第321話 旅6日目(もふもふ補充)
「ご主人さまー、70になったー!」
「あいよ~、そしたら火を消して、スミレはそのままゆっくり木ベラで混ぜといてや」
「あい!」
「そしたら行くで、にがり投入!」
『・・・』
「どうや?」
「あっ!固まって来たー!」
「よし、このまましばらく放置したら完成♪」
「「「「「おおっ!」」」」」
「本当に液体で固まるとは、我々にはまだまだ学ばねばならない事があるんだな」
「それは今よりもっと美味しい料理が作れる可能性があるって事ですからね、頑張って下さい!」
「くぅーー!正直に言うとナガクラ様のような若造にここまで言われると腹が立って仕方無いのだが、反論が出来ん自分にも腹が立つ!
野郎共!ナガクラ様より旨い豆腐を作って、サダルスウド侯爵家の料理人の意地を見せるぞ!」
「「「「「うぉーーー!!」」」」」
うーむ
貴族に仕えてる料理人というのは、気合いの入った人じゃないと務まらないのだろうか?
今日はスミレと一緒に豆腐の作り方を侯爵家に仕えてる料理人さん達に教えている
朝食の時にワイン樽いっぱいに入れられた『にがり』を持って来てくれたからだけど、そんな大量には要らんです(汗)
という事で実際に豆腐を作って見せていたのだけど、俺とスミレが作った豆腐は少しズルい作り方なんだ
大豆をひと晩水に浸してからすり潰して豆腐を作るのは、手間隙が凄くかかる
いや、本当に大変なんだよ!
マジで豆腐屋さんには感謝しかない、元世界で俺が億万長者だったら即豆腐屋に資金提供して
待遇を改善するぐらいには感謝だよ!
俺とスミレではそんな大変な作業は出来ないから、家庭でも短時間で簡単に作れる『豆乳豆腐』にチャレンジしてみた
まずはスキルの「店」で成分無調整豆乳を購入。
豆乳を鍋に入れて70度くらいまで温めてから『にがり』を入れて優しく混ぜる、塊が出来てきたら30分ほど放置してから
水気を切れば『おぼろ豆腐』の完成だ♪
型に入れてから重しを乗せて水分を抜けば、絹ごしとか木綿豆腐の硬さにも出来るから、この辺はお好みでどうぞ!
『むにゅ』
むむっ!
この背中に当たる柔らかい感触は、、、
「ねぇダンナァ、豆腐出来たのぉ~?」
やっぱりケイトだったか、俺の背中にくっついて来て肩越しに鍋の様子を見ているけど、お前はお母さんに甘える子供か!
「もう少しかかるけどケイト、背中にくっつかれると暑いんだが」
「今日はあたしがダンナの護衛だから近くに居ないと駄目じゃん」
「だからって近過ぎだろ」
「ダンナと離れるとお茶会に誘われそうだから絶対離れない!」
どうやらケイトは昨日ソレイユ様に誘われたお茶会で疲れた事が、ちょっとしたトラウマになっているみたいだ
今日もメリルがソレイユ様にお茶会に誘われたけど、ニィナに護衛を代わって欲しいって必死で頼んでいたからな(笑)
当然ながら俺もお茶会には誘われたけど、仕事があるからという事で丁重にお断りしておいた
だから今日はメリルとニィナだけでお茶会に参加している。
メリルは意外とお茶会が楽しいらしいし、ニィナもたまにはメリルと一緒に居たいって事だからあっちは大丈夫だろう
ちなみに、カスミとスミレも今日は俺と一緒にいるけれど、これは単純に俺がもふもふ不足だったから2人と一緒に居たくて我儘を言ったんだ
こっちはこっちでやる事があるから、のんびり遊べないのは残念だけど(悲)
「カスミ~、そっちはどうや?」
「はい、ちゃんと出来たと思うんですけど」
今、カスミが作っているのはホワイトソースだ、カニが沢山捕れたらカニの身を贅沢に使ったカニクリームコロッケが食べたいと思って
カスミにホワイトソースの作り方を教えて、練習も兼ねて作って貰っていたんだ
「それじゃあ味見を、ペロッと、、、うん、旨い!ありがとうなカスミ」
「ごひゅじんひゃま、くしゅぐったいれす」
ふふふ、久し振りにカスミのほっぺをむにむにしてみるけど、やっぱカスミのほっぺはスベスベで気持ちええなぁ♪
「スミレー♪」
「ご主人さま~♪」
今度はスミレをもふもふしてあげる
スミレのもふもふ尻尾も良いんだけど、毛が短いけど意外と耳のもふもふ具合いも良いんだよ♪
「ねぇダンナァ、暇だからあたしもかまってよぉ~」
「いやいや、ケイトは大人なんだから自分で暇潰ししてくれよ。それにケイトはもふもふする所が無いだろ」
「んー、もふもふかぁ」
ケイトが真剣に考え出したけど放っておくと「胸ならもふもふ出来るよ♪」とか本気で言い出しそうだからその前に
スキルの「店」で良い物を見付けたから売れるかどうかも含めて、みんなで検証作業でもしますか♪
つづく。
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