第182話 浮島探索
無事に浮島に上陸した俺達は、スミレの鼻がメロンの甘い匂いをキャッチしたので浮島産メロンをゲットする為に探索を開始した。
スミレの鼻を頼りに雑木林をどんどん進んでいくが、相変わらず生き物の気配は感じないらしい
だがしかし俺は確信する、やはりここは創造神様が造られた場所なのだという事を。
雑木林を少し進んだ所で栗が落ちているのを発見してここは栗林なんだと思い、もっと栗が落ちていないか辺りを見るとそこには
松茸、ポルチーニ、トリュフが生い茂っていて、この林は高級キノコ天国だった♪
高級キノコばかりなのが、まさに創造神様っぽい
だけど、俺はこの中だと松茸しか食べた事が無い、しかもあんまり美味しいと思わなかったんだよなぁ
でも松茸なら、お藤さんが美味しい炊き込みご飯にしてくれそうだ♪
他のキノコは料理本を見て頑張ろう!
そんな感じで高級キノコと栗を拾いつつ、みんなでワイワイしながら雑木林を進むと突然開けた場所に出た
「おおっ!」
「「「「「わぁ♪」」」」」
そこは見渡す限りのメロン畑だった
メロン畑なんてテレビの旅番組でしか見た事無いけど、高級メロンっぽい!
「主様!」「ダンナ!」
「どうした?!」
「ゴーレムです!」
「ゴーレム?!どこだ?」
急にニィナとケイトが武器を構えて俺の前に出て来たから何事かと思えば、ゴーレムが居るらしい
ゴーレムってかなり大きいイメージがあるから、見晴らしの良いメロン畑にそんなのが居たら目立つはず。
だがここにはそれらしき物は見当たらない
「ダンナ静かに、ほらあそこだよ畑の右端、ダンジョンにしか存在しないゴーレムがこんな所に居るなんて、やっぱ浮島はヤバイ所だな♪」
ケイトよ
ヤバイとか言いつつ何故嬉しそうなんだ!
それは置いといて、問題のゴーレムは、、、
ん?
あれがゴーレム?
確かに畑には、体が岩で出来てると思われる二足歩行のゴーレムらしき奴が居た
身長1メートルくらいのずんぐりむっくり体型で、よたよた歩きながらメロンの収穫をしている
あまりにもよたよたしてるから思わず「頑張れ!」って応援しそうになるよ(笑)
ゴーレムなんて初めて見たけど、あいつはダンジョンに居るゴーレムとは違うんじゃないかなぁ
あっ!
こんな時の為に俺には鑑定スキルがあったやん♪
元世界ではネットの異世界小説を読み漁ってたけど、せっかくのチート能力をこれほど使わず無駄にしてるキャラもおらんかったな(笑)
さっそく畑にいるゴーレムを『鑑定』っと
出た!
『二足歩行型汎用お仕事ゴーレムver.β』
あぁ~
なんとなくは察してたけど、浮島の管理というか畑とか芝生の手入れをしてるのが、あのゴーレムなのだろう
「ダンナ下がって!新しいのがこっちに来る!」
俺がお仕事ゴーレムを見ながらどうしようか考えていたら、またなんか来たみたいだ
ケイトの背中越しからこちらに向かって来るそいつを見ると、白っぽい体でうっすら虹色?に輝くゴーレムだった
こいつも身長は1メートルくらいで、やっぱりよたよた歩きながらこちらに向かって来る
とりあえずこいつにも『鑑定』っと
出た
『二足歩行型汎用お仕事ミスリルゴーレムver.5.06』
なんとミスリル製!
だけどなぁ、こんな誰も来ない所でミスリル製にする必要あるのか?
「ご主人様!」「ご主人さま!」
わぁお!
カスミとスミレが俺を守るように前に出てしまった、嬉しいけど怪我をしたらどうするんだ(汗)
浮島に居るゴーレムに危険は無いのかもしれんが
「おにいちゃん」
メリルは俺の後ろに隠れて少し震えてる?でもこれが正しい非戦闘員の反応だよ
「みんな大丈夫だ、多分話せば分かる」
「いくらダンナでもゴーレムと話すのは無理じゃない?」
「ケイト、ゴーレムは言葉を理解出来ないのか?」
「え?、、、話しかけた事無いから、、、どうだろう?」
「それじゃあやってみる価値はあるな。」
「いや、でも、危険だよ」
「ケイト殿、ここは主様に任せるべきです、あのゴーレムの動きから戦闘用では無いでしょうから」
ニィナの言う通り目の前に居るゴーレムは戦闘用では無いだろう。俺達がどうするか話してる間も一定の距離を取ってちゃんと待っててくれているからな
こいつが戦闘用ならビームでも出して俺達は灰になってる所だ
「おーい、こんにちはー、俺はシン・ナガクラと申しますー。立派なメロン畑ですねー♪」
とりあえず、自己紹介とメロン畑を褒めてみたけど、、、
うーん、少しだけど顔を上下に動かして頷いてる?
ゴーレムの顔にあたる部分には、目も何も無いから反応が分かり難いな
あれ?
突然動き出したゴーレムはメロン畑の中に入って行ってしまった
よく分からん行動にみんなで顔を見合わせてどうしようか考えていると、ほどなくしてゴーレムが戻って来た
その両手には種類の違うメロンが1個ずつ乗せられていて、こちらに差し出しているように見える、もしかしてメロン畑を褒めたお礼にくれるのかな?
「えぇーと、そのメロンは貰って良いのかな?」
うーむ、やはり反応が分かり難いけど頷いてるか?
とにかくメロンを受け取ろう、、、おっ重い!
スゲェ立派なメロンだ、しかもこれって夕張メロン?もう1個の方の品種は分からんけど高級メロンっぽい♪
「メロンありが、、、とう」
っておーい!
俺がお礼を言う前に、ゴーレムは既によたよた歩きながら立ち去る最中だった
まったく、お礼ぐらいちゃんと言わせろよな、ゴーレムなのに味な真似しやがる
でもそういうの
俺は嫌いじゃないぜ♪
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。