第301話 カレー記念日♪
サウスビーチに着く前にお昼ご飯の時間になったので、街道沿いの少し開けた場所にトゥクトゥク自転車を停めてお昼ご飯の準備開始だ。
ヤン先生が居るから俺のチート能力は使いづらいけど、だからと言って食事を妥協する気は無い!
そんな事をしたら我が家のみんなが悲しむからな
とは言え
あまり手の込んだ料理は面倒だからお湯で温めるだけで良いレトルトカレーにして、トッピングで豚カツと目玉焼きがあれば腹ぺこ娘達のお腹も満たせるだろう
レトルトカレーは俺がこの世界に転生した当初、メリルと2人で女将さんの宿に泊まっていた時に食べた懐かしの料理だ♪
お藤お母さんがスパイスを使った料理を作ってくれるお陰で、それほどカレーを食べたいと思わなかったのもありこの世界に来て今日が2回目のカレーになる
だから我が家のみんなにとって今日はカレー記念日♪
さてと
カレーのルウはお湯で温めるだけだし、米と豚カツも出来立ての熱々が俺の収納にたっぷり保管されているからあとは目玉焼きを作るだけだ
「ヤン先生は目玉焼きの焼き加減どうします?」
「えぇーっと、動物の目玉は薬の材料として使う事もあるから見慣れてるけど、お昼ご飯に食べるのはちょっと嫌かも(汗)」
この国に『目玉焼き』なんて料理は存在して無いのをすっかり忘れてたよ、ついでに生食や半熟も食中毒の危険があるから絶対に食べない
創造神様に聞いたらこの世界の卵には付着した菌等を殺菌するチカラがあるらしく、安心して生で食べられる事を確認している
だから生食も普及させたいんだけど、元世界でも日本とか限られた国以外では抵抗感が凄くて卵の生食は身体が受け付けないって人はたくさん居たくらいだから難しいだろうな
「ヤン先生、目玉焼きは卵料理なんで安心して下さい。とりあえず食べてみて駄目なら残して貰って良いんで
そしたらカスミ、人数分の目玉焼き頼むな、焼き加減は全員半熟で」
「はーい♪」
あとはカレーのルウが温まるのを待つだけだ
「ねぇダンナ、お昼ご飯って鍋で煮てるその袋なの?」
「そうだけど、、、ちょっと待ちなさいよケイト、俺が袋を食べさせると思ってるのか?」
「そっ、そんな事は無いと思うけどダンナだからもしかしたら食べられる袋なのかなって(汗)」
チート能力を持ってたり神様と話せるびっくり人間の俺でもさすがに食べられる袋とか無理があるだろ!
レトルト食品は今までも、、、あっ!
今まではちゃんと袋から出して鍋で温めてたっけ
調味料や食材を追加してひと手間加えてから食卓に出してたから、料理をしないケイトはレトルトの袋は見た事無かったか
今回は洗い物を減らす目的もあって袋のままお湯で温めてるからな
「よしケイト!ルウも温まったから袋から出して米にかけてくれ」
「あいよ~、、、ってスゲェー色なんだけど?!」
「でも良い匂いだろ?」
「スンスン『ぐぅ~~』ダンナ早く食べよう!!」
「はいはい、豚カツはたくさんあるから好きなだけ乗っけて良いからな、それじゃあいただきまーす」
「「「「「「いただきまーす♪」」」」」」
1度食べた事があるメリル以外のみんなは、最初はカレーの色で戸惑ってたけどバクバク食べてるから問題は無さそうだな
「ヤン先生目玉焼きはどうですか?」
「凄く美味しいよ!それにこのカレーって言う料理も不思議な色と匂いだけど、目玉焼きのトロッとした所と混ざると、、、とにかく美味しいよ!」
「気に入って貰えて良かったです♪ついでに言うとカレーにはスパイスがたくさん使われていて、元々は薬膳料理だったらしいですよ。」
「えっ?!スパイス?!薬膳料理?!」
「カレーに使われてるスパイスは、ターメリック、クミン、コリアンダー、カルダモン、チリペッパー、を基本にして更に別のスパイスを追加してアレンジされてたりもしますね」
「どっ、どれも薬としてよく使われるスパイスだよ、私がよく使うのはターメリックとチリペッパーだけど恐ろしく苦い薬にしかならないのに、カレーには甘さもあるのは何故なの?」
「主に野菜の甘みですね、人によってはハチミツを入れたりしますけど」
「野菜とハチミツ?そうか野菜とハチミツか!野菜とハチミツ、野菜とハチミツ、、、」
何やら考え込んでしまったヤン先生はいったん放置するとして
「みんなはカレーどうだった?」
「色はちょっとアレだけど、スゲェ旨かったよ♪」
「目玉焼きとの相性が最高だと思いました!」
「野菜の旨味が良い仕事をしていました!」
「おにいちゃん!カレーは豚カツ込みで販売したら人気出るんじゃないかな?」
「材料が安く手に入るなら売っても良いよ」
「やったぁー!キャラバンシティに帰ったらミリーさんとアルさんに聞いてみるね♪」
ふふっ、メリルのこんなに良い笑顔を見るのも久し振りだな♪
しかしスミレだけ表情が暗いのが気になる
「スミレはカレー美味しくなかった?」
「凄く美味しかった♪ゲップ、、、うーん」
なるほど、スミレが大皿に残っている豚カツを悲しそうな目で見ているから、お腹いっぱいだけどまだまだ豚カツを食べたいのね(笑)
カツカレーの豚カツってどうしてあんなに美味しいんだろうな、カツサンドやカツ丼とは全く違う美味しさだもの、満腹だけどおかわりしたいスミレの気持ちもよく分かる!
「みんながカレーを気に入ってくれたのは嬉しいけど、サウスビーチに行ったらカレーにエビフライ乗せるのも良いな♪」
「「「「「エビフライ?!」」」」」
「ヤン先生ー!いつまでも考え事をしてると置いて行きますよー!」
「え?、、、いや、ちょっと待ってよ、私も一緒に行くからー!!」
「それじゃあサウスビーチに向けてしゅっぱーつ!」
「「「「「「おー!」」」」」」
『チリンチリン♪』
つづく。
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