第181話 浮島上陸
「主様、私達が先に浮島に上陸して着地点を確保します。」
「了解、気を付けてな」
無線機でニィナと交信してから、上空を旋回しながら改めて浮島の様子を見る
浮島自体に危険は無いんだろうけど、怖いのは浮島に上陸したけど降りられなくなって、そのまま住み着いてる奴がいた場合だ
俺達が着地しようとしてるのは、毎日手入れされてるかのように綺麗な芝生のある開けた場所
隠れられるような物が周囲に無いから着地していきなり襲われる事は無いだろう。
おっ!
ニィナとケイトが無事着地したな、 それぞれ剣と警棒を構えて警戒している
上から見てたらよく分かるけど、人はおろか動物さえも全然居ないんだよな
「主様、ひとまず危険は無いようです。今のうちに着地して下さい。」
「了解!」
それじゃあ行きますか、練習通りに風魔法で微調整しつつ優しくフワッと着地っと、同時にパラシュートとハーネスも収納して
無事に浮島上陸♪
「ケイト、ニィナ、何か気配は感じるか?」
「ダンナ、なぁ~んにも感じないよ、何も無さ過ぎて気持ち悪いくらいだよ」
「ケイト殿の言う通りです。こんな所に住んでる者など居ないのでしょうが不気味です。」
とりあえず危険は無さそうだな、でもここは念押しで違うアプローチを試してみるか
「カスミ、スミレ、何か聞こえたり匂いはないか?」
こういう時はカスミのうさぎ耳とスミレの鼻に期待しよう
カスミが耳を細かくピコピコ動かして音を聴いている
「ご主人様、近くに私達以外で動く音は聞こえません」
「そうか、スミレはどうや?」
「ご主人さま、甘い匂いがするー!スンスン、ん~、、、メロン♪」
「メロンか♪」
「うん♪それと甘くない、、、メロン?」
スミレが首をかしげているけど甘くないメロンってなんだろうな、きゅうりだったらスミレも普段から食べてるから匂いも分かるはず
食事に出てない瓜科の植物だろうと思うけど
「とりあえず危険は無さそうだから、浮島の中心に見える巨大な木を目指しながらメロンを探そう!」
「「「「「おー!」」」」」
「おっと!忘れるところだった、その前に記念写真撮らなくっちゃ♪」
「あははは、ダンナは何処に行っても変わんないな(笑)」
何故かケイトに笑われてしまったけど記念写真は大事だ、何年か後に見ると楽しいもんだよ
カスミの持ってるデジカメに三脚を付けて、せっかくだからあのでっかい木が入るようにしないとな、セルフタイマーセット!
「おにいちゃん、早くー!」
「おう!」
メリルに急かされ小走りでみんなの所に行く
『ピ、、ピ、、ピ、、ピ、、ピッピッピッピッ』
「みんな笑えー」
『カシャ』
デジカメを確認すると凄く良い写真が撮れてた♪
「いざ!浮島メロンを求めて、しゅっぱーつ!」
「いやいや、ダンナ目的変わってるから!」
「ん?何を言ってるんだケイト、俺達の目的は浮島の探索だろ
ならそこにある植物の調査も大事な目的のひとつだ、帰ったらちゃんとミリーさんに報告しないといけないんだぞ」
「う~ん、そう言われるとメロンも凄く大事な気がしてきたけど、メロンはそんなに珍しい物でもないし、まずは浮島の中心にある大木に行って島全体を確認してからの方が効率も良いよね?」
ぐはぁっ!!
なんてこった、ケイトに正論で反撃をされるなんて(汗)
いや、そもそもケイトは頭の回転は良いんだよ、少年の心を忘れてなくて無邪気だからそういう風に見えないけど
「ケイト殿、ここは未知の領域ですから状況に応じて臨機応変に行動するのは当然です。」
おおっ!
珍しくニィナが俺のフォローをしてくれている♪
だがしかし、普段からそういうのして欲しいぜ
「そうは言うけどさぁ、ここはメロンより洞窟とか探して浮島のお宝見付けたいじゃんかぁ。お嬢もお宝の方が良いだろ?」
「お金には困ってないから、お宝よりは見た事無い種類の果物があるならそっちの方が良いかな」
「えぇ~(悲)じゃあさスミレは、、、メロンの方が良いよね」
「うん♪」
「カスミはどう?」
「わたしはシナモンとか山椒とか、香辛料があれば、お藤さんのお土産に良いかなって思います。」
「うぅぅ、お藤さんの美味しいご飯の為には香辛料は欲しいけど、、、ダンナァお宝は探すんだよね?」
「当たり前だろ、せっかく来たんだからお宝のひとつやふたつ持って帰らないとな、俺の独自調査によるとお宝はある!」
「やっほぉー、そう来なくっちゃ♪」
自信を持って言ってみたものの、ちーちゃんさんは景品を用意しとくって言ってただけなんだよな(汗)
だがしかし
景品が金や銀、宝石という可能性もあるはずだ!
もしかしたら、和三盆やエシレバター等のお菓子を作る為の高級な材料かもしれんが
いざ、浮島探索へ!
つづく。
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