第267話 旅立ち/しばしの別れ season2

季節は秋


天気は快晴


ともに旅する仲間も居る


季節良し♪


天気良し♪


仲間良し♪


三方(さんぽう)良しの旅日和!


今日はいよいよゲオルグ様に会う為にサウスビーチと


王国十二家、1人目の仲間を作りにアリエス辺境伯領に旅立つ


とは言え、ステファニー・フォン・アリエス辺境伯とは、お互い初顔合わせの挨拶をするだけだからどうなるかは分からんけど


辺境伯領の名物となるような料理や菓子のレシピを幾つかプレゼント出来ればと考えている。



前回旅に出た時と同様にキャラバンシティの南門には見送りに来てくれた人達が集まったのだが、さすがに集まり過ぎじゃないかな


こども園の子供達と、ウチの従業員が勢揃いなのは仕方無いとして、ドワーフの皆さんに、ロブさんと門兵さん達


商会で専属契約してる冒険者の皆さんもわざわざ来てくれている



そして、集まった人達の中でも異彩を放っているのが娼婦のお姉さん達だろう、なんやかんやあって俺が色々と支援する事になってしまったからな


石鹸、下着、サプリ、お菓子等々を無料で支給したお陰で急激に肌艶が良くなり、女性としての魅力が日々上昇中なのは良いんだけど


見送りをするだけなのに妖艶な雰囲気を出すのは止めて貰いたいなぁ



「シンさん、何があっても無事に帰って来てね!シンさんが居ないと畑の収穫もウィスキー造りも出来ないんだから」


「いやいやオリビエさん、どっちも俺が居なくても問題無いでしょ。畑の方は収穫のタイミングがあるんですから、その時が来たらさっさと収穫して下さいよ」


「それは許されないわ!そんな事をしたら女神様に嫌われて美味しいお酒が出来なくなってしまうもの」



そんなあほな、、、と言い切れないのがこの世界だからなぁ


俺が創造神様に色々と食べ物をお供えした今、酒に限らず食べ物を冒涜する者には絶対に美味しい物は造れないだろう


そんな奴には下手すると天から雷が降り注ぎ、消し炭になってこの世から消える事も・・・


高確率で有り得るからマジで気を付けないとな(汗)



酒をこよなく愛するドワーフの皆さんが造る酒なら何の問題も無いはずなんだけど、同時に一切の妥協も許さないから俺が帰るまで絶対に待ってるだろうな


帰るのに10日以上かかる場合は、創造神様からオリビエさんに『俺が居なくても畑の収穫をするように』っていう神託をしてくれるように頼むしかないか



「オリビエさん、予定通りに帰れるように全力を尽くします。」


「いつ帰って来ても良いように準備は完璧にしておくわね♪」



今更だけど、秋にイベント詰め込み過ぎたよ(汗)



「ご主人様、どうがごぶじでぇ゛~~~~~~~~~(泣)」


「ちょっ、ミー姉さん泣き過ぎだから、とにかく鼻拭いて、鼻!」




あらら


前回の旅立ちの時も泣いてたけど、今回早くも号泣しちゃってるのは


本店で働いてる猫耳獣人のミーナ、そして泣いてるミーナを慰めてるのがキツネ耳獣人のスージィー


いつの間にか2人は商会で働いてる奴隷と獣人達の纏め役になっていたりする。



「ミーナ泣かないの、前にミーナ達が作ってくれた『お守り』今も大事にしてるよ、この『お守り』があれば絶対無事に帰って来られるから」


「ヒック、、ズズー、、、は゛い゛、どうか、どうかご無事、、、でぇ~~~~~~~~~~~(泣)」



ありゃりゃ?!


そんなに泣かれたらミーナの方が心配になるよ



「ご主人様、ミー姉さんの事はあたしが何とかするから心配しなくて良いよ。でも、、、あっ、あたしもご主人様が帰って来ないと泣いちゃうかもだから


早く帰って来てね!!」


「おっ、おう!」





「会長ぉ~!会長が居ないと何も決まらないんですから寄り道せずさっさと帰って来て下さいね!」


「アンさん、アニキに頼り過ぎるのは駄目だろ!」


「そう言うけど、ニック君とスナック君が優柔不断なのがいけないんでしょう、会長に頼るのが駄目って言うなら、今度の事は2人に決めて貰うけど良いよね?」


「「そっ、それは、、、」」



何があったか知らんけど、相変わらず甘味部門は大変そうだなぁ(笑)



「ニックにスナック、俺が留守の間に新作のドーナツとたい焼き考えとけよ」


「「えぇ?!」」


「いやいやアニキ、それはいくらなんでも無理だろ!」


「無理だと思った所からが本当の勝負なんだぞニック、それに新作の出来が良かったら交換条件で相談には乗ってやるから」


「ほんとかアニキ!のんびりアニキを見送ってる場合じゃねぇ、スナック今すぐ帰って新作考えるぞ!」


「うん!それじゃあアニキ行ってらっしゃ~い♪」



うーむ、現在甘味部門で何が起きているのだろうか?


些細な事だとは思うけど、前回が制服問題だったから今回は下着問題だったりしてな、さすがにそれは無いか(笑)



「シン殿ぉ~、あなたのウェンディですよぉ~♪」


「シン君、サウスビーチまでの道は比較的安全ではあるけど、くれぐれも気を付けてね」


「ミリーさん、ウェンディさん、忙しいのにわざわざ来てくれてありがとうございます。俺が留守の間は色々とよろしくお願いしますね」


「任せておいて、商会もマーマも私が守るから!」


「あら♪ミリーちゃんに守って貰えるなんて嬉しいわ、お返しにたくさん料理を教えてあげるわね♪」


「え゛っ、、、まっ、マーマぁ~(泣)」



ふふっ、ミリーさんには早く料理を修得して貰わないと心配でひとりにしておけないんだよ


そして残念な事に、お藤さん、コニー、フラニーは今回は留守番だ、この3人まで旅に出てしまうと服飾部門が大変な事になってしまうから仕方ない


服飾部門の人材確保が今後の課題だな。



「シンさん!」


「はっ、はい!」


「メリルちゃん、ニィナちゃん、ケイトちゃん、カスミちゃん、スミレちゃん、みんな元気で帰って来てね


お母さんたくさんご飯用意して待ってるから」


「「「「「「はーい♪」」」」」」



「わん♪」


「リリーも来てくれたのか、留守の間は頼んだぞ!」


「がうがう」


「知り合いがよろしく、って言ってたって?っていうかリリーの知り合いって、、、いや言わなくていい!これ以上旗は増やしたく無いからな」


「わぅ?」



リリーが首をかしげているけど、出発前から旗を建てるのはマジで勘弁してくれ



「おーいダンナァ、そろそろ行こうよぉ」


「それじゃあ行くか、皆行って来まーす♪」


「「「「「行ってらっしゃいませーーーーーーーー!!」」」」」


「しゅっぱーつ♪」


「「「「「おー♪」」」」」






つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る