第318話 お詫びは大事
ニィナと一緒に夕暮れ時の簀立て漁を見学して侯爵邸に帰ってきた。
簀立て漁が終わってから夕陽を見ながら2人で浜辺を歩いていたら、思いのほかニィナが嬉しそうにしていて
更に惚れたけどな!
なんとなくデートっぽい事が出来たし俺は満足でござる。
このままキャラバンシティに帰りたい気分だけど、もう少しだけやらないといけない事がある
その前に
部屋のベッドでぐったりしているケイトが心配だ
ぐったりしている理由はなんとなく分かっているからこそ、ここは俺から話しかけなければならない
「おーいケイト、大丈夫かぁ?」
「あたしを置いてくなんてひどいよダンナァ(悲)」
「今回は本当に悪いと思ってる。でもメリル達だけにはしておけなかったから」
「それはあたしも理解してるけど、、、」
「とりあえずシュークリーム食べて元気出してくれ、今日は特別にケイトの好きな夜食と酒を用意するから」
「やったぁーー!」
「シュークリームはみんなの分もあるから一緒に食べよう」
「「「「わーい♪」」」」
「夕食前だから1人1個な」
「「「「「はーい」」」」」
ほっ
とりあえずケイトが復活して良かった
今回は本当に悪いと思ったから、スキルの「店」で高級なシュークリームを探して購入しておいたんだ♪
ケイトがぐったりしていた理由は俺とニィナが出掛けていた昼間に、ソレイユ様達からお茶のお誘いがあって女子会らしき事に出席していたせいだろう
ケイトはじっくりお茶を楽しむタイプでも、長時間のお喋りを楽しむタイプでもないから、それに付き合わされただけでも疲れるのに
今回は相手が侯爵夫人とその娘さん達だから、気を使って相当疲れたんだろうな
夜食はケイトのリクエストを聞いて好きな物を用意してあげよう。
◇ ◇ ◇
現在、俺と我が家のみんなはゲオルグ様達との夕食を終えて部屋でまったり中。
夕食のメニューは前回俺が来た時にレシピ登録した料理が中心だった。
どうやら侯爵家の料理人さん達が、俺にこの1年の成果を見て欲しくてゲオルグ様に頼んだらしい
メニューは
魚のフライ、煮魚、つみれ入りスープ、ブルスケッタ、ミカンの寒天ゼリー
どれもとても美味しゅうございました。
だがしかし
ブルスケッタがあった事には驚いた!
これはレシピ登録してないからオリジナルで作った事になる
ガーリックトーストに白身魚のマリネとトマトが乗っていて、マジで旨かった♪
料理名がまだ無かったから、そのまんま『ブルスケッタ』での登録を勧めておいた。
他にも色々と試作はしているらしいけど、今回は特に自信がある物に限定したみたい
ブルスケッタを思い付くんだから他の料理も期待出来るはず
いずれ食べさせてくれるのを待つ楽しみが出来たし、引き続き頑張って欲しい。
さてさて
今宵も暗躍のお時間です♪
前回同様に何かを企むとかでは全然無いけど、雰囲気作は大事(笑)
今回は、メリル、ニィナ、カスミ、スミレが揃ってサダルスウド侯爵家で働く皆さんに差し入れを持っていく
去年来た時も差し入れを渡してとても喜ばれたから、心配するような事は無いだろう。
我が家のみんなも侯爵家で働く皆さんもお互いに知ってる仲だし、廊下でメイドさんとすれ違う時も素敵な笑顔で会釈してくれるし、、、
まぁ色々と期待も込めての笑顔なんだろうけど(笑)
差し入れの内容はステフ様の所で渡した物とほぼ同じにした
万が一にも差し入れの内容が違う事で、サダルスウド侯爵家とアリエス辺境伯家の関係に亀裂が入るのを防ぐ為だ
他の貴族ならそこまで気にしないけど、中立派貴族とサダルスウド侯爵家には最大限の気遣いが必要だろう。
気遣いをした分は他の何かできっちり返して貰うんだけどな。
お互いが平等に利益を得るウィンウィンな関係であるからこそ、何かがあった時には多少の損は覚悟で助けてくれると信じている
そして、俺と良好な関係を長く続ければ続けるほどに、一時の損なんてどうでもよくなるくらいの大きな利益を得られる
という事を他の貴族にも示せれば、面倒事も少なくなるんじゃないかと期待してみたりもする。
さてと
今夜は約束通り、ケイトにお詫びの酒と夜食とお菓子を用意しないといけないから、侯爵邸の廊下をケイトと2人で歩いている
「ふんふんふっふ~ん、ふふんふ~ん♪」
さっきからケイトはご機嫌だな(笑)
今日はケイトにお詫びとして、お高い酒を飲ませる約束だからそりゃあテンションも上がるか
そして、せっかくならゲオルグ様も誘って一緒に飲みたいってケイトが言うから
2人でゲオルグ様の執務室に向かって歩いている
去年来たときに何故かケイトとゲオルグ様の気が合って仲良くなってたんだよな
おっと
そんなこんなで着いちゃったよ。
『コンコンコン』
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。