第112話 戦うおっさん

突如現れたケイトの抱えている闇の元凶を倒すべく


俺はプランBを実行する!






「なあニィナ、確認なんだけどアイツは俺が何とかしなきゃ駄目なの?」


「はい、主様が何とかしなくてはなりません」


「やっぱそうなのね、アイツAランクで強いらしいんだけど、それでも俺が戦うの?」


「勿論です。Aランク冒険者剣帝ラウール、魔法は使わず純粋に剣技だけでAランクになった強者です」


「知ってたのね?」


「たまたま噂を聞いただけでございます、そして剣だけの相手に主様が負ける事はありません」


「えぇー?!俺に戦う技術が無いのは知ってるだろ?」


「勿論でございます。それでも、主様なら何も問題無いと確信しております」


「信頼してくれるのは嬉しいけどな」



ニィナは俺の能力とか創造神様の事とかある程度知っているからな、それを踏まえての信頼なんだろうけど





『ダン!ダン!』


「またボクを無視しやがって!お前だけは許さない、殺してやる!!」



えぇーー?!アイツめっちゃ怒ってるんですけどーー!



などと俺がビビっていると、アイツがこちらに向かって走って来た、速い!!


Aランクってのは伊達じゃないな



だがしかし


こんな時こそ焦っては駄目だ、まずは自動回復の魔法を使う


次に、収納から防刃ベストと防刃手袋、サングラスを取り出し装着する


とは言っても収納から直接身体に出せるから一瞬なんだけどな


創造神様のチカラは信用してるけど相手はAランク、俺も全力を出す!



「ふん!そんな珍妙な鎧でボクの剣を防げると思うなよー!!」



アイツが走りながら叫び剣を抜いてこちらに向かってくる


目を見開き俺を睨んだ瞬間


今だ!


喰らえ、超強力業務用ライト!!


『ビカーーーーー!!』


「ぐあっ!、、、目が、、目がぁーーーーー!!」



よし、効果絶大!


収納から俺の手に出したライトは、アイツからしたら謎の道具だ、警戒はしてもどんな効果があるのかまでは分からない


そもそも俺の持ってる道具は魔道具じゃないから、この世界で見た事ある奴なんて居ない


初見殺しもいいとこだよ、裏を返すと俺の戦い方は対策されるとどうにもならんって事でもある



まともに光を見たアイツは目を押さえて誰も居ない場所に向けて剣を振っている、流石に視覚を奪われればなす術は無いか?


だがアイツはAランク冒険者、油断などしない!


続きまして、釣り竿に爆竹を取り付けて火をつける、竿を伸ばしてアイツの耳元にゴー!



『バン!バン!バババババババババババババババババァーーーン!!』


「んあ?!耳がぁ!くそっ、何処に居る?!卑怯な奴め、正々堂々と勝負しろーー!!」


「お前は馬鹿か、そもそも正々堂々の基準って何やねん!どうせ耳鳴りがして聞こえてへんやろうけどな、全員マスク装着!」


「「「「「おー!」」」」」


「え?マスク?!」



こんな時の為に、みんなにはずっと前から防毒マスクを渡してあるんだ、お藤さんには誰かが予備のマスクを渡してくれるだろ


俺は収納から唐辛子スプレーを2本取り出し、風上の離れた場所からアイツに向けて噴射する


『プシューーーーーーーーーー!!』


「げほぉっ、げほげほ、、、貴様ぁ、、、げぼぉっ」



視覚と聴覚を失って、更に唐辛子スプレーで咳き込んでるのにまだ戦意があるとか、やっぱAランク冒険者ってのは恐ろしいな


だからこそアイツには近寄らないし、俺は絶対に勝たねばならん!



これで最後だ、釣り竿の先にスタンガンを取り付けフルパワーでスイッチON『バチバチバチ!!』


行っけぇーー!


『バチバチバチ!!』


「ゲギャッ・・・」



ふぅーー、流石に気を失ったか




「おにいちゃーん!」


「メリル?!、、、心配かけ」「ダンナァー(泣)」


『ドサッ』


「「ご主人様ーー!!」」「主様!」


『ドサドサドサッ!』


「えーと、シンさーん」


『ドサ』



ぐはっ!苦しい、、、


メリルが抱き付いて来たのは問題なく受け止めたけど、ケイトは無理だった


そのまま倒れた俺の上にみんなが次々に覆いか被さるもんだからめっちゃ苦しい、そして何故かお藤さんも、、、それはいいんだけど



「みんな、心配かけたのは謝るから!このままでは俺は窒息してしまうのだが、、、」



俺はなんとか顔を動かしみんなの顔を見る、、、


しばらくこのままでも良いか♪






つづく。






◇◇◇◇◇


備考。


プランB―トラブル等に対応する為の予備プラン



プランC―戦略的撤退


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