第334話 後片付け
すぃーーっとっと、着地
パラシュートの操作も大分慣れて来たし、案外これで何処でも行ける気がする♪
俺が上空から降りて来るまでに、生きてるオークが居ないか確かめていたケイトとニィナが戻って来た
改めて近くで見ても2人とも無傷みたいで良かったよ
「主様、お見事でごさいました!」
「助かったよダンナァ~♪」
「まったく、無事だったから良かったけど1人で突っ込むとか無茶は止めてくれよケイト」
「うん、ごめんなさい。でもダンナとニィナなら絶対助けてくれると思ったから」
「ケイト殿に何かあればお嬢様が悲しみます」
「そうだぞ、それにケイトは仲間以上に大事な家族だからな、どんな手を使っても絶対助けてみせる!」
「家族かぁ、えへへぇ~♪」
「ゴホンッ、まあ私はさすらいの虎獣人ですから、関係の無い話ですが」
「ダンナ、今はその設定要らへんですやろ!」
「あははは、ノリと勢いは大事だからな。それと黒虎さんの今のツッコミも良かったよ、変な関西弁だったけど逆にそれが良いね♪」
「はぁ~、ダンナのそういう所が未だによく分かんないんだよなぁ」
こういうアホな会話が出来るってのもなかなか良いもんだな(笑)
「主様、倒したオークはどうしますか?冒険者ギルドに持って行けばそれなりの報酬が期待出来ますが」
「騒ぎになりそうだから要らないかな、一応指揮官だけ持ち帰ろうか。結局あいつはキングなの?ジェネラルなの?」
「確認します、死体は何処ですか?」
「向こうで俺が落とした岩の下敷きになってるよ」
「うへぇ~、ダンナって容赦無いよな」
えぇー!
頑張って倒しただけやん、それに魔物に容赦なんてそもそもしないでしょうが
とにかくオークの上に乗ってる岩を回収して、また使う時が来るまで収納に大事に保管して置かなくっちゃ
はい回収っと、うぇっ!
分かってたけど岩で潰れたオークはキモいっす(泣)
「ふむふむ、これは若い個体なので外見に特徴が出ていませんね、だからこそケイト殿も無傷だったのでしょう。もう少し成長していれば危なかったです。」
「まぁ無理して攻撃しなければ逃げるのは難しく無かったとはいえ、改めてキングやジェネラルは驚異だって分かったよ。」
ニィナとケイトがオークの指揮官を調べて話している内容からすると、今回はかなり危険な行動だったみたいだ
奇襲攻撃が完璧に決まったのが良かったんだろうけど
仮に
ゲオルグ様や冒険者ギルドに協力して貰って大部隊で来ても、早い段階で気付かれて待ち構えられたら少なくない被害が出ていたんだろうな
俺は普通のおっさんだから魔物なんて専門家に任せるに限るよ。
「主様、青い魔石が出たのでオークの指揮官はキングでした。ちなみにジェネラルの魔石は緑色をしています」
「へぇ~、魔石って初めて見たけど小さいビー玉みたいだな、これを見せればオークキングが集落を作ってたって信じてくれるかな?」
「主様が侯爵家の客人という事は知られているでしょうから、おそらく問題無いかと」
「じゃあ死体は放置で」
「普通ならオークの死体を放置するなんて勿体無い事しないんだけど、ダンナだからなぁ(笑)」
ケイトに笑われてしまったけれど、なんとでも言ってくれたまえ、金に困って無いのにあんなキモい物を持って帰る理由は無い!
「オークの死体をそのまま放置するのは衛生的によくないから、燃やすか」
「そうだね、他の魔物が集まって来るかもしれないし燃やすのが1番かな」
そうと決まればスキルの「店」で灯油を買ってオークの死体にぶっかけて
着火!
灯油をかけられたオークの死体はよく燃えるなぁ
燃ぉ~えろよ燃えろぉ~よぉ~、オークよ燃ぉ~え~ろぉ~♪
「忘れる所だっけど、オークに拐われた人は居なかったか?」
「大丈夫だよダンナ、ニィナと確認したし気配察知にも反応が無いから」
「それじゃあ、みんなの所に帰ろう!」
「ねぇダンナ、せっかくだし歩いて帰ろうよ」
「何言ってんだよケイト、もうすぐ夜が明けるからパラシュートでさっさと帰らないと朝食に間に合わないぞ」
「ケイト殿はパラシュートが嫌なのですね?」
「だ、だってぇ~(泣)」
「いやいやいや、オークの集落を探してた時は平気だったろ?」
「あの時は必死だったから、、、」
ケイトには悪いけど、こんな山奥から歩いて帰るなんて絶対に嫌だ
俺は無言でニィナに合図を送るとニィナが頷くのを確認する
プランB発動♪
「しょうがない、ケイトは疲れてるだろうから俺がおんぶして帰るよ、遠慮せず背中に乗ってくれ」
「えっ?!良いの♪じゃあ遠慮無く、よいしょっと」
「ニィナ今だ」
「はっ♪」
「ニィナ?これって、、、ダンナまさか(汗)」
俺がケイトをおんぶして、更にケイトの上にニィナがおぶさる
収納から3人の身体に直接ハーネスを装着して、続いてパラシュートも装着!
「悪いけど時間が無いんだ、許せケイト!風魔法発動」
『ブワッ!』
「やっぱり空は、いーやぁーだぁーーーーーー(泣)」
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。