第115話 ただいま♪ その2
やっとキャラバンシティに帰って来た俺達は、バーベキューパーティーをする為に手分けして皆に声を掛けに行く事にした
「ニィナ後ろに乗れ!」
「主様、その、、、とても不安定に見えるのですが」
ニィナがそう言うのも当然だ、俺は今からガゼル親方の所に行こうとしている
だけど歩いて行くのは面倒だし時間もかかるから自転車で行く事にした
ニィナもトゥクトゥク自転車は見てるけど、荷台も何も無い状態の車輪2個だけの自転車が2人乗りで走れるとは思えないのだろう
「まあ納得の疑問ではあるけど時間が無いからな、俺を信じて後ろに乗ってくれ」
「では失礼します」
「しゅっぱーつ!」『ビュォーーー!』
「おっ?!おお!!主様、速いです♪」
「ははは、そうだろう俺達は風になるんだ!」
「はい♪」
普通に行くと疲れるからフルパワーの風魔法を使って背中を押している、俺とニィナの2人だけだからスピードも凄いぜ
そしてあっという間に親方さんの工房に到着したよ、ありがとう生活魔法、ありがとう創造神様!
「こんばんは、親方さん居ますかー?」
返事が無い
工房の事務所兼応接室にはいつものように誰も居ない、それはいいんだけど奥の作業場からも何の音も聞こえて来ない
この時間だと既に酒場に行ったのかな?
でも一応アレは試しておこう♪
『シュポッ、トクトクトクトクトクトク』
俺は収納から瓶ビールとグラスを取り出し注いでいく
『ドタドタドタドタドタドタドタ!!』
「誰だぁ!ここで酒を飲むんじゃねぇとあれほど、、、おおっ?!
お前さん帰って来たんか、怪我もしとらんし元気そうで何よりだ!ガハハハハハハ!」
『バンバンバン!』
「わっ!げほっ、ごほっ、、、親方痛いです(涙)」
「おう、すまんな嬉しくてついチカラが入っちまったか、だがこれくらいで痛がるとはもっと酒を飲まんといかんぞ!!ガハハハハハハハ♪」
『バンッバンッ!!』
「ぐぇっ!」
「それでどうした、帰って来た挨拶にしては2人だけか?」
「それなんですけど、これから孤児院でバーベキューパーティーしようと思ってるんですよ、良ければ工房の皆さんもどうかなと思いまして、勿論酒も沢山用意しますよ」
「ヤッホォー♪絶対行くに決まっとる!お前さんの酒と飯は特別旨いからな、他の奴等に急いで声かけて来る!」
「準備があるんでそんなに急がなくても大丈夫ですよ」
「何を言っとる、皆で準備をすればそれだけ早く酒が飲めるんだ、急ぐに決まっとるだろ!」
「そっ、そうですよね(汗)じゃあ俺は商業ギルドにも行かなきゃなんで、失礼しますね」
「おう、準備は任せておけ!」
即行で商業ギルドに来た俺は迷わず受付に直行する
「こんばんは、ミリーさん居ますか?」
「あら、シンさんお帰りになったんですか、ミリアリア様は部屋に居られますので案内しますね」
『コンコン』
「ミリアリア様、シンさんを案内して参りました」
「入って頂戴」
『ガチャ』
「失礼します、ミリーさんただいま帰りました」
「お帰りなさいシン君、無事に帰って来てくれて嬉しいわ♪」
「色々あったんですけどみんな無事に帰って来ました、コレお土産のチーズとレシピです、チーズはそのまま食べてもいいですけど
パンにベーコンとチーズ挟んで食べるのがお勧めです。
レシピはそのまま登録しても、貴族に売り付けて恩を売るでもお好きなようにして下さい」
「そう、、、ありがとうとても嬉しいわ」
何故だろう、ミリーさんって俺に会う度に頭を抱えてる気がするのだが
「ミリーさん、大丈夫ですか?」
『ダダダダダダダダ、ガチャ!』「シン殿ぉ!あなたのウェンディですよぉーーーー♪」
「ウェンディさん?!抱きつくのは止めて欲しいのですけど」
「シン殿ぉ~、酷いじゃ無いですかぁ、帰って来たなら会いに来て欲しいですぅ~!!」
「ウェンディ、嬉しいのは分かるけどそのままでは話が出来ないわ」
「いえいえ、構いませんよ用件を言ったら直ぐ失礼しますから、これから皆を呼んで孤児院でバーベキューパーティーするんでどうかなと」
「そういう事なら喜んで行くわ♪」
「勿論私も行きますよぉ~♪」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ミリーさんとウェンディさんと一緒に孤児院に来たのだが、どうやら俺は自分の立場というものを正しく理解していなかったようだ
何故なら孤児院には100人程の人達がいて、露店を出してスープやポップコーン、麺料理等を準備している
これはもうパーティーじゃなくて祭りやん!
