第341話 稲荷神社を探して

フェンリルのリリーの知り合いで、稲荷神社で俺を待っているという『狐』さんに会う為に


ガーデンシティとキャラバンシティのちょうど中間くらいにある、とある山の麓に来ている。



目の前の山はびっしりと木が生い茂っていて山道はおろか獣道すら無く、山に立ち入る事を拒絶してる感が満載でどう見ても怪しい場所だ


浮島にあった壁画の写真を解読したところによると、3Dアートのように稲荷神社への入り口が現れるはず、、、なんだけど全然出て来ない(汗)


狐さんも待ってるって言うなら、入り口は開けといて欲しかったなぁ



「主様、ここがリリーの知り合いが住んでいる場所なのですか?」


「たぶんな」



「おーい、きつねさーん!ダンナが来たよーー!」


「・・・」


「ダンナ駄目だ、これは留守だよ」


「まぁ待ちなさいよケイト、この山に家があって住んでるならここはまだ塀の外って事になる。まずは屋敷まで行かないと駄目だろ」


「そうは言っても門扉が無いんだから入れないじゃん」



ケイトの言う通り!


ここは素直に創造神様に聞いた方が早い気がするけど、神獣の立場で考えると創造神様の手を煩わせるのは失礼にあたるかもしれん


俺のせいであとで『狐』さんが創造神様に叱られるとかは避けたいんだよなぁ


みんなで目を細めて端から見ても駄目っぽいし、どうしよう(汗)



「あれ?、、、ねぇおにいちゃん、スミレが居ないよ」


「えっ?!さっきまで俺の隣に居たのに、、、おーい、スミレーーー!」


「・・・」


「どどどどどどうしよう(汗)返事が無いぞ!」


「落ち着きなよダンナ、無闇にこっちから探すより鼻の良いスミレなら美味しい匂いをさせれば戻ってくるよ」


「そっ、そうだよな!美味しい匂いなら任せろ!」



こんな時こそチート能力の出番だ、何か良いものを頼みますよ創造神様!


スキルの「店」に何か、、、あった!


元世界で大人気だった『ケー・F・シィ』のチキン


これなら匂いも凄いからちょうど良いだろ、1番大きいのを購入


ポチッとな



来た来た♪


パカッと、、、おぅふ


約1年振りに嗅ぐこの猛烈な匂いはたまらんなぁ(笑)



俺はいつもサンドのセットか、チキンのボックスしか買った事無くて、チキンも1ピースとか2ピースだけだったから


バーレルの大きい容器に色んな部位のチキンがたくさん入っててテンション上がるぅ~♪



「なっ、なんだよダンナ!その旨そうな、、、いや!絶対に旨い食い物は!」


「これはな、俺がこの世で1番旨いと思ってるチキンだ!」


「マジか?!ダンナが1番旨いと思ってるとか、神様の食べ物かよ!」




ふわぁっはっはっはっ


マジでこのチキンは他では食べられない味だからな、開発してくれた『Kーネルおじさん』に感謝だよ♪


こうなるとナゲットも購入だ!


ナゲットに無料で付いて来るバーベキューソースとマスタードソースを、スーパーに売ってるマヨネーズやケチャップみたいな大きい容器に入れて売って欲しいと何度思った事だろう。


1度で良いから後先考えず1個目のナゲットからソースをたっぷり付けて食べてみたかった(悲)



っていうかそんな事考えてる場合ちゃうねん!


今はスミレを見付けるのが最優先、あっ、、、



既にスミレは戻って来てて、バーレルの中を覗きながら鼻をくんくんさせているじゃあないか!


まったく



「スミレ何処行ってたんや、心配してんで(泣)」


『ぎゅぅぅぅ!!』


「にゅぅ~、ごしゅじんひゃまごめんなしゃい。向こうでリリーに似た匂いがしたから」


「そうなん?でも、今はスミレをぎゅってすんのが先や!」


『ぎゅぅぅ!』


「にゅぅ~♪」



「スミレ、そこに座りなさい。みんなに心配をかけた事は分かっていますね?」


「、、、はい」



あぁ~


スミレが落ち込んでしまった、ニィナもそんなに恐い顔を、、、


ここはちゃんと、あかんもんはあかんと教えんとあかんか


そして俺も反省だ



「ん?主様、どうしてスミレと一緒に座っているのですか?」


「そもそも、俺がスミレから目を離してしまったのが原因なので、凄く反省してます。」




世界で1番平和って言われていた日本でさえ変質者は何処にでも居たのに


誘拐事件が頻繁に起きる世界で俺は何を油断してんねん!



「ねぇニィナ、2人とも反省してるみたいだよ、長い時間反省すれば良いって訳じゃないじゃん」


「ケイト殿はチキンが食べたいだけでは?」


「そっ、そんなことは、、、」



ケイトよ、すまんが今は反省の時間なんだ


だがしかし


時間をかければ良いってもんでも無いか、ちゃんと反省はした!


ここは切り替えて行こう!



「えーっとニィナさん、チキンと同じ店が出してるサラダもあるんだけど、良かったら食べる?」


「っ?!スミレが反省しているのであれば私からこれ以上言う事はありません」



「スミレも反省したやろ?」


「あい!」



良し!


ここはいったんフライドチキンで昼食にしよう♪






つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る