第125話 アストレア様と下着となんやかんや

ミリーさんに呼ばれて商業ギルドにやって来た俺とニィナ


今や大商会となった池田屋商会会長として俺に家名が必要って事で


俺の名前が正式に、シン・ナガクラになった、気持ち新たに頑張ろう!





アストレア様が来られる前にミリーさんに心のケアについて聞かないとな



「ミリーさん突然なんですけど、エルフというのは心のケアについて詳しいですか?」


「本当に突然ね、心のケアという事は悩みでもあるの?」


「そりゃあ色々と悩みはありますけど、今回は知り合いが悩んでいると言いますか、ショックを受けたと言いますか、とにかくほっとくのは良くない状況です」


「うーん、人族って繊細だから難しいのよね、エルフのやり方だと100年くらいそっとしておけば、大抵の事は乗り越えられるんだけど」


「流石は長命種のエルフですね、純粋に時間だけで解決しようとしたらそれぐらいは必要なんですかね」


「そうねぇ、心の問題は難しいから、時間が経てば解決する訳でも無いしね」


「とりあえず様子を見てみます、案外美味しいものを食べたら元気になるかもしれませんし」


「それが良いかもね、何かあれば遠慮せず相談して頂戴」





『コンコン、ガチャ』


「失礼しますミリアリア様、アストレア様がお見えになりました」


「ありがとうウェンディ、そのままお通しして頂戴」


「かしこまりました」








「失礼するわよ、あら?シンさんも来ていたのね」


「アストレア様、お久し振りです、お元気そうで何よりです」


「ええ、シンさんも変わり無いみたいで良かったわ、それでミリアリア、シンさんが居るという事は家名の問題は解決したのかしら?」


「はい、シンさんは既に家名を持っていましたので、これからはシン・ナガクラと名乗る事になります」


「それは良かった♪もし家名が無ければ考えなくてはいけなかったから手間が省けたわね


となれば、シンさんには色々話したい事があるのよ、まずはサダルスウド侯爵家とは良い関係を築けたみたいね。ゲオルグ様とソレイユ様の御二人から手紙が来ていて、派閥を越えた友誼を是非!と両方に書かれていたわよ」


「そうなんですか、ゲオルグ様には後ろ楯になって頂きましたし、ソレイユ様は下着を気に入って頂けましたから」


「あら?!あのゲオルグ様が後ろ楯に?相当気に入られたのね、あの御方は堅物で有名なのに、どんな魔法を使ったのか教えて欲しいわ♪」


「どんな、と言われましてもレシピ登録予定だった料理を振る舞っただけなんですけど」


「本当かしら?まあいいわ、次の晩餐会で直接お聞きするから。それとソレイユ様にも気に入られたみたいね、下着に感動して鏡で御自分の姿を何時間でも見ていられるらしいわ」


「その事に関しては私から申し上げる事はありませんが、実は新たに優秀な人材を見付けまして、商会に下着部門を作る予定です」


「あらあら、今日は良い報告が多くて楽しいわねぇ♪それじゃあ下着に関しては他の派閥の方達に紹介状を書くから、紹介状を持って来た人達の相手は商会でお願いね、それ以外は無視して構わないから


同じ派閥の方達には今まで通りシンさんから直接購入するからよろしくね♪」


「かしこまりました。では私からもお願いと言いますか、ソレイユ様とお知り合いだったなら教えておいて欲しかったですね」


「ふふっ、先入観無しで会って欲しかったのよ、上手く行ったんだからいいじゃない(笑)


それで、ソレイユ様にはどの様な下着を差し上げたのかしら?」


「少し待って下さい、えーと、これですね」


「あらあらあらあら♪シンプルだけどワンポイントの花柄が素敵!こんなデザインの下着もあるのね、ミリアリアにはこのピンクの花が描かれてるのが似合うんじゃないかしら」


「これ凄く可愛いです♪シン君どう?似合うかしら」


「そっ、そうですねよく似合ってますよ、こっちの黒い薔薇も落ち着いた雰囲気で良いと思うんですけど」


「そっちも気になってたのよねぇ、ニィナさんちょっと着て見せて貰えないかしら」


「あらあら、良いわね♪やっぱり実際着てる所を見たいものね、お願い出来るかしら?」


「かしこまりました」



いやいやいや!かしこまったらあかんやろ!!


だがしかし俺も学習している、このメンバーでは俺の意見など全く聞いて貰えないという事を


俺は静かにソファから立ち上り窓辺に行くと外の景色を眺める


後ろではニィナが次々に下着を着せ替えられているのだろうか?


これが良いとか、あれが似合うとか、とても盛り上がっている


いわゆるキャッキャウフフ♪というやつなのか、おっさんには無縁の世界です。





「主様、お待たせしました」


しばらく外を眺めていたらニィナに声をかけられた、振り向くと、、、良かったちゃんと服を着ていたよ



「シンさんごめんなさいね、私達だけで盛り上がっちゃって、でも自分以外の下着姿なんてなかなか見れないのよ、ニィナさんまたお願いね」


「いつでもお申し付け下さい」


「この下着気に入ったから、1~3番のサイズを5着ずつ、4~7番を10着ずつ貰えるかしら、それと以前頂いた下着も追加が欲しいわね」


「かしこまりました、2~3日でご用意致します」




「さて、重要な話はこれで全部だったかしら」



おぅふ、下着は重要案件だったのか!



「あの、アストレア様はいつまでキャラバンシティに滞在予定なのですか?」


「そうねぇ、決めてる訳では無いのだけれど10日程かしら、わざわざ聞くという事は何かあるのかしら?」


「色々考えていますので、その時までのお楽しみという事で」


「あらあらあら、ワクワクして夜眠れるか心配になっちゃうわ♪」







これからやろうと考えている事は色々あるけど、基本的に貴族が絡んでくる事ばかりで仕込みというか根回しが必要なんだ



面倒だけど、我が家のみんなの幸せの為に


おっさんは、頑張りまっせ!






つづく。

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