第7章 キャラバンシティ

第114話 ただいま♪

時刻は間もなく夕暮れ


キャラバンシティから南に140~150キロ程離れたサウスビーチでレシピ登録を終えて無事に帰って来た


今や俺の第2の故郷キャラバンシティ、およそ1週間の旅でトラブルもあったけど収穫も沢山あった



1番の収穫はケイトの闇の元凶、ラウール・サグェを倒した事だろう


ラウール君については気になる事も多々あるのだが、今後俺達にちょっかいを出す事は無いだろうと思う、根拠は無いけどな(笑)



これでケイトの闇が無くなる訳では無いが、それはこれから時間をかけて・・・


何をすればいいのか全然分からんけど、我が家のみんなで何とかしてみせる!




そして新たな仲間も加わった


異世界小説でお馴染みの日本人転生者だ


転生だから元日本人になるんだけど、日本で婦人服店を経営していた熊耳藤(くまがみふじ)さん改め、お藤さん


お藤さんには池田屋商会で新たに服飾&下着部門を作って任せようと思っていて、貴族向けのコサージュやお洒落小物なんかも作って貰う予定だ


服に興味があるメリルとカスミも、しばらくはお藤さんに色々教えて貰いながら働く予定


また人を増やさないと駄目なんだろうなぁ


ウチの商会にはもっと幹部というか管理職が必要だな、能力的にはエルフがそういうのに向いてるらしいから、ミリーさんに紹介して貰うのも良いかもしれない





そろそろキャラバンシティという所で、道の真ん中に見慣れぬ門が目に入った


目の前の大きな川を渡って少し行くとキャラバンシティの南門が見えて来るはずなのだが、そのだいぶ手前に石造りの立派な門がある


周りに資材が置いてあるし整地作業もしているみたいだから、まだ何か造るんだろうけど何故こんな所に?


残念ながらこの時間では作業が終わっていて誰も居ない、まあこういうのはミリーさんに聞くのが早いだろ





「おーい、旦那ーーー!!」



謎の門をくぐり少し行くとキャラバンシティの南門が見えてきた、そしてそこの門兵が手を振っている


俺に門兵の知り合いは居ないのだが、あの人は、、、



「えぇーーと、たしかあんたは、、、ロブさんだったよな?」


「おう!俺みたいな奴を覚えててくれて嬉しいぜ、たしか旦那はサウスビーチに行ってたんだよな、それにしちゃ帰るの早いな、途中で引き返して来たのか?」



ロブさんは以前、俺がおでんの露店をした時に客として来た人だ



「ちゃんとサウスビーチに行って来たよ、馬車のスピードを上げる魔道具があるからそのお陰だよ」


「流石旦那だ、その辺の商人とは違うぜ!改めてお帰り旦那」


「おう、ただいまロブさん」


「なあ旦那、帰ってきて早々悪いんだけど、前にやってた露店やんないのか?雨の日と寒い日にやるって言ってたろ?」



たしかに言ったな、サウスビーチは夏だったけどキャラバンシティはすっかり冬だからおでんの露店をやってもいい




「そうだな、準備もあるから2~3日待っててよ、ちゃんと酒も用意しとくからさ」


「やったぜ!あの酒旨かったからなぁ、今から楽しみだ♪


引き止めちまってすまんな、皆旦那が帰って来るの待ってたから早く顔見せてやってくれよ」


「ありがとうロブさん、またなぁ」


「おう!」






さて最初は誰に会いに行こうか、と言っても決まってるんだけどな(笑)




「「「「「「女将さん、ただいまーーーー!!」」」」」」


「うるさいねぇこんな時間に、保存食は売らないって、、、おや?


あんた達帰って来たのかい♪」



「みんな無事に帰って来ましたよ♪女将さんは元気でしたか?」


「あたしも変わらず元気だよ、メリルちゃん、サウスビーチはどうだった?」


「あのね、凄く温かい場所で海が綺麗だったよ、それで魚と貝を食べたの♪」


「貝?は分かんないけど、魚とはまた珍しい物を食べたね」


「魚と貝はお土産に沢山持って来たんで厨房に置いときますね」


「これはサウスビーチが騒ぎになるのも時間の問題かねぇ(笑)」


「ねぇねぇヘレンさん、この服サウスビーチで買って貰ったんだけど、あたしに似合ってるかな?」


「ん?ほぉ~、よく似合ってるじゃないか、あんたも年頃の娘なんだ、もっと可愛い服を着なきゃ駄目だよ」


「うん♪」


「それにしてもケイトのお嬢ちゃんがあんな顔をするようになるなんてねぇ


ウチの会長も今回の旅で一段と良い顔をするようになったし」


「いやぁ、女将さんにそう言われると嬉しくて照れちゃいますよ」


「あはははは、あたしはあんたのそういう素直な所が好きだよ♪


あんた達ともっと話したいけど、商会とか孤児院にも顔出してやんなよ、皆待ってたからねぇ」


「それなんですけど、これから孤児院に皆呼んでバーベキューしようと思ってるんですよ、女将さんも是非来て下さい」


「そういう事なら手分けして声掛けた方がいいね、ニックとスナックと露店やってる子にはあたしが声掛けとくから任せな」


「ありがとうございます、じゃあ俺とニィナで親方の所と商業ギルドに行って来るから、他は商会のみんなと準備をお願い


今夜はバーベキューパーティーだ♪」


「「「「「「おー♪」」」」」」






つづく。

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