第294話 ケイトvsリィファ
ニィナとエミールさんの手合わせは引き分けに終わったけど、お互いに出来るだけ怪我をしないようにという考えから、ある程度勝負の方法を話し合っていたらしい
なんにしても怪我が無いのが1番だよ。
「うにゃぁ~、あんた強いにゃあ、まさかあんにゃ早さで二撃目が来るとは思わなかったにゃ!」
「エミールさんも、しなやかな身のこなしは素晴らしかったです!」
「そっ、そうかにゃあ(照)」
おおっ!
エミールさんとニィナが何やら楽しげに会話をしている。やはり剣を交えた者にしか分からない何かがあるんだろうな♪
さてさて、次はケイトと銀髪のリィファさんの番だけど
「ちょっと待てケイト!どうして浮島で手に入れたハミングバードの剣を持ってんだよ!リィファさんも真剣を持ってるし」
「心配しなくても大丈夫だよダンナ、あたしらもちゃんと話し合ったからさ♪」
「だからって真剣は駄目だろ!木剣でやりなさいよ、木剣で!」
「本当に心配しなくても大丈夫だって、あたしらがやるのはコレだからさ」
『ピンッ』
おっとっと、、、キャッチ♪
ケイトが指で弾いて寄越した物を見る、銅貨?
「銅貨で手合わせって意味が分からないんだが」
「まぁ見ててよ、直接剣でやり合う訳じゃないからさ♪」
直接剣でやり合わないなら怪我はしないだろうから良かったけど、どうやって勝負するんだろ?
「第2試合始めようか、勝負の方法はなるほど銅貨とは良い方法を選んだね♪どっちが先手か決まってる?」
「ここはケイトさんが好きな方を選んで下さい」
「あたしは後手にするよ」
「では先手リィファ、銅貨は私が投げるから準備が出来たら合図を」
いよいよ始まるみたいだ、審判役のステフ様が銅貨を投げるって事は、銅貨を剣で斬る勝負なのだろう。
「ふぅー、、、ステフ様いつでもどうぞ」
「行くよ、、、」
『ピンッ』
ステフ様が銅貨を投げた!
リィファさんの頭上3メートルくらいの所から銅貨が落ちてきて顔の前に銅貨が来た時、リィファさんが動いた!
『ヒュヒュヒュヒュンッ!』
早い!
なんとなくしか見えなかったけど4回斬ったか?
銅貨は、、、スゲェ綺麗に8等分になってるよ(驚)
「ふむふむ、リィファは4回斬って8等分だね。次はケイトさんの番だよ、準備が出来たら合図してね」
次はケイトの番だけど、めちゃくちゃ真剣な顔をして気合い入りまくりだな
リィファさんには悪いけどスピードはケイトの方が断然上だ、今のケイトはハミングバードの剣の効果で素早さが上がっているけれど
たとえハミングバードの剣を持っていなくても、俺はケイトの剣筋が見えた事は無い
早さ勝負ならケイトの勝ちは確定だろう、だからケイトがあんなに気合いを入れるのにはどうにも違和感がある
「ふぅ~、、、ステファニー様良いよ」
「行くよ、、、」
『ピンッ』
投げた!
リィファさんの時とほぼ同じ軌道で銅貨がケイトの前に落ちてくる
銅貨が顔の前に来た、、、けどケイトは全く動かないだと?!
そのまま落ち続ける銅貨
おいおい、いくらケイトでもそんな低い位置から4回以上斬れるのか?
『キーーーーン』
っ?!
きゅっ、急に耳鳴りが!
周りを見るとこの場に居るほぼ全員が耳を押さえている、いったい何が起きたんだ?!
「斬撃を飛ばした?」
なんだと?
リィファさんがアニメでしか有り得ない事を呟いたんだが、既にケイトはリラックスしていて満足そうな顔をしている
全然見えんかったけどいつの間に銅貨を斬ったんだよ
空気を斬り裂くくらいの早さだったから耳鳴りがしたとでも言うのか?
それより銅貨はどうなった!
あった!
しかし、、、
斬れて無いだと?
地面に落ちていた銅貨は原型を留めたまま何の変化も無い
どーゆー事なの?
「へぇー、こりゃ凄い!ナガクラ君も見てみなよ」
銅貨を拾ったステフ様が何やら関心しているけど俺には何が何やらさっぱりだよ。そしてステフ様に渡された銅貨を見てもやはり何が何や、、、ら?!
触っていた銅貨が2枚に増えた!いや、横からスライスして2枚にしたのか(驚)
だけどちょっと待ってくれよ
ケイトの持ってるミスリル製の剣は細身の長剣とはいえ、刃の部分と銅貨とを比べれば、刃の部分の方が厚みがあるんだ
なのにもかかわらず銅貨を横からスライスするとか、早さがどうとか関係無くね?
「まさかケイトさんが斬撃を飛ばせるとは驚きました」
「凄く頑張ったからねぇ♪」
「頑張ったからと言って簡単に出来る事では無いでしょう。しかも剣先からキッチリ銅貨1枚分だけだなんて、負けたのに呆れて悔しくありません(笑)」
おおっ!
という事は
「勝者、ケイトさん!」
「「「「「わぁーー!!」」」」」
『『『『『パチパチパチパチパチパチ!!』』』』』
つづく。
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