふふっ、シンさんなら何の問題も無いと思いますけど、住む場所の問題もありますからいきなり受け入れる事はしませんよ」
ほっ
面倒くさい男は今日は真面目バージョンだったか
アルは俺と話してると、突然スゲェー面倒な事を言い出すから恐いんだよ(汗)
それはさておき
次はニックとスナックの新作かぁ、あの2人がどんな物を作ったのかとても楽しみだ♪
そろそろホイップクリームをたっぷり使った生菓子を教えてみようかな?
保存の問題があるから冬限定になるだろうけど、まずは従業員のおやつ用にお試しで作るのが良いかもしれん
今年の冬は牛も増やしたいし、また忙しくなっちゃうなぁ
自業自得だけどな!
まずはニックとスナックの新作を食べてから決めよう♪
つづく。
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