第183話 浮島産メロン
浮島の畑を管理するゴーレムにメロンを貰ったので、休憩も兼ねて食事をする事にした。
浮島に来たからにはメニューはアレしかない、空賊が大好きなあのシチューだ!
表面に焼き色を付けた牛スネ肉を、大きめに切ったジャガイモ、ニンジン、マッシュルームと一緒に赤ワイン、ホールトマト、を鍋に入れて煮込んだ特製ビーフシチュー
前日から仕込んでおいたから、味も馴染んで二日目のカレー的な旨さになってるはず
パンを浸して食べるのも良しだ♪
デザートはせっかく貰ったからメロンにしよう
「ケイト、この貰ったメロン真っ二つに切ってくれよ」
「あいよ~、、、セイッ!」
『スパッスパッ』
「おおっ!ナイフひと振りでメロンをふたつとも切るとは、お見事♪」
「えへへ♪」
夕張メロンの方は綺麗なオレンジ色をしていてとても旨そうだ♪
もうひとつの方も鑑定したら、クラウンメロンという品種なんだとか、初耳だ(笑)
俺が知らないメロンって事は、きっと百貨店とかにしか売って無かった高級メロンなのだろう
「それじゃあ、いただきます」
「「「「「いただきます♪」」」」」
「ねぇ、おにいちゃん」
「どうしたのメリル?」
「このメロン凄く美味しいんだけど、何の為に作ってるのかな?ゴーレムは食べないでしょ?」
「確かに、、、創造神様にお供えするのかな?」
「それはあるかもしれないけど、こんなに沢山必要とは思えないかな、おにいちゃんもお供えしてるけど量は自由なんでしょ?」
「量も種類もお供えの頻度も自由だね、、、じゃあ食べる人が居るって事かな?」
「そう考えるのが自然かな、でもそんなに沢山の人がこの浮島に居たら私達はとっくに捕まってる気もするんだよね」
「なるほど、案外臆病なのかもしれないよ、隠れて俺達が帰るのを待ってるのかも」
「そうなのかなぁ?」
「ダンナ!さっきのゴーレムが帰ってきた、また何か手に持ってるけど、どうする?」
「どうすると言われてもなぁ、何かくれるなら受け取るしかない」
俺はミスリルゴーレムがこちらに差し出して来た物を受け取る
これは、、、なるほど甘くないメロンの正体はこいつか
俺が受け取ったのは冬瓜だった、食べた事無いけどみそ汁に入れて食べるんだったかな?
とりあえず今回はきっちり、お礼を言わせて貰う!
「ありがとうゴーレムさん、、、いや、ゴーレムは名前としては変か、、、ゴーレム、、ゴーレ、、レム、、、ゴレさん♪
ありがとうゴレさん♪」
勝手に名前を付けてみたけど、ゴレさんは反応する事なく来た道を戻って行った
だけど、少し足取りが軽くなったか?
よたよた歩いていたのが『のしのし』歩くようになっていて、喜んでるように見えなくもない
ゴーレムに感情があるのかは知らんけど、嫌がってはなさそうだから良しとしよう。
「すぅ、すぅ、すぅ」
ありゃりゃ
お腹が一杯になったからかスミレが俺にもたれ掛かって寝てしまっている、今日は朝が早かったからな
みんなを見るとニィナとケイトは元気そうだけど、メリルとカスミは眠そうだ
ゴーレムが危険じゃ無いって分かったし、お腹が膨れて緊張の糸が切れたんだろう
まだ午前中だけどいったん昼寝が必要だな、ブルーシートの上に布団を敷けば良いか、今日は春の陽気で外で寝るにはちょうど良いしな
「ニィナ、ケイト、こっちは限界みたいだから少し寝るよ、すまんがその間の護衛は頼む」
「かしこまりました」
「あいよ~、ねぇダンナ、残ったメロン食べて良い?」
「良いけど畑のメロンは勝手に食べるなよ、泥棒と間違えられてゴーレムからビームが飛んで来くるかもしれん」
「ビーム?」
「ゴーレムの必殺技だな、他にはロケットパンチとか周囲を巻き込んで自爆するとか色々あるから気を付けろよ」
「うん!畑のは絶対に食べないから(汗)」
注意しないと食べるつもりだったのかな?
まあいいや
「メリル、カスミ、昼寝するぞー」
「・・・うん」「・・・はい」
こっちはそろそろ限界だな
「2人ともおやすみ」
「「すぅ、すぅ、すぅ」」
「ダンナ、、、おーいダンナ」
『ゆさゆさゆさ』
う~ん、誰だ俺の身体を揺らすのは、もう少し寝かせてくれよぉ~
「ダンナ!!」
「うおっ?!ビックリしたなぁ耳元で大声出すなよ」
「そんな事より周り見てよ」
「なんだ敵襲か?」
ケイトに言われて周りを見ると、少し離れた所にゴーレムのゴレさんが居て、その後ろに7体のゴーレムがこちらを観察するように並んでいる
顔に目が無いから観察してるかどうかは分からんけど、、、
何この状況(汗)
つづく。
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