第180話 空へ!

「おーい、浮島は見えるかー?」


「ダンナァー、まだ遠いけどバッチリ見えるよー♪」


「それじゃあボチボチ準備しようか」




現在俺達は、浮島の進路上にある標高約2000メートルの山に来ている、昨日のうちに登って夜明けと共にパラシュートで飛んで浮島に行く為だ


ここは山の開けた場所だけど角度が悪いのか浮島が見えない


そこでケイトに木に登って貰い浮島を確認していたんだ



「メリル、カスミ、スミレ、ハーネスを付けるからこっちに来てくれ」


「ねぇおにいちゃん、4人一緒で大丈夫?あっちはケイトとニィナの2人だから3人ずつに別れた方が良くない?」


「重量は問題無いから心配しなくていいよ、練習中にケイトは高い所が苦手なのが判明してさ、じっとしてるのが駄目みたいだから3人で飛ぶのは危険と判断して、この編成なんだ」




メリルの言う通り、4人でパラグライダーをするのはけっこうギリギリだったりする(汗)


メリルとカスミがまだ成長途中で良かったよ、来年ならアウトだった



そろそろ出発するか、収納から俺達とケイト達の分のパラシュートを取り出してそれぞれ装着っと


「ケイト、ニィナ準備はいいか?」


「準備万端です!」


「ひぃぃぃ、ダッ、ダンナァ、ここ練習の時より高いんだけどぉ(泣)」


「ケイト心配するな、2階以上の高さは全部一緒だから♪」


「そっ、そんなわけあるかぁーーーーーーーーーーー!」



わはははははは、ケイトも突っ込みが上手くなった、俺がアルに突っ込むのを見て覚えちゃったんだよな



「それじゃあコニー、フラニー、そろそろ頼むよ、留守は任せた」


「任されました!シン殿お気を付けて、フラニー行くよ!」


「うん!」


「「せーの『ビュォーーー!!』」」


『ブワッ』



おおっ!


コニーとフラニーの風魔法で俺達は一気に上昇していく、二人は攻撃魔法が使えるので生活魔法しか使えない俺の風魔法とは威力が段違いだ!


ケイトとニィナも少し遅れて無事に上昇して来た、ケイトは目をぎゅっと閉じて何も見ない作戦のようだな


俺の前に居るメリルとカスミは大丈夫そうだ、姿が小さくなっていくコニーとフラニーに笑顔で手を振っている


振り返って俺の背中に居るスミレを見るがこっちも大丈夫そうだ、鼻をクンクンさせて空の匂いでも嗅いでるのかな?



「「シン殿ぉー、お土産楽しみにしてまぁーーーーーす♪」」



ははは、なんかもう皆浮島よりお土産の方が気になってるやん(笑)



「カスミ写真頼むな、1万枚くらい撮れるからバシバシ撮ってええで、まずは記念にコニーとフラニーを撮っといたって」


「はい♪」


『カシャカシャカシャカシャ』



今回カスミにはスキルの「店」で購入したデジカメを渡して記録係りをして貰っている、せっかくの浮島だからみんなとの思い出を残しておきたいのと


ついでに、浮島の写真をアストレア様とミリーさんのお土産にする為だ、二人にはカラー写真を渡すけど、白黒とかセピアとかわざと不鮮明に加工した写真を王都の研究者に高値で売るのもアリかな♪




「あー、あー、ニィナ聞こえるか?」


「・・・感度良好!主様よく聞こえます。」



事前に渡しておいた無線機でニィナに呼びかける、上空でも無線機は問題無く使えるようだ



「ニィナ、ケイトは大丈夫か?」


「・・・・・・・こちらはお任せ下さい。」




いやいやいや!その沈黙は完全に問題あるやろ!


とは言え今更俺にはどうにも出来ん



「そっちは任せた、風に流されないようにな」


「・・・了解しました。」





さて、浮島は何処に、、、あれか!


ミリーさんの話から予想していた高度より低い位置を飛んでいるけど、そのお陰で既に俺達の方が高い位置に居て島全体を見渡せる



島の真ん中にあるのは木か?


馬鹿みたいに太くてでっかい木がある!



ラピ○タやん♪


浮島自体はラピュ○より細長くて空母みたいやけど、あれはまさしくラ○ュタやん♪



残念ながら古代遺跡は無いっぽい(悲)



しかし、あれなら山の近くを通れば魔法を使って飛び移れそうだけど


浮島に上陸したって記録は無いんだよな、結界があって勇者とか選ばれた者しか行けない仕様だったりするのか?


ちーちゃんさんは、元々ボーナスステージ用だったって言ってたし、創造神様のセンスだとそれこそゲームみたいに、


ドラゴンとかラー○アとか、人を乗せて飛べる大きい生物を仲間にして来るのを想定してそうだけどな



良いこと思いついた♪



「カスミ、浮島とニィナとケイトが一緒に写るように写真撮ってくれるか」


「はい!」


『カシャカシャカシャ』



よし!


まさにラ○ュタのワンシーンみたいや♪


これは浮島から帰ったら、『浮島旅行記』を書いて、この写真を表紙にしなくては!



憧れの浮島に人生をかけて追いかける、愛すべき馬鹿野郎達の道標となるように。






つづく。

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