第328話 お茶会

『『シャリシャリシャリシャリ♪』』


「カスミ~、俺もミックスベリーひと口食べたいなぁ~」


「あっ、はい、どうぞ」


「ありがとう、あーんっと、旨っ!めっちゃベリーやな♪」


「はい、めっちゃベリーです(笑)」




「あのうナガクラ殿、食べてる最中に申し訳無いのだが少し良いだろうか?」



むむっ!


カスミと一緒にガリガリかき氷を食べながらまったりタイムを堪能していたのに、侯爵家の料理人に声をかけられてしまった



「何か用でしょうか?」


「その氷菓子が凄く気になるので、お金を払うから試食させて貰えないだろうか?」


「お金は要りませんけど残りが少ないので試食はどれか1個だけになりますね、どの味にします?」


「味とは?」


「あぁ~、とりあえず見た目の色で適当に決めて下さい」


「では、、、黒色をお願いする」



おおっ!


コーラ味を選択するとはやりおるな(笑)


あまり知られて無いけどコーラってスパイスで作る事が可能だから、この世界でも再現は出来ると思う


少なくともソーダ味より簡単だろう。


あとは炭酸が必要だけど魔法でどうにかなりそうな気はするんだよな


是非ともコーラを作ってピザとコーラの最強コンビを誕生させて欲しい!



「どうぞ、コーラ味のかき氷です。」


「コーラが何かは分からんがとりあえず食べてみよう、いただきます」


「「「「「いただきます」」」」」




おおっ!


ここの料理人さん達は仲良くひと口ずつ味見をするみたいだ、揉めないのはとても喜ばしいんだけど


そうなると、アリエス辺境伯家の料理長であるセルジオのとっつぁんと、愉快な料理人さん達の


毎回文句言って殴り合ってドタバタしてたのがとても懐かしい


そして、それを求めている自分が居るんだもんなぁ(笑)




「ナガクラ殿、この氷菓子はいったいなんなんだ!」



おぅふ


なんなんだって言われても氷菓子ですやん



「それは氷を削った『かき氷』という甘味です、レシピ渡すんであとはそれ見て頑張って下さいね


カスミ、そろそろソレイユ様のお茶会に行くでぇ~♪」


「はーい」




「ちょっ、ナガクラ殿ぉーー!」



背後で何やら言っている気がするけど、料理人という人達の話に付き合うと長くなっちゃうから


今は無視だ!



あれ?


隣を歩くカスミが何故か鍋を持っている



「カスミ、その鍋どうしたん?」


「料理人の方から、お豆腐が出来たから試食して下さいって渡されました。」


「へぇ~、ちゃんと出来たんや、それもお風呂上がりにみんなで試食やな」


「はい、楽しみです♪」



いざ


お茶会へ!






今日は天気が良いから侯爵邸の庭でお茶会をするって言われたから向かっているんだけど


あったよ


元世界にあればSNS映え間違い無しの、おしゃれなカフェのような建物が見える


普通に住める大きさの建物を庭に作るとか、やはり貴族というのは住む世界が違うと実感するよ



「お待たせしましたソレイユ様、マリーナ様、エレーナ様、ミレイユ様」


「やっと主役の登場ね♪さぁさぁ、カスミさんも座ってお茶会を始めましょう」


「ソレイユ様にリクエストされていた甘くないお菓子としてポップコーンをお持ちしました


それと氷を削った『かき氷』という甘味です、溶けないうちにどうぞ」


「それではさっそく、いただきます」


「「「いただきます」」」


『『『『シャリ』』』』


「「「「まあっ♪」」」」




ふふっ


予想通り『かき氷』は驚いて貰えたようだ

、氷さえ用意出来ればここの料理人でも作るのは然程難しくは無いだろう


それと意外だったのは、カスミ、マリーナ様、エレーナ様、ミレイユ様が仲良くお喋りしている事だろう


話の内容がカスミが普段食べている物や、使っているシャンプー等についてなのは仕方ないかな


それでもカスミを質問攻めにするんじゃなくて、上手く話の流れの中で聞いてるんだから流石だなと思う


カスミと仲良くする事で色々と情報収集も兼ねてるのかもしれんけど、今更知られて困る事はあんまり無いし


カスミも俺みたいなおっさんと話すより、同年代の方が会話も弾むってもんだよ



「あらあら、今のシンさんは娘を心配する親の顔をしているわよ」



おっと


いつの間にやら俺の隣にソレイユ様が座っているよ



「カスミは私の大事な家族ですから」


「それじゃあ、大事な家族を増やす気は無いかしら?」


「えぇーと、さっぱり意味が分からないのですが」


「もう!こういう時だけシンさんは鈍感なんだから、それがシンさんの良さでもあるんだけど


シンさんは奥さん何人ぐらい欲しいの?」


「は?、、、奥さんは1人で充分ですよ」


「それならとりあえず第5夫人くらいまでね♪」


「えっ?ちょっ、ちょっとお待ち下さい!第5夫人って何ですか?第5夫人って(汗)」


「第1夫人はいわゆる奥さんの事で家庭の事を中心にするけれど、第2夫人以降は自分で商会を作って経営するのも珍しく無いのよ


だから第2夫人からは商会でバリバリ働いて貰えば良いわよ、何なら支店を任せても良いんだし♪お妾さんとは別だから間違えないでね」



それなら良いか、ってそんな訳あるかぁー!


これは暗に池田屋商会の支店を出せって言われているのだろうか?


将来的には支店を出しても良いけど、第2夫人だか何か知らんけど


それを許すとマジで王国中から女性を送り込まれる事態になりかねんから断固許否、、、


は出来そうに無いから(汗)


ここは新作の冷やして美味しいお菓子


T○KYOばな奈っぽいロールケーキを出してお茶を濁そう


お茶会だけにな!


元世界の銘菓の実力、とくと御堪能あれ♪






つづく。

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