第354話 従業員とのなんやかんや その2
「アンさん、ニック、スナックの3人も変わらず元気そうで良かったよ♪」
「はい!会長もみなさんも無事で何よりです、さっそくなんですけど人手が足りません、なんとかして下さい!」
「えぇーっと、もう少し詳しい説明が欲しいです。」
「詳しくですね、お客さんが沢山来て対応しきれないのでなんとかして下さい!」
おぅふ
そりゃ人手が足りないんだからそうなんだろうけどさぁ
お客さんは以前から行列作るくらい来てたんだから、何故今になって人手が足りないのかを知りたいのよ
こういう事も1度研修をして教えんといかんな
「アニキ!俺から説明するよ、お客は前から多かったけど最近は徹夜で店の前に並ぶ奴等が出て来たんだ。並ぶだけなら良いんだけど多分そいつらはどっかの貴族に雇われて並んでるんだと思う
それで開店と同時に商品を買い占めて行くから他の客が買えなくて、そいつら代金はちゃんと払うし礼儀もちゃんとしてるし、そもそも購入制限はしてないから駄目だって言えなくて
だから作る量を増やしたんだけど、そろそろ限界かも」
あぁ~
ついに買い占める奴が出て来たか
今までも大量に買う商人は居たけど、なんやかんやで節度ある量だったからな
おそらく商人の間で暗黙の了解的に1度に買う量を決めてるんだと思う。
何処の成り金貴族か知らんけど面倒な事を考えやがって
「話は分かった、アストレア様に頼んで領主代行命令で徹夜で並ぶのは禁止にして貰うよ。後は1度に買える量も制限、、、は意味無いか、100人くらい雇って客として送り込まれたらどうにも出来んからなぁ
何処の貴族が雇ったか調べてアストレア様から注意して貰おう!こんな感じで大丈夫かな?」
「「「・・・」」」
あれ?
アンさん、ニック、スナックの3人が凄く呆れた顔で俺を見ているんだけど、何が駄目だったんだ?
「あの会長、一応普通に客として買いに来てるだけですからアストレア様にお願いするような事では(汗)」
なるほど、俺は当然のようにアストレア様に頼んだら良いやって考えたけど、普通は畏れ多くて貴族に頼むとか出来ないか
そして改めて分かった、あの優しいアストレア様でさえ名前を出しただけでアンさんがこんな反応をするんだもの
基本的に貴族に対しては、触らぬ神になんとやらって感じなんだろう
「とりあえず購入制限をして様子を見ようか」
「はい!現有戦力でどうにかして見せます!」
「今だって損をしてる訳じゃ無いんだから大丈夫だよ、ねっ、兄ちゃん!」
「おう!スナックの言う通りだからアニキも気にしなくて良いから!」
いやいやいや、どんだけアストレア様が怖いねん!
まあ機嫌を損ねたら無礼討ちにされても文句は言えないとか考えてそうだけど、貴族のイメージ悪過ぎやろ
とは言え毎回アストレア様に頼むのも悪いから
買い占め行為が今より酷くなったら、ゲオルグ様かステフ様に頼んでやんわり注意して貰おう
「そうだアニキ、新作のドーナツ作ったから明日にでも試食してくれよな」
「おう、そいつは楽しみだな♪」
「約束も忘れないでくれよ!それじゃあ新しい甘味のヒントが無いか屋台を見てくるよ、行くぞスナック!」
「うん、アニキまた明日~♪」
宴会の時くらい仕事を忘れても良いのに真面目だねぇ
しかし俺は何か2人と約束しただろうか?
全く覚えてないけどまあ良いや、たぶん新しい甘味を教えてやるとかだろうし
「「会長ぉー!」」
はいはい、次は誰ですかー?
えっと、あの2人は商会の乳製品部門の責任者ライラとアリアの兄妹の双子だ
乳製品部門は『チーズ、バター、生クリーム』以外にも色々やりたいんだけど全然余裕が無くて
ライラとアリアに丸投げして放ったらかし状態なんだよなぁ(汗)
牛の数が簡単には増やせないから仕方無い部分もあったとは言え、ライラとアリアの頑張りにもっと応えてあげたい!
モッツァレラチーズやブッラータチーズを作るのはどうだろう?
そのままでも勿論美味しいしけど、どんな料理にも合うポテンシャルがあるから無限大の可能性がある♪
今日話をしないといけない商会の幹部はライラとアリアで最後っぽいし、乳製品部門の今後についてじっくり話をしよう。
つづく。
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