そりゃあ俺が「皆」って言ったんだから、皆集まるとこうなるか(汗)
「アニキーー!」
「おう、ニックにスナック元気だったか?」
「勿論だよ、アニキが居ない間に俺達も成長したんだぜ、明日にでも見てくれよ」
「そりゃあ楽しみだ、俺も2人にお土産があるんだ、新しいクレープの材料になるから楽しみにしとけよ」
「マジかよ!アニキには負けねーからな」
「そうだよアニキ、僕達も頑張ったからね、絶対に負けないから!」
何に対して負けないのか分からんけど、2人が元気で良かったよ
「会長、新しいクレープというとまた忙しくなるんですけど(汗)」
「アンさんも元気そうで良かった、忙しいのは嬉しい悲鳴ってやつですから頑張って下さいね♪」
「あぁ~、はい、そうですよね会長ってこんな感じでしたよね、頑張ります」
頼りにしてますよ、アンさん♪
「ご主人様!御無事のお帰りに我等奴隷一同、至上の喜びに御座います!」
「ミーナに皆も大袈裟だなぁ、でも嬉しいよありがとう、これお土産の豚な、解体して豚カツ、しゃぶしゃぶ、串焼き、ステーキなんかにしてくれるかな?」
俺は収納からケイトが倒したイノシシみたいな厳つい顔のデカい豚を出す
「おおっ!こりゃスゲェ」
「流石ご主人様だ!」
「みんにゃやるよ!」
「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」
「なんだあのデカい豚は!お前さんのやる事はいちいち規格外だからな、見ていて飽きんぞ、ガハハハハハハハハハ!」
「ふふっ、あの人ったらシンさんが居ない間ずっと元気が無かったのよ、だから今日は凄く張りきっちゃって(笑)」
親方さんに奥さんのオリビエさんも変わらないなぁ、親方さんが張りきるとかちょい怖いけどな(笑)
「ダンナァ、遅いよみんな待ってたんだぜ」
「すまん、これでも急いだんだけどな」
「ほらジョッキ持って、早く早く♪」
「えーと、皆今日は集まってくれてありがとう、酒も料理も沢山用意したから遠慮せず食べてくれ、カンパーーーイ」
「「「「「「カンパーーーイ!」」」」」」
なんか俺の思ってたバーベキューパーティーとは違ったけど、こういうのも良いな
我が家のみんなも凄く楽しそうなんだけど、メリルだけ少し表情が暗い気がする
「おにいちゃん」
「どうしたのメリル?」
「なんだか満足した顔してるよ」
「そうだね、ここまでやれば俺とメリルの商人伝説は達成かなぁって」
「・・・そっか、、、そうだよね、おにいちゃんは貴族を相手にする凄い商人になったんだもんね、おめでとうおにいちゃん」
「ありがとうメリル」
「商人伝説達成しちゃったし、わたしはもう必要な」「あぁーーーーーーー、困ったなぁ、6人で商人英雄伝説が創りたいんだけど1人足りないんだよなぁ」
チラッ
「えっ?!」
「なぁみんな、良い子知らないか?」
「勿論知ってるよ!頭が良くて可愛くて、ダンナを叱れるとびっきりの子がそこに居るぜ♪」
「私もその御方が良いと思います」
「私もメリルさんしか居ないと思います!」
「スミレもメリル姉ちゃんがいい♪」
「という事なんだけど、どうかな?俺達6人で商人英雄伝説を創らないか?はっきり言って俺はメリルに支えて貰わないと駄目なんだけど」
「ふふっ、しょうがないなぁ、その凄くダサーい伝説、一緒に創ってあげる♪」
「ありがとう、頼りにしてるよメリル」
「うん♪」
「みんな!今日から俺達6人の、商人英雄伝説の始まりだぁー♪」
「「「「「おー♪」」」」」
つづく。
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