第306話 女性の笑顔は神様からの贈り物♪

さてと


ゲオルグ様に会いに領主邸に行きまっせ!



貴族の邸を訪ねる時は先触れを出して都合を伺うのが普通というか礼儀だ


ましてや相手が侯爵という上級貴族であり領主なら尚更先触れが必要になる


それじゃあ俺が行く場合は誰が先触れに行くんだ?と考えてみる


答えは


我が家の誰が行こうとも心配だから俺も一緒に行く!




という事でみんなでゲオルグ様の邸の前までやって来ました♪


まあ俺達が来る事は手紙で伝えてあるし、もし都合が悪くても出直せば良いだけだ


まずは門兵に話して取り次いで貰わないといけない、はっきり言ってここが1番緊張するんだよ(汗)


とりあえず先程から俺達を訝しげに見ている門兵に声をかけよう




「こんにちは」


「先に言っておくが領主様に直接何か陳情に来たなら会えないぞ、先ずは何処でも良いからギルドに行って手続きをしてくれ、そうすれば領主様宛に陳情書を送ってくれるから」



あぁ~、やっちまったなぁ、私服で来たから門兵が俺達の事を普通の平民だと思ってしまっている


平民で間違いは無いんだけど『平民』と『金持ちの平民』では信用度が全然違うんだよな、一応それなりの服は着ているんだけど


本物の貴族を見慣れていそうな門兵にはあまり効果は無かったか



「えぇーと、私達は陳情に来た訳では無くてですね、領主様と約束があるので取り次いで欲しいんですよ


私は池田屋商会会長のシン・ナガクラと申します。これ私のギルドカードです、どうぞ確認して下さい。」


「池田屋商会だと?!一応確認するが俺を騙して領主様に会うつもりなら重罪になるから止めておけよ」


「そんな事はしませんよ、それで取り次いで貰えるのでしょうか?」


「うむ、カードも本物のようだしここでしばしお待ちを!」



ほっ


やっと取り次いで貰えたよ


服装もだけど、やっぱり徒歩で来たのも良く無かったか


ゲオルグ様とは知り合いだからって油断したなぁ、ステフ様の所ではジュリアさんが送ってくれたからスムーズに会えただけだもんな


次から貴族の邸に行く時は忘れず馬車を借りよう!




おっと、先程取り次ぎの為に邸に走って行った門兵が帰って来た。



「はぁ、はぁ、、、お待たせ、、しました!、、、先程の失礼な態度を謝罪致します、申し訳ありませんでした!」


「いえいえ、門兵としての仕事をしだけですので謝罪は不要です。むしろ相手によって態度を変えるようなら門兵としての信用を失いますし、そのような者を門兵として使っている侯爵様の名前に傷が付く事になりかねません。相手が貴族だと面倒な事になるので難しい対応を迫られると思いますが


これからも門兵としての誇りを忘れず励んで下さい!」


「池田屋商会の会長様が、おっ、俺みたいな下っ端の門兵に勿体無い御言葉、ありがとうございます!」



あぁ~、この門兵さんもキラキラした目で俺を見てくるけど、勘弁して欲しいなぁ



「えぇーと、邸に行っても良いんですかね?」


「勿論です!執事のセバス様がお待ちですのでどうぞお通り下さい!」



門を通り邸に向かって歩いて行くと、扉の前に執事のセバスさんが立っているのが見えた




「ナガクラ様、ようこそおいで下さいました。旦那様と奥様がお待ちですのでどうぞ中へ」


「はい、では失礼します。」



セバスさんが開けてくれた邸の扉をくぐるとそこには



『ぎゅぅぅぅ!』



むむっ?!


俺の顔に当たっている懐かしいこの感触、アストレア様より弾力がありつつも程よい柔らかさを兼ね備えているハイレベルなお胸の持ち主と言えば


ゲオルグ様の奥さん、ソレイユ様のお胸だーーー!!



などと冷静に分析出来ているということは、この1年で俺も成長したんだと思うととても感慨深い


こういう成長は全く望んでないけど拒否なんて出来るはずも無いからこれからも俺は


お胸経験値を獲得し続けるんだろうなぁ(悲)



「シンさんに久し振りに会えて、私とっても嬉しいわぁ♪」



お胸で口が塞がっているので声は出せませんが、私もソレイユ様と会えて嬉しいです。


なので綺麗な花畑が見える前に解放して下さい。



「ソッ、ソレイユ、そのままではシン殿が(汗)」


「ん?、、、あら♪ごめんなさいねシンさん、大丈夫かしら?」


「ぷはぁっ、はぁ、はぁ、、、はい、問題ありません、ソレイユ様の優しさを存分に感じられて幸せですから」


「まぁ♪それじゃあ積もる話もある事だし、ここじゃあゆっくり出来ないから部屋に案内するわね♪


お連れの皆様も旅で疲れてるでしょうから夕食まではゆっくりしていて頂戴、案内は任せたわよセバス」


「かしこまりました」



「それじゃあ行きましょうかシンさん♪」


「あっ、はい、、、」



ソレイユ様に引きずられるように連れて行かれるのは、、、まあ良い


ソレイユ様と一緒に出迎えてくれたはずの侯爵家当主のゲオルグ様が完全に空気になっていて、誰も相手をしていないのは駄目な気がするのだが(汗)



大丈夫みたいだな


楽しそうなソレイユ様を見てるゲオルグ様はとても幸せそうだもの


ゲオルグ様も愛する女性の笑顔が見られるだけで幸せになれる男だったか


そこに関しちゃ俺も負けませんけどね!


ここは仲良し夫婦に譲りますから存分にソレイユ様の笑顔を楽しんで下さい♪






つづく。

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