第194話 ハニトーでスマイルを♪ その2
ハニトー、ハニトー、ハニトー♪
ハニトーを食べ~るとぉ~、みんながみんながみんなが
スマイルに~なる~♪
元世界のアニソンの替え歌が思いのほか上手くハマったぜ♪
商業ギルドでなんやかんやあったけど、パン作りに並々ならぬやる気を出してるミリーさんとウェンディさんと一緒に我が家に帰って来て食パンを作っている
浮島で手に入れたミキサーでパン生地を捏ねる間に、ジャックおじいちゃんに作って貰った型はバターを塗って
こちらも浮島で手に入れたオーブンでカラ焼き中、新しい型はカラ焼きが必要なのだとか
他にも
ハニートーストのトッピングに使うホイップクリームや果物は、我が家のみんなが準備をしてる最中だ。
『ピー、ピー、ピー』
おっと!
パン生地の捏ね上げを知らせるタイマー音が鳴っている
俺はパン作りは素人だからスキルの「店」で購入したパン作りの本に書いてある時間通りにミキサーで捏ねた
生地の出来上がりの目安はこれも本に書いてある通りだと、まず生地を少量取って薄~く伸ばす、そして向こう側が透けるくらいまで綺麗に伸びて、細かい気泡が沢山あれば良いらしい
パン職人なら他にも見るべきポイントがあるんだろうけど、俺は素人だしこれで充分だ
生地が出来たらミキサーから取り出して容器に移す、通常ならここから発酵させるんだけど
「ミリーさん、今から生地を膨らませて欲しいんですけど大丈夫ですか?」
「勿論よ、エルフの誇りにかけてやってみせるわ!」
毎度の事やけど、背負う物が大きくなり過ぎやねん(汗)
「それじゃあミリーさんお願いします。」
「ふぅ~、、、はっ!、、、むむむ、、、これはなかなかな集中力が要るわね
ウェンディ、あなた土魔法が得意でしょ?」
「はい、土魔法ならミリアリア様にも負けませんよぉ」
「それじゃあ私が魔力のコントロールをするから、土魔法の魔力を注いで頂戴、行くわよ」
「はい!」
・・・お?
おおっ?!
少しずつ生地が膨らんでるよ
スンスン
しかもこの独特の匂いは発酵臭だよな?通常の魔法の応用で発酵を促進?させてるらしいんだけど、詳しい理屈はさっぱり分からん、でも上手く行ってるから問題無し!
「ミリーさんストップ!もういいですいったん止めて下さい!」
「ふぅ~、これは慣れるまで大変かもね」
膨らんだ生地のガスをほどよく抜いて
「それじゃあカスミ、分割と成形はお願いな」
「お任せ下さい♪」
『カンカンカン、、、カンカン、、、カンカンカン』
スケッパーでリズミカルにパン生地をカットする音が良いね♪
俺がパンのレシピを登録したての頃、カスミはこども園でさんざんパン作りの手伝いをしていたから俺より上手なんだよな
カスミが作業してる間に俺はピザ生地作りだ。
ドワーフの皆さんにはハニートーストよりピザだろう、ワインにもビールにも合うし具材を変えれば色んな味が楽しめる♪
「ご主人様、こちらは終わりました」
「ありがとうカスミ」
カスミが成形して型に入れた生地は、通常なら2回目の発酵をさせなければいけない
今あるパンのレシピは1回しか発酵させない物だから、2回発酵させるパンのレシピを使う事になったら手間も時間もかかる
これを魔法でショートカット出来るなら、こども園でのパン作りもかなり楽になるんだけど、その前に魔道具でミキサーを量産するのが先か
手捏ねでもちもちふわふわのパンを作るのは現実的では無いからな
「ミリーさん、ウェンディさん、2回目行けますか?」
「シン殿任せて下さい♪」
「ウェンディやるわよ」
「「はっ!」」
来た来た!
膨らんで来ましたよ♪
「はい、ストップです!」
あとは表面に溶き卵を塗ってオーブンで焼くだけだ、蓋をすると焼き加減が分からないから今回は山形食パンに挑戦だ!
ーーーーー約30分後ーーーー
ん?
スーハー、スーハー♪
ピザ生地の仕込みをしてるとオーブンからパンの良い匂いがしてきた
そろそろ焼けたかな?
OK!
バッチリ焼けてる、魔法で発酵させてどうなるかと思ったけど上手く出来たぜ!
パンの大きさはウチの腹ペコ娘達なら1人で1斤くらい余裕かな、俺はそんなに食べれないからスミレと半分ずつだけど
焼けた食パンの上部の耳部分をカットして中身をくり貫いて、ひと口大にカットしてから溶かしバターとハチミツをタップリ絡めて元に戻す。
メロン、いちご、マンゴーを乗せてホイップクリームでデコレーション、箸休めとしてフライドポテトを突き刺す♪
甘いものを食べたらしょっぱいのが欲しくなるからな
味変用のビターチョコソースとミルクチョコソースを用意すれば、おっさんオリジナルハニートーストの完成だ!
「ねぇダンナ、もう完成した?食べれる?」
「おう、みんなでテーブルに運んでくれー」
「「「「はぁ~い♪」」」」
ふふふ、ケイトだけじゃなく他のみんなもさっきからそわそわしながらハニートーストが完成するのを待ってたからな
「おにいちゃん早くー!」
「はいはい、今行きますよ~、、、よし!みんな揃ったな、コニー、フラニー、今日は2人の為に眠れる森の定番料理を俺なりのアレンジを加えて再現してみました」
「「ん~?」」
「あのシン殿、果物以外は眠れる森で見たこと無いんですけど、、、」
「まあそこは俺のオリジナルだからな、とにかくパンと果物を一緒に食べてみてよ」
「「いただきまぁ~す」」
「、、、ハチミツ?!マーマと食べたハチミツメロンの味だ!」
「こっちはハチミツいちご♪」
ハニートーストは成功みたいだな、2人とも口にクリームをつけながらバクバク食べてくれてる
「さあさあ、みんなも食べて食べて」
俺も食べるか、あーん、、、ふむふむ
実際にハニートーストを食べるのはこれが初めてなんだけど旨いな(笑)
「シン君!これは幾ら払えば毎日食べれるのかしら?」
「え?!ミリーさんハニートースト毎日食べるんですか?」
「上に乗せる果物とソースを変えれば毎日食べても飽きる事なんて無いから大丈夫よ♪」
自信満々に言われても困るんだけどなぁ(汗)
「ミリーさん、食パンは作るのに時間と手間がかかるんで毎日はちょっと、、、ホットケーキとか他のパンにハチミツかけるのは駄目ですか?」
「勿論それはそれで食べるけど、食パン独特のもちもちふわふわが良いのよ♪
コニーとフラニーも毎日食べたいでしょ?」
「はい、でもシン殿の迷惑になるのは嫌です。」
「私もコニーと同じ意見です。」
「確かに迷惑はかけられないわね。でもそれなら2人が食パン作りをマスターして食パンを作れば良いじゃない♪」
「「それだ!」」
「コニー、フラニー、魔法の使い方は私が教えてあげますから励むのです!これで毎日シン殿に会えますぅ♪」
「ウェンディ、エルフの新たな活躍の場と私の楽しみの為に頼んだわよ!」
う~む
俺は単純にコニーとフラニーに喜んで貰えれば良かったんやけど、なんか思てたんと違う方向に向かってしもてる気が、、、
コニーとフラニーを喜ばせるっていう当初の目的は果たせたから
良しとしよう!
つづく。
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