第124話 シン・ナガクラ
朝、目が覚めると
そこにはもはや見慣れた光景がある
相変わらず俺の両腕はカスミとスミレにがっちり掴まれて動けないし
ニィナは警棒を握りながら寝てるし、ケイトはやっぱり腹を出して寝ている、寒く無いのかな?
メリルは、、、
いつも通り気持ち良さそうに寝てる
平和な日々に感謝やな♪
昨夜、創造神様から日本に戻る事は無理だと言われてしまった、予想通りではあるんだけどイセガミさんは大丈夫だろうか?
心のケアなんて俺には難し過ぎて何をしていいのか分からんからなぁ
おっと
窓から朝陽が射し込んできたからそろそろ起きるか
「みんな起きろー」
俺はまだ眠そうにしているスミレを抱っこして1階に行く
「シンさんにスミレちゃんおはよう」
「お藤さん、女将さんもおはようございます。今日は2人で朝食作ってるんですか?」
「おはよう、昨日は酔ってそのまま寝ちまったみたいですまなかったね、それほど飲んでるつもりは無かったんだど、そのお詫びって事で手伝わせて貰ってるんだよ」
「女将さんの料理かぁ、楽しみです♪」
「ふぁ~、ダンナおはよぉ~」
「ケイトちゃん!」
「ふぇ?、、、えぇーと顔洗って来ま~す」
「よろしい」
お藤さん、もう完全に母親のポジションやな(笑)
『ドンドンドン!』
「シン殿ぉー、おはようございまぁーす!あなたのウェンディですよぉー♪」
おぅふ、朝から元気な人、、、元気なエルフが来ちゃったよ
ウェンディさんって我が家に来る時はいつも早朝なのは何故なんだ?
「今、開けますよー、、、『ガチャ』ウェンディさんおはようございます」
「シン殿ぉー、あなたのウェンディですよぉー♪」
「ウェンディさん、このやり取り毎回やるの面倒くさいんですけど」
「面倒くさいってどうしてですかぁー、シン殿と私の楽しい時間じゃないですかぁ」
「はいはい楽しいですねー、それで用件は何ですか?」
「むぅ!扱いが雑なのが気になりますけど、時間が無いから仕方がないです。ミリアリア様から伝言です、昼頃にアストレア様が来られる予定なので、午前中にギルドに来て欲しいそうです」
「分かりました・・・
ウェンディさん、良かったらご飯食べて行きます?」
「はい、喜んで♪シン殿は優しいなぁ、もしかして私にホレちゃいましたぁ?」
「ソウデスネ、、、」
「わぁー!!ごめんなさいー、調子に乗りましたぁーー!謝るのでドアを閉めないでぇ(泣)」
「はぁ~、朝から疲れたく無いので調子に乗るのは本当に止めて下さいね」
「申し訳ございませんでした。
でもぉ、素の私を見ても変わらず相手をしてくれるのは、シン殿だけなんですよぉ」
「仕事してる時はキリッとしてて格好良いんですから、少しは素を隠してもいいんじゃないですか?」
「そんなの偽りの私じゃないですかぁ、本当の私を見て欲しいですぅ」
「まあ、ウェンディさんも調子に乗らなければ、素敵な女性だと思いますよ」
「やったぁー、シン殿に褒められたぁ♪あっ!シン殿大丈夫です、もう調子に乗りませんから!」
「あはははは、早く入ってご飯食べましょう」
「はぁ~い♪」
ーーーーーーーーーーーーーーー
朝食を食べて、さっそくやって来ました商業ギルド
「ミリーさんおはようございます」
「ミリアリア様、おはようございます」
「シン君にニィナさんおはよう、アストレア様が来られる事は聞いてるわよね?」
「ええ、また美容品や下着の事ですか?」
「それも含めて色々あるのだけど、その前にシン君の家名についてよ、もしかして家名があるのかしら?」
「家名ですか、ありますけど平民の俺には家名は必要無いですよね」
「それは普通の平民の話で、大商会の会長なら家名があるのが普通、無くても御用商会なら貴族が付ける事もあるのよ」
「家名が無いと舐められるって事ですか?」
「否定は出来ないわね、そういうおバカさんは必ず居るから、嫌なら無理にとは言わないけれどもし家名があるなら名乗って欲しいなと思って」
「しょうがないですね、俺1人の問題では済みませんし、俺の家名は『ナガクラ』です、シン・ナガクラ」
「それじゃあ、この書類にサインをお願い、池田屋商会会長として正式に登録するから」
『シュルシュルシュルシュル』
「どうぞ」
「ありがとう、これからもよろしくねナガクラ会長♪」
「ミリーさんに言われると違和感しか無いんですけど」
「ふふっ、そうね私も言ってて可笑しいもの、家名があっても今まで通り自由に商売をしてくれて構わないから
期待してるわよ、シン君♪」
「程々に頑張りますね(笑)」
正式に俺の名前がシン・ナガクラになっちゃったな
俺の本名は『シンパチ』なんだけど、最初に名乗る時に『シンパチ』だと目立つかなと思ってなんとなく『シン』って言ったんだよな(笑)
名付けてくれた親父には悪いけど、今更名前を変えるのもな
長倉真八としての人生は全うしたから許して欲しい
父さん、母さん、俺はこの世界で、シン・ナガクラとして生きていくよ
つづく。
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