第323話 お小遣いを稼ごう♪
たまたま見付けた戦闘糧食を売ってお小遣いを稼ぐ為に
ケイト、カスミ、スミレの3人と一緒に冒険者ギルドに向かっている。
既に充分過ぎるほどに稼いでいるから、サウスビーチでわざわざお小遣いを稼ぐ意味は無いんだけど
俺が色んな商品を売る事で、誰かが模倣品を作って売ってくれないかと期待している。
料理も芸術も剣術も、最初の1歩は模倣から始まると俺は考えていて、ここから新たな発想が産まれて新商品を作るきっかけになれば良いなぁって
凄く地道な作戦ではあるけど、こういう事の積み重ねがいずれ実を結ぶと信じてやるっきゃない!
「ご主人様」
「カスミどうしたん?」
「あそこにヤン先生が居ます、声をかけますか?」
カスミが指差した方を見ると確かにヤン先生が居る、しかも屋台の肉串をじっと見つめてお腹が空いてるのだろうか?
「おーい、ヤン先生ー!」
「誰かと思えばナガクラ君じゃないか、相変わらず元気そうだね」
「お陰様で元気ですけど、ヤン先生は少し元気が無いように見えますよ」
「それはナガクラ君のせいかなぁ」
「え゛っ、もしかして俺のせいで何かトラブルに巻き込まれたとか?!」
「それは無いから安心してよ。
実はナガクラ君の美味しい料理を食べ過ぎたせいで屋台の食べ物だとどうしても、、、味がね
だからと言って高級なお店に行くお金も無いし、食欲も沸かないし」
「あぁ~、なんかすいません。良かったらコレどうぞ」
「また君は不思議な物を」
「中身はアップルシナモン味のお菓子なので甘くて美味しいですよ」
俺がヤン先生に渡したのは戦闘糧食に入っていたエナジーバー(アップルシナモン味)
エナジーバーと言うだけあってカロリーが凄いから食べずに残しておいた物だ
『ガシッ!』
っ?!
「ナガクラ君、今シナモンと言ったかい?」
「言いましたけどそれが何か?」
何故かヤン先生にチカラ一杯ガッツリ腕を掴まれてしまっているけれど、それはよくある事だからまあ良い
ただし、鼻息を荒くして顔を近付けるのは止めて欲しいなぁ(汗)
「はぁ、ナガクラ君に薬師の常識を求めても意味は無いか」
「ヤン先生のその反応だとシナモンも薬の材料みたいですね、でもシナモンを使ったお菓子は美味しいんですよ♪」
「ナガクラ君って初めて会った時からそんな感じだったよね」
うーむ
ヤン先生の反応が少し引っ掛かるけど、微妙な反応をされるのにも慣れたよ(笑)
「ヤン先生そのお菓子早く食べてみて下さいよ、新商品なので感想が聞きたいんです。」
「そうなの?じゃあ遠慮無く頂こうかなベリッと、スンスン♪確かにシナモンだね、あーんっ、もぐもぐもぐもぐ」
「味はどうですか?かなり甘いと思うんですが」
「そうだね、とても甘いけど美味しいよ♪ナガクラ君はこのお菓子を貴族に売るつもりなのかな?」
「いえ、冒険者とか行商人に売ろうかと思ってるので、とりあえず冒険者ギルドに売りに行く所なんですよ」
「、、、そう」
最早これもテンプレ展開なのかヤン先生が頭を抱えてしまった
いつもならお菓子を食べて落ち着いて貰うんだけど、お菓子を食べてこうなった場合はどうすれば(汗)
とっ、とにかくこんな時はスキルの「店」に何か、、、あった!
「ヤン先生、こっちのお菓子も美味しいですよ」
「また君は新しい物を、、、まぁ良いや、あーんっ、、、きゅふゅっ?!酸っぱ!ナガクラ君これ酸っぱ!」
ほぉほぉ、『超・酸っぱラムネ』の威力はなかなかだったな
俺も見てるだけで顎がキュッてなってるもの
「ヤン先生も元気が出たみたいですし、俺達は冒険者ギルドに行きますのでそれでは!」
「ちょ、ちょっと待って!私が食べたお菓子を売りに行くんだよね、それって冒険者ギルドじゃなきゃ駄目なのかな?」
「高値で買ってくれるなら誰に売っても良いですけど」
「それなら薬師ギルドに売って欲しい!」
「構いませんけど、薬師ギルドがお菓子なんて買ってどうするんです?」
「普通に携帯食として欲しいだけだよ、薬師は私みたいに薬草を探して旅をするから、美味しい保存食や携帯食は沢山欲しいんだよね」
「なるほど、それじゃあさっそく薬師ギルドに行きますか、れっつごー♪」
「「「「おー!」」」」
つづく。
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