第332話 オーク討伐作戦と帰って来たトラサンダー その2
よし!
迷彩ネットも張って準備完了
あとはケイトからの連絡を待つだけだ。
「忘れる所だったけど、ニィナは双眼鏡を使ってキングかジェネラルが出てきたら教えてくれ、俺は見た事無くて分からないから」
「承知しました」
「あー、、、あー、、ダンナ聞こえてる?」
おっ!
無線機からケイトの声が聞こえる
「感度良好、良く聞こえてるぞ」
「・・・えっと、、、準備出来たよ」
「了解、こっちも準備は出来てるからケイトのタイミングで始めてくれ」
「・・・分かった!」
『カシャンッ』
ゲパードM1対物ライフルに弾丸を装填してと、スコープの照準はとりあえず見張りのオークに合わせておくか
ふぅ~
緊張するなぁ、これが俺の初実戦って事に、、、
今はトラサンダーだからシン・ナガクラとしてはノーカウントだな(笑)
『ヒュー!ヒュー!ヒュー!』
ロケット花火だ!
『パァン、パァン、パァン』
スコープを覗くと見張りのオークが音に驚いたのかフリーズしているのが見える、これはチャンス♪
狙い撃つぜ!
『パシュッ』
消音器を付けた銃よりも更に小さな発射音をさせて撃ち出された氷の弾丸は、見張りのオークの頭に吸い込まれるように飛んでいく
「見張りのオークに命中を確認、さすが主様です!」
うぇっ、キモい(泣)
即死を狙ってオークの頭を見事撃ち抜けたのは良かったけど、血を流しながら倒れるオークは見ていて気持ちの良いものではないのだが
ロケット花火の音に気付いて小屋からオークがゾロゾロ出て来るのが見える
本格的に気持ち悪くなる前にさっさと終わらせよう!
「ニィナ、標的は居たか?」
「まだ見えません、、、居ました!集落の奥、盾を持ったオークの輪の中心で頭に王冠を乗せているのが指揮官です!ここからではキングかジェネラルかの判断は出来ませんが」
「了解!」
ニィナに言われて集落の奥を見ると、木製の盾を持ったオークに四方を囲まれた中に確かに1匹居る!
頭に木製と思われる王冠を乗せているけれど、わざわざ木を削って王冠を作ったのだろうか?
知能が高いと聞いてただけに、なんだか微妙な気持ちになるんだけど
王には王冠が必要だと思い付いて作る時点で、かなり知能が高いって事なのかな?
他のオークと比べると小柄だしスマートだから、まだ成長途中の個体なのかもしれない
ここで逃がすと今日の事を経験として学習し更に知恵を付けられる可能性が高い
なんとしても今ここで倒さねばならん!
俺は息を整えてスコープを覗く
盾持ちのオークに囲まれて直接は狙えないが問題は無い、俺が魔法で作った氷の弾丸はオークの2~3匹くらいなら簡単に貫通する威力がある
だからここで求められるのは指揮官のオークに確実に手傷を負わす事だ、仮にここで逃げられても追跡出来ればどうにでもなるからな
『カシャンッ』
盾持ちのオークごと狙い撃つぜ!
『パシュ』
よし!
指揮官を守っていたオークの盾もろとも弾丸が貫通して行ったけど、どうだ?
「ブモォォォォォォ!!」
うぉっ?!
手傷を負ったオークの叫び声か
「標的の負傷を確認、あれなら遠くまで逃げれませ、あっ!」
双眼鏡で状況を確認していたニィナが呆れたような微妙な表情をしている
「どうしたニィナ?」
「ケイト殿がオークの集落に突撃しています」
「マジで?!」
ケイトは勝手に何をしてんねん!
急いでスコープを覗いてケイト探す
居た!
黒い虎のマスクを被ったケイトが猛然とオークの集落に向かって走ってるのが見えた
俺の狙撃によって見えない所から突然攻撃されたオークが混乱しているとは言え、20匹くらいは居るんだぞ!
「主様!急いで援護に行きませんと」
「分かってるからちょっと待ってくれ、おいケイト!戻れ!・・・」
チッ!
無線機で呼びかけるけど聞いちゃいねぇ!
こうなれば
『ガシャンッ、パシュ、ガシャンッ、パシュ、ガシャンッ、パシュ、ガシャンッ、パシュ、ガシャンッ、パシュ、ガシャンッ、パシュ』
よし!
乱れ撃ちで命中したのは2~3匹程度だけど、これで更に混乱させる事が出来たから少しは時間が稼げるだろう
俺とニィナの身体を収納に入っているハーネスで繋いだら、同じく収納に入っているパラシュートも装着する
全力風魔法、発動!
『ブワッ!』
木に当たらないギリギリの高さ約15メートルくらいまで上昇してから、風魔法を使い一気に水平移動する
山の中を走って行くよりパラシュートでこのまま飛んで行く方が早いはず
俺とニィナが到着するまで無茶だけはすんなよケイト!
つづく。
